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Wikipedia創設者が語る:失われたジャーナリズムが招く仮想通貨バブルと「次世代のWiki」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

メディアと仮想通貨の関係性
Wikipedia創設者のJimmy Wales氏は、仮想通貨市場が『バブルの真っ只中にいる。』とし、現在のメディアの在り方がバブル要因に加担していると指摘しました。
新たなビジネスを発足
失われつつあるジャーナリズムに対して危機感を募らせるWales氏は昨年10月、Wikipedia(ウィキペディアのノウハウを活かすことで、次世代のWikiとされるニュースサイト「WikiTribune」を新たに立ち上げ ました。

「BlockShow Europe」の2日目は、Wikipediaの創設者であるJimmy Wales氏の『超重大発表』とだけ記された発表から幕を開けました。

10分遅れて登壇したWales氏は、Wikipedia創設の経緯や現在のニュース業界の崩壊と、その解決策を示すべく、昨年立ち上げたWikiTribuneについて語り始めました。

『クリックベイト』文化の浸透

英国のDaily Mailは2014年、中国のスモッグ(大気汚染)がひどすぎて夕日が見えなかったため、人々が巨大ディスプレイで夕日を見ているという記事を公開しました。

出典:dailymail.co.uk

このニュースで最大の問題は、記事内容が、事実と異なる”フェイクニュース”であったことです。

ステルスマーケティングの対象となったそのディスプレイは、実際は「旅行会社の広告」であり、中国のスモッグとは全くの無関係だったのです。

真のジャーナリズムとは

このようなジャーナリズムの低下を招いた大きな要因としては、広告収入の低下が挙げられます。

クリック数だけで記事の良し悪しを判断されてしまうような現行体制が、フェイクニュースや『クリックベイト』(俗に言う釣り記事)の蔓延につながっているのです。

その上で、(事実関係の裏どりなど)調査時間を要した”内容の濃い記事”と、(短時間で殴り書きしたような)不確かな情報による”内容の浅い記事”のクリック数が同等であった場合、記者に対する報酬が変わらない状況に対して危機感を露わにしました。

現在のニュースは、崩壊しつつあると言える。

業界は「深刻な資金不足問題」に直面しており、資金力の低下がジャーナリズムの品質を押し下げている。

Wales氏は、もしWikipediaが無広告だったらどのように見えるかを冗談半分に披露し、会場の笑いを誘いました。

続けて、「このようなサイトがあることは、全く面白くない」とネット時代におけるジャーナリズムの問題点を指摘しました。

また、ニュースの崩壊が、仮想通貨にも影響を及ぼしている点について、以下のように述べています。

(仮想通貨市場において)我々はバブルの真っ只中にいる。

Wikipediaもドットコムバブルの最中に生まれたわけだが、その時と同様、バブル独特の過剰な盛り上がりと詐欺の増加が見受けられる。

メディアによる仮想通貨情報もひどい内容が多く、この業界は”本当のジャーナリズム”を必要としているのではないか。

その上で、昨年新しく発足し同氏がCEOを務める、プロのジャーナリストによる研究や最新の報告をもとに構成される「WikiTribune」が、沈滞しているジャーナリズムに新しい変化をもたらすと述べました。

WikiTribuneは、昨年10月に公開されたニュースサイトで、Wikipedia財団とは関係がありません。

出典:wikitribune.com

他のメディアとの差別化が図れる点として、自社の編集部とコミュニティメンバーの双方から記事を書く体制とWikipedia同様、無広告でサイトを運営する方針を述べました。

Wikipedia(ウィキペディア)のように、オープンかつ分散化されたモデルの方が、既存のメディア体制よりも強い(信頼できる)という事実は、ブロックチェーンの重要さをご存知の方々なら、よく理解できるはずだ。

「財力で情報を買収し、恣意的に内容を改変しようとする企業などの勢力に立ち向かうためには、”起きた事実”に頼るほかない」と述べたWales氏から、真のジャーナリズムを追求する一貫した姿勢が伺えました。

BlockShow Europeでは、CoinPost編集部でJimmy Wales氏に簡単なインタビューを行い、考えを直接聞かせて頂くことができました。

出典:CoinPost撮影

「WikiTribuneのトークン化は検討しないのか」と尋ねたところ、

この界隈では、何でもかんでもブロックチェーン上に載せようとしがちだが、まずはじめにブロックチェーンに載せる事で得られるメリットの有無を問うべきだ。

もしブロックチェーン抜きで実現可能なのであれば、そちらの方が(現時点では)効率的に思える。

WikiTribuneにおいて、仮にブロックチェーンで支払いが分散化された場合、大手企業が自社に対して好意的な記事を書くためにトークンを悪用されかねない(ジャーナリズムが失われ、信頼性が毀損しかねない)リスクがある。

また、現時点で支払いの仕組みはポイント制であるため、逆に『中央集権』的に管轄した方が良いと考えている。

と、回答をいただきました。

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