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迎える金融政策の転換点、BTC相場反転には売りこなす期間も必要か 仮想通貨・週次市況(bitbank寄稿)

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(11日〜17日)の仮想通貨相場

今週のビットコイン相場は上値の重い展開を見せ、48,000ドル付近をやや軟調気味に推移している。


目次
  1. 各市場の騰落率
  2. bitbank寄稿

各指標の騰落率一覧

11日の終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。

週間騰落率

月初来騰落率

月間騰落率

年初来騰落率

年間騰落率

(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)

(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)

11日〜17日のBTCチャート

Tradingview

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

週次レポート(12/11〜12/17):

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、週明けからやや値を下げ、17日正午時点で、540万円台中盤で推移している。

週末に採掘難易度が8.33%と大幅に上方調整されたことを好感し、570万円台で取引を開始したBTC相場だったが、CMEのBTC先物取引が始まると窓埋めを目指し上値の重い展開に。そこに、SolanaへのDDoS攻撃報道や、Binanceシンガポールが暗号資産(仮想通貨)交換業の登録申請を取り下げたとの報道、さらにはFOMCを控え米株に売りが入り、BTCは週明けから下値を模索する展開となった。

一方、200日移動平均線が相場のサポートとして機能すると、14日にはNIKEのRTFKT買収を受けて一部のNFTとメタバース銘柄が上昇したことに加え、イーロン・マスク氏が一部のテスラ商品のDOGE支払いを可能にする意向をTwitterで発表したことでDOGE相場も急騰。BTCはこれらのアルトコインの上昇に支えられ底堅い推移に転じると、CashAppのBTC送金機能追加を受けて550万円まで反発した。

週央には、一時、FOMCを控え14日の上げ幅を解消する場面もあったが、結果が来年3月でのテーパリング完結と3度の利上げ予想と、市場予想と概ね合致したことでリスクオフの巻き戻しが起こり相場は急旋回し560万円にタッチ。ただ、翌日NY市場での株価の軟調な推移に連れ安となり、再び上値を重くしている。

第1図:BTC対円チャート(1時間足)出所:bitbank.ccより作成

今月4日の暴落以降、BTC相場は下げ止まってはいるものの、上値の重い展開が続いており、520万円〜590万円のレンジ内でジリ安となっている。そもそも、暴落最大の要因がパウエルFRB議長による政策正常化前倒し示唆だったため、今週のFOMCでの政策と金利見通しのタカ派への傾斜は十分に織り込まれていた格好だが、イベント通過後の相場は伸び悩んでおり、200日移動平均線を巡る攻防は目先も続きそうだ。

9月のFOMCも11月のテーパリング開始が示唆され、どちらかと言えばタカ派的なトーンであったが、年末時点の個人消費支出(PCE)見通しが引き上げられ、期待インフレが反発したのにBTCも追随していた。今回の会合でも年末時点のみならず来年末時点のPCE見通しも引き上げられ、12月は下落基調にあった期待インフレが反転の兆しを見せている。政策の早期引き締めでインフレが抑制されるとの思惑が強かっただけに、来年の物価見通し引き上げはちょっとしたサプライズだったか。

全般的な相場環境の観点から鑑みると、金融政策の転換点が訪れたことで金融相場から業績相場への移行もそれ程遠くなさそうだ。ただ、FOMCで突発的に反発したBTCだが、翌日のNY市場では結果を消化するような展開となっており、相場が切り返すにはもう少し売りをこなす期間も必要か。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:BTC市場はオミクロン変異株への関心低下か、次に着目すべき指標とは

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