仮想通貨関連企業にも注目
米大手金融サービス企業Jefferiesは、メタバース(仮想空間)は人々の生活を大きく変える可能性があるとの見解を示した。
ブロックチェーン技術はメタバースで重要な役割を果たすと予想。米コインベースのような暗号資産(仮想通貨)関連企業にも注目すべきだとも勧めている。また、今後数年でメタバースで最も成功しそうな領域はゲームであるなどと述べ、投資家は関心を持つ必要があると主張した。
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今回の見解は、Jefferiesが6日に公開。その後、情報を入手した海外メディアが本内容を報じている。同社はニューヨークに本社を構える大手企業で、投資や資産運用などの金融サービスを提供。東京の日本支店では、総合的に証券・投資銀行業務を展開している。
メタバースとは、インターネット上に構築された、多人数参加型の3次元仮想現実世界のこと。NFT(非代替性トークン)や仮想通貨も利用されており、アバターを使ってゲームや音楽のライブ、オンラインカンファレンスに参加できるなど、様々な領域で活用が期待されている。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」など、幅広く利用されている。
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メタバースはウォール街も注目しているもようだ。Jefferiesは今回、投資家は初期のインターネット技術のようにメタバースを捉える必要があると述べた。
これから発展していけば、人々の生活のあらゆる側面を変える可能性を秘めていると主張。Jefferiesのストラテジストは「投資家は、まずはハードウェア、その後にソフトウェア、さらにメタバースに関わる企業に注目すべきだ」との見解を示している。
フェイスブック社がメタに企業名を変え、事業の軸足をメタバースに移したことですでに大きな注目も集まっているが、Jefferiesはコロナ禍で様々な技術が普及し、生活のオンライン化が進んでいることも、メタバースの関心が高まっている要因に挙げた。
先月末には、ソフトバンクグループの「Vision Fund 2」が、メタバースプラットフォームを提供するZepeto(ゼペット)に約170億円を出資したことも報じられている。
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Jefferiesはメタバースの発展において株価に注目すべき企業に、コインベースの他、マイクロストラテジー、メタ、アップル、マイクロソフト、アマゾンも挙げたという。
メタバースの課題
たしかにメタバースは、ヘッドセットなどのハードウェアの販売やデジタル製品の売買など、新たな経済圏を生み出す可能性があると注目が集まっている。
一方で、メタバース上で問題が起きた場合にどこの国で解決すべきかなど、商取引等に関する法整備などの課題もある。また、メタには、個人情報の取り扱いなど、プラットフォーマーとしての責任を問う声も上がった。
仮想通貨ソラナ(SOL)の共同創設者Raj Gokal氏は先月、まだプロダクトもほとんどリリースされていないのに、主要メディアが広くメタバースを取り上げていることに疑問を感じているとコメントした。
I worry that the metaverse is overhyped (industry-wide). I haven’t seen this much hype in mainstream media over an unreleased product or category of products, maybe ever. to deliver, we will need a cohesive-yet-open experience across many platforms.
— Raj Gokal (@rajgokal) November 25, 2021
I don’t see that focus…yet