仮想通貨市場の値動き
週明け18日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン価格は、前日比+1.77%の709万円(62,100ドル)と続伸した。
直近の上昇率とセル・ザ・ファクトへ(事実売り)の懸念から59,300ドルまで調整する場面もあったが、その後急速に切り返した。
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海外のアナリストRager(@Rager)氏も指摘するように、ローソク足の実体となる週足終値ベースでは最高値を更新しており、足元の過熱感を警戒されながらも、過去最高値(64,900ドル)の更新が意識される展開となっている。
$BTC
— Rager 📈 (@Rager) October 18, 2021
New all-time high on the weekly close for Bitcoin
Higher-high closes on higher-time frames is certainly what you see in a bull market 🐂
Now price just needs to get back over all-time highs pic.twitter.com/5j2xfey59B
BTC価格の過去最高値(ドル建て)は、最大手仮想通貨取引所である米コインベースのナスダック株式上場を控え、21年4月14日に記録した64,900ドル。同価格帯は強めの売り圧力も想定されるが、明確に上抜けた場合は主なレジスタンスライン(上値抵抗線)は存在しない。
昨今のBTC高騰の背景として、15日にProSharesの「ビットコイン先物ETF(ProShares Bitcoin Strategy ETF)」が、米SEC(証券取引委員会)に初めて認可されたことが判明した。保管・管理業務(カストディアン)を担うのは、金融大手のJPモルガンだ。
米国時間18日より、米ニューヨーク証券取引所(NYSE Arca)に上場する。
There it is! Bloomberg's data team in the process of adding the ProShares Bitcoin Strategy ETF to the terminal. Ticker will be $BITO. 95 bps — less than half $GBTC's 2% fee. This thing is going live next week. Either Monday or Tuesday. pic.twitter.com/Lil4eHVdmr
— James Seyffart (@JSeyff) October 15, 2021
ETF(上場投資信託)とは
日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)のような、特定の指数連動型の投資信託のこと。
直接的に現物の暗号資産(仮想通貨)を保有するものではなく、ビットコインに価値を裏付けた代替資産。株式と同じように、証券市場で証券会社やファンドマネージャーを通じて購入することができるため、ポートフォリオの多様性を高めるメリットがある。
ビットコインETFのもたらす影響
これまで米国で一度も承認されたことのなかったビットコインETFに関して、厳格な規制水準を堅持してきたSECの態度が軟化し、史上初の認可が下りたことは歴史的に重要な意味を持つ。現在申請中のValkyrieの「ビットコイン先物ETF」も承認される見込みとされており、今後も類似した金融商品の組成、上場が続く可能性がある。
ビットコインETFの承認ついて、ETF業界大手の「ETF Trends」は、①原資産の保管コストと手間がなくなる制度化の観点、②ベストビッド/ベストオファーシステム(CME CFビットコイン参照レート)の価格発見機能の観点、③米国商品先物取引委員会(CFTC)による規制面の3点を理由に挙げ、「ビットコイン先物ETFのメリットは、想定し得るデメリットを上回るのに、十分すぎる可能性がある」と結論づけた。
ETFtrends.comのTom Lydon氏は、「金ETFの規模は現在、中央銀行の持ち株に匹敵する」「金は単なる取引手段ではなく、ポートフォリオの分散投資、および資産としての地位を証明した」と述べている。
ゴールドETFの承認前は、年金、基金、財団などの機関投資家が金に投資することは容易ではなかった。 金現物は、保管コストや取得コストがかかるため、エクイティ形式で保有できるようになったことで、金融市場でのアクセス性が格段に高まり、流動性が大幅に向上したという。
この点について、三菱UFJ信託銀行は2012年に掲載したレポートにて、以下のように分析している。
近年ますますグローバル化する金融市場において、国内株式と外国株式の相関が高まった。
2008年9月に発生したリーマン・ショック時には、正規分布を前提にすれば「100年に1度しか起きない」規模の下落がみられ、年金運用にも甚大な影響を 及ぼした。
そのため、分散投資の選択肢の一つとして、先進国の債券や株式のみならず、「金ETF」などのオルタナティブ商品も含めて、様々な投資対象や戦略を組入れたバランス型運用が解決策として提示されている。
Financial Timesの報道によると、690億ドル相当を管理する豪州大手の年金基金「Queensland Investment Corporation(QIC)」の責任者StuartSimmons氏は、「規制面がより成熟すれば、暗号資産(仮想通貨)への資本の割り当てを検討する」と言及するなど、伝統金融市場からの関心は確実に高まりつつある。
金ETFの事例
金市場では、ゴールド(金)ETFで米国初承認となったのは、2004年11月に上場した「SPDRゴールド・トラスト」だ。
データ分析企業CryptoQuantのKi Young Ju(@ki_young_ju)CEOは15日、ゴールドETFが初めて承認されて以降の価格推移(月足)のチャートを引き合いに、その後長い年月をかけて市場規模は飛躍的に成長したと指摘した。
🟨 Gold market cap
— Ki Young Ju 주기영 (@ki_young_ju) October 15, 2021
Before ETF in 2004: $1 Trillion
After ETF in 2021: $11 Trillion
If $10T demand came from an inflation hedge, not industrial use, this year is going to be interesting for #Bitcoin.
🪙 BTC market cap
Before ETF in 2021: $1 Trillion https://t.co/aiDB3iv7Wm
ただ、これは単純比較したものに過ぎず、今回承認されたのは現物ではなく「ビットコイン先物ETF」である点には留意する必要がある。今後、SECに現物のビットコインETFが認可されるかどうかも含めて注目されることになりそうだ。
なお、「SPDRゴールド・トラスト」の保有残高は、20年3月のコロナ・ショックで金融市場が大混乱に陥った際、大規模な資金が流入。 保有残高を大幅に伸ばし、2013年4月以来の高水準に達している。
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