インドネシアに仮想通貨取引所設立か
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは、インドネシアに仮想通貨取引所を設立する計画を進めていることが分かった。複数の情報筋の話としてブルームバーグが報じた。
バイナンスと計画を進めている企業は、同国の大手銀行「PT Bank Central Asia」と、大手通信企業「PT Telkom Indonesia」。インドネシアの人口は2.7億人超で世界4位に位置するため、ブルームバーグは同国で仮想通貨の普及が急速に進む可能性があると報じている。なお、バイナンスの担当者は本内容について「噂や憶測にはコメントできない」と説明したという。
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インドネシアでは、決済手段として仮想通貨を利用することは禁じられているが、金融商品としての取引は認められている。同国貿易省の統計では、2021年1月から5月までの仮想通貨取引量は370兆ルピア(約2.9兆円)に上り、すでに2020年の取引量の6倍近くに達していた。国民には従来の金融サービスを利用できない人も多いと報じられている。
一方で先月には、同国のイスラム法の最高権威であるインドネシア・ウラマー評議会(MUI)が、仮想通貨には不確実性や賭け、害悪の要素があるため、禁止事項とみなすと宣言。インドネシアの人口のうちイスラム教徒は約87%で、2億3,400万人という世界最大のイスラム教徒を抱えており、MUIは影響力もあることから、この判断がインドネシアの仮想通貨市場に影響を与える可能性もあるという。
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バイナンスは本家「Binance.com」以外にも、規制に合わせた米国版として「Binance.US」を設立したり、その他にも豪州で「Binance Australia」を運営するなどして、世界進出を進めてきた経緯がある。
CoinPostの提携メディアThe Blockによると、「噂や憶測にはコメントできない」と述べたバイナンスの担当者は、以下の内容を付け加えたという。
我々は、世界でブロックチェーン業界を持続可能な方法で発展させることに協力していきたい。
そのために、あらゆる国で常にビジネスチャンスを探っている。
バイナンスは昨年5月、インドネシア初の登録交換業者Tokocryptoに出資。その際、同社のChangpeng Zhao最高経営責任者(通称、CZ)は「世界4位の人口を有するインドネシアは、近い将来、東南アジアにおけるブロックチェーン経済圏の中心の1つになりうる」とコメントしていた。
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相手企業について
今回バイナンスと話を進めている「PT Bank Central Asia」は、『Statista』のデータによると、合計資産のランキングで同国3位の銀行。同行は、億万長者の兄弟Budi・Michael Hartono氏が所有している。Hartono兄弟は、『Forbes』の2021年における長者番付で、同国1位と2位にランクインした
また、大手通信企業「PT Telkom Indonesia」の株式の50%超は、インドネシア政府が所有しているという。
両社とも上場企業で、『Yahoo Finance』のデータによると、PT Bank Central Asiaの時価総額は7兆円超、PT Telkom Indonesiaは3兆円超である。
ブルームバーグの情報筋は、バイナンスは最終的にPT Bank Central Asiaと提携すると伝えているが、まだ話し合いの段階のため、契約が変わる可能性もあるとした。