フランス中銀の見解
フランスの中央銀行であるフランス銀行が、DeFi(分散型金融)領域の規制を検討していることが分かった。フランス銀行のDenis Beau副総裁が11月に同行の取り組みについて明らかにしていた。
Beau副総裁は、過去2年間にわたり世界各国の中央銀行がCBDC(中銀デジタル通貨)の検討をしていると指摘。BIS(国際決済銀行)の調査によれば、9割以上の中央銀行が何らかの形でCBDCに関する研究を開始しているとした。
また、実際にCBDCを実装しているのはカリブ諸島の2ヵ国だが、20ヶ国以上の中央銀行がパイロットプログラムを進めているという。
CBDC
フランス銀行は現在、銀行など金融セクター間で決済を行う際に用いる「ホールセール」型のCBDCに焦点を置いた実証実験を継続しており、11月上旬にも実験結果の一部を発表した。
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特に、既存システムに対して、トランザクションのパフォーマンスや決済速度、透明性やセキュリティー面の向上が見られるかが主な検証対象となっており、国際決済での利用も視野にあると説明。また、ユーロ圏で検証が進むリテール型のデジタルユーロの捜査フェーズにも参加しているとした。
Beau副総裁はCBDCについて、以下のようにコメントした。
これらのイノベーションは決済システムの機能を効率化し、コストを低下しつつより利用しやすくするなど、全面的に強化するポテンシャルを持っている。
しかし、このようなイノベーションは我々の決済システムのスムーズな稼働にリスクとなる可能性もあるため、これらのリスクの全貌を理解し、既存システムの効率性と安定の基となる原則を思い返す必要がある。
CBDC以外の政策
Beau副総裁はCBDCだけではなく、決済システムに関わる規制についても「フェアでバランスの取れた規制のフレームワーク」が必要であると言及。欧州連合理事会が20年9月に提唱した暗号資産市場の規制案(MiCA)やデジタルオペレーショナルレジリエンス法(DORA)を支持する姿勢を示した。
両法案は欧州連合で検討されているデジタル通貨法案で、最終的には欧州連合理事会、欧州議会(EP)そして欧州委員会(EC)の協議がそれぞれ承認する必要がある。
また、近年台頭を続けるDeFi(分散化金融)の管轄も課題が多く残ると分析。従来の金融機関と違い、仲介機関を不要としているため、発行者やサービス提供者の特定が難しい為、効率的な規制を導入するには国家・国際レベルでの多角的な連携が必須であると指摘した。
仮想通貨規制のアービトラージが発生するシナリオを防ぐため、G7やG20など国際フォーラムとの連携が重要になると述べた。