CoinPostで今最も読まれています

米ビットコイン送金アプリ、インフレ下のアルゼンチンでサービス開始

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン利用に活路

暗号資産(仮想通貨)ビットコイン(BTC)を活用した送金アプリStrikeは12日、長年インフレーションに苦しんできたアルゼンチンでサービス開始を発表した。

ライトニングネットワークを利用することで、高速で手数料の低い送金を可能にする。

ライトニングネットワークとは

ブロックチェーンの外で取引を行うオフチェーン取引を提供するセカンドレイヤー・プロトコル。低コストで高速なマイクロペイメントをビットコイン・ネットワーク上で可能にする。

▶️仮想通貨用語集

ビットコイン決済の重要性

StrikeのJack Mallers CEOはアルゼンチンが度重なる経済危機とハイパーインフレーションを経てきたと説明。2022年には年率55%に達し、GDPも約12%縮小する勢いにあるとした。

1991年にはドルペッグ型の新通貨を発行したが、ディバリュエーション(平価切り下げ)が発生。米ドルへの依存性が強まり、発行されている米ドル紙幣の10%以上がアルゼンチンの金融システムに留まる状況となっているという。

IMFの統計によれば、アルゼンチンのインフレ率は2009年以降も上昇を継続。2020年時点でも新興国の平均値である5.1%を大きく上回っていた。

出典:IMF(国際通貨基金)

また、アルゼンチン政府は19年秋には毎月200ドル(23,000円)の外貨購入制限額を設定。さらにコロナ禍での経済不振がさらに追い討ちをかけた。20年秋には米ドルの購入に新たに35%に及ぶ税金が課される法が施行している。

関連:アルゼンチンで米ドル購入に35%課税 仮想通貨に注目集まる

このような状況が続く中、アルゼンチン国内では「オープンな金融システムへの需要がかつてないほど高まっている」とコメント。法定通貨とは違い、供給量が一定しており、検閲体制を持つビットコインは同国の市民にとって安定した価値の保存手段になるとした。

Mallers氏はこれまで伝統的な金融機関はアルゼンチン市民を金融システムから疎外してきたと指摘。ビットコインは金融包摂や個人の自由を取り戻すことにつながる貨幣制度であると述べた。

アルゼンチンの仮想通貨取引量は2020年には、コロナウイルスの感染拡大の影響で、需要が急増。同じくハイパーインフレに苦しむベネズエラやチリでも、歴代最高の取引量が観測されていた経緯がある。

関連:アルゼンチンなど南米諸国、仮想通貨ビットコインの出来高が過去最高

Strikeとは

Strikeはビットコインのセカンド・レイヤー・プロトコルを活用して、高速かつ低手数料の送金を提供する米シカゴ発のモバイル・アプリ。CEOのJack Maller氏は昨年6月にエルサルバドルのナジブ・ブケレ大統領がビットコインを法定通貨として認める法案を提出する上で事前調査などに従事した経歴を持つ。

関連:ビットコインの法定通貨化、エルサルバドル大統領のスピーチを日本語で読む

また、21年9月からは大手SNSアプリ・ツイッター上からもビットコインの投げ銭機能の実装が開始。ライトニングネットワークを利用するユーザーはStrikeウォレットと接続することで、同機能を利用することが可能となっていた。

関連: ツイッター、ビットコイン投げ銭機能をリリース

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
09/16 月曜日
15:00
テザーなどステーブルコイン発行企業4社、北朝鮮ハッカー集団保有の7億円相当を凍結
ステーブルコイン発行企業4社が北朝鮮ハッカー集団ラザルスの資金と思しき7億円相当の暗号資産(仮想通貨)を凍結した。3年間で280億円のマネーロンダリングも明らかに.。
14:45
コインベースCEO、ブラックロックへのビットコインIOU発行疑惑を全面否定
米大手仮想通貨取引所コインベースのブライアン・アームストロングCEOは、ブラックロックに対しビットコインの借用証明書(IOU)を発行し、相場操縦しているとの噂を全面否定。ETF運用について説明した。
14:23
イーサリアム次期アップグレード「Pectra」、2段階の実施案が浮上
イーサリアムの次期アップグレード「Pectra」を2段階で実施する可能性を開発者会議が検討中。Pectraの内容も解説。
11:00
仮想通貨ウォレット「BOSS Wallet」でのステーブルコインUSDTの保管方法を解説
ステーブルコインUSDTは、BOSS Walletのような仮想通貨ウォレットでチェーンに関係なく保管できます。この記事はBOSS WalletでのUSDTの保管の仕方についてご紹介します。
10:00
ユーザーファーストの分散型仮想通貨ウェアウォレットBOSS Walletとは
BOSS Walletは、ユーザー中心の分散型仮想通貨ソフトウェアウォレットであり、単一の秘密の復元フレーズで複数のウォレットを作成可能にしています。本記事は特徴や使い方を解説します。
09/15 日曜日
11:30
米CPI・FOMC影響でビットコイン相場が820万円に推移|bitbankアナリスト寄稿
bitbankアナリストがビットコイン相場を分析。リセッション懸念が高まる中、今週の暗号資産市場でビットコイン(BTC)は上下動。FOMCの動向が注目されている。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|米CPIとXRP投資信託に高い関心
今週は、米CPI、グレースケールのXRP投資信託の販売再開、米マイクロストラテジーのマイケル・セイラー会長によるビットコイン価格予想に関するニュースが最も関心を集めた。
09/14 土曜日
15:00
英高等裁「USDT含むステーブルコインは法律に基づく財産」と判決
英国の高等裁判所がUSDTを法的財産と認定。仮想通貨の法的保護を強化する判決に。背景となった訴訟の詳細を解説。
13:20
「RWAトークン化市場が1.7兆円規模に成長」バイナンスの最新リサーチ
バイナンスが現実資産(RWA)トークン化市場を分析。米国債トークンが牽引し、1.7兆円規模に。法的課題や今後の展望も解説。
12:00
リップルX幹部が語る対SEC裁判やIPO|WebX2024インタビュー
WebX2024でRipple(リップル)X幹部に取材。長年に渡る米SECとの裁判や株式上場(IPO)の可能性、仮想通貨ステーブルコインの開発、日本市場の重要性について語られた。
11:00
FTX前CEOバンクマン・フリード氏、25年懲役判決に控訴 再審求める
FTX破綻事件において詐欺などで25年の判決を受けたサム・バンクマン=フリード前CEOが控訴。支払能力があったと主張し、再審を要求。
09:38
バイナンスのソラナステーキング「BNSOL」、資産運用の新たな選択肢に
世界最大の仮想通貨取引所バイナンスは12日、独自のソラナリキッドステーキングトークン(LST)である「BNSOL」の提供を正式に開始した。
08:30
米SEC、「仮想通貨証券」の表現を削除
米SECがバイナンスとの裁判で訴状を修正し、仮想通貨証券という表現を削除した。その理由について述べている。
07:30
ワールドコインのワールドID、ソラナブロックチェーンで利用可能に
サム・アルトマン氏の仮想通貨プロジェクト「ワールドコイン」のオンチェーンIDである「ワールドID」はソラナ上でも利用できるようになった。
07:00
新経済連盟、2025年度税制改正提言を発表 暗号資産税制も含む
新経済連盟が2025年度税制改正提言を発表。暗号資産の申告分離課税導入やETF取り扱い可能化など、Web3支援策を提案。日本経済活性化と国際競争力強化を目指し、AI開発やスタートアップ支援も含む16の具体策を提示。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア