はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米SEC諮問委員会メンバー、仮想通貨規制でパブコメ募集を要請

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

デジタル資産に適用する証券法の再設計

米証券取引委員会(SEC)の投資家諮問委員会のメンバーであるJ.W. Verret氏は19日、SECに対し、暗号資産(仮想通貨)規制に関して、広く一般からの意見を募集することを要請した。

ジョージ・メイソン大学法科大学院准教授として証券法や銀行法の教鞭をとるVerret氏は、証券規制に関して「複雑かつ今までにない課題」が争点となる場合には、パブリックコメントの募集を要求した前例があると指摘。そして意見募集の要請が、1933年の証券法や証券取引法(34年法)など、既存の法律に沿った規制の「再設計」を、オープンソースで開始するための「ジェネシスブロック」として機能する可能性があると主張した。

同氏はまず、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)をはじめとする仮想通貨に投資していることを開示。現在は証券と分類されていない上記のトークンでも、SECの「戦略的に曖昧な」ハウィーテストの解釈によって、「投資家保護を口実に」将来、それらが標的にされ、大きな損失につながる可能性が否定できないとして、一投資家としての立場から懸念を表明した。

また、Verret氏はハウィーテストに対するSECの現在の解釈は、「投資契約」の定義に関する最高裁の文言から大きく逸脱していると主張し、SECの方針を批判した。

SECの現在の方針は、トークン(およびトークン取引のサービスや技術)に対して、ハウィーテストを武器として、戦略的に訴訟を起こすように設計されているように見受けられる。しかし、そのようなトークンは、たとえ登録したくても、また登録が義務付けられていても、33年法および34年法に従って公布された規制により、合理的に証券(または証券取引所)として登録することはできない。

このような状況は結局のところ、規制当局としてのSECにとって「勝ち目のない戦い」だとVerret氏は指摘している。

ハウィーテスト

ハウィーテストとは、米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定する基準。

▶️仮想通貨用語集

SECとの対話

SECのGensler委員長が公式声明で、仮想通貨プロジェクトの開発者に対しSECと相談するように促したことについて、Verret氏は、手段としては有用であることは認める一方で、より多くの関係者にとって有益な方法として、SECのウェブサイト上の公開フォーラムで、規制の適用例などについて一連の質問を公開することを提案している。

また、開発者は「免除がない限り、SECに登録すべき」であり、「SECに相談に来るべき」であるというアプローチは、現実に即していないと同氏は指摘。多くのプロジェクトは、SECに相談することが、却って規制当局の次の標的となると訝っている可能性があると独自の解釈を披露した。

関連:米SECゲンスラー委員長、仮想通貨の発展は規制の枠組みの中でこそ可能

意見募集に含むべき質問

Verret氏はパブリックコメントの募集に関して含めるべき質問のリストも用意している。

プロジェクトの進展のステージにより変化するトークンの分類への対応、分散型金融(DeFi)でのトークンの設計と規制、情報開示、連邦証券法の改正など、質問は多岐にわたっている。

またビットコイン現物ETFの承認条件や適用、DAOのガバナンスモデルや財団の会計上の地位などについても、法律家としての立場から詳細な質問がリストアップされた。

関連:米SEC、NYDIGのビットコインETF判断を最終延期

そして、仮想通貨特有のニーズに対応する方法についての意見も求めるべきだとして、Peirce委員による3年間のセーフハーバーの提案を例として挙げた。

関連:米SEC Crenshaw委員がクリプトママに反論「規制猶予期間のセーフハーバーより架け橋望む」

Verret氏は、このような意見募集は始まりに過ぎず、答えよりも多くの疑問が提示されるだろうと予測。しかし同時に、「開発者に有意義なガイダンスと明確なルールを提供する建設的な対話」を開始する「ジェネシスブロック」となり、5人のSEC委員全員が規制づくりにそれぞれの優先事項を反映させる、またとない機会となるだろうと結んだ。

関連:SEC理事Hester Peirce氏、リップル訴訟後の初コメント──米国規制と有価証券問題について

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
09/18 木曜日
13:40
ウォーレン米議員ら、トランプ政権の仮想通貨特命官に対する倫理調査を開始
エリザベス・ウォーレン米上院議員ら8名の民主党議員が、トランプ政権のAI・仮想通貨特別顧問デービッド・サックス氏の特別政府職員としての任期制限超過疑惑について倫理調査を開始した。130日の上限を超過している可能性を指摘し、詳細な勤務日数報告を要求している。
13:35
米SECが承認、BTCやXRP投資のマルチ仮想通貨投資信託のETF転換
米SECがグレースケールのマルチ仮想通貨ETPを承認し、ビットコインやイーサリアムなど5銘柄への一般投資家アクセス投資が可能になった。新たな包括的上場基準も同時に導入されている。
13:02
ポリマーケットでの裁定取引で年間60億円の利益発生か 研究者ら分析
分散型予測市場ポリマーケットでミスプライシングを利用した裁定取引により年間60億円の利益が発生しているとの論文が発表された。研究者による分析を解説する。
12:04
FRB利下げ決定も仮想通貨の市場反応は限定的、BNB前週比9.2%高で1000ドルの大台迫る
FOMCでは米FRBが0.25%利下げを決定したが、暗号資産(仮想通貨)への影響は限定的だった。主要アルトコインでは、BNBが前週比9.2%高の1,000ドル目前に。背景としては、バイナンスの規制環境の進展の兆しとMegadropなどの需要が挙げられる。パウエル議長は年内2回の追加利下げを予想するも慎重姿勢を維持。
11:03
業界の行方を決める「天王山」に臨む──ビットバンク廣末氏が描く未来戦略
ビットバンク廣末紀之CEOが語る、預かり資産1兆円規模への成長と今後の展望。金商法への移行と分離課税実現に向けた2025年後半は業界の「天王山」。
11:00
ビットコイン・トレジャリー企業の勢い減速か、4社に1社が純資産割れで取引=K33報告
K33リサーチなどが報告したところによると、ビットコイン・トレジャリー企業の4分の1が純資産価値を下回る時価総額で取引されており、業界の統合が進む可能性が指摘された。
10:02
ヴィタリック、イーサリアムの開発計画をプレゼン
ヴィタリック・ブテリン氏は、仮想通貨イーサリアムの開発計画についてプレゼンを行った。大阪で開催されているイーサリアムのカンファレンスEDCONに登壇した。
09:40
フォワード・インダストリーズ、最大5900億円規模の資金調達でソラナ戦略を推進
米上場企業フォワード・インダストリーズが最大40億ドル規模のATM増資で仮想通貨ソラナトレジャリー戦略を推進する。DeFi Development Corpもソラナ買い増しを発表した。
08:45
トランプ・ジュニア出資のサムザップ、750万ドージコインを初購入
米ナスダック上場のサムザップメディアが750万ドージコインを200万ドルで公開市場から初回取得したと発表した。
07:20
米SEC、仮想通貨ETF上場手続きを大幅簡素化へ
米証券取引委員会が、ナスダック、Cboe BZX、NYSEアルカの3大取引所による包括的上場基準を承認。今後、仮想通貨を含むコモディティベース株式の上場プロセスが大幅に簡素化される見通しである。
07:10
SBI新生銀行、トークン化預金「DCJPY」の導入を検討へ
SBI新生銀行は、円建てトークン化預金DCJPYの導入を検討すると発表。JPモルガンらが参加するプラットフォームを活用し、トークン化預金での多様な外貨の取り扱いも検討する。
06:50
仮想通貨取引所Bullish、NY州からビットライセンス取得 米国展開へ
機関投資家向け仮想通貨取引所ブリッシュが17日にニューヨーク州金融サービス局からビットライセンスと送金業ライセンスを取得したと発表した。
06:25
マネーグラム、ステーブルコイン送金サービス開始 
国際送金大手のマネーグラムが9月17日にクロスミントと提携しステーブルコインを活用した新たな送金サービスを南米コロンビアで開始すると発表した。
06:02
カルシ、予測市場エコシステムハブ開始 ソラナとベースと提携
予測市場プラットフォーム大手Kalshiが17日、ソラナとベースとの提携によるエコシステム支援ネットワーク「カルシエコ」の開始を発表した。
05:45
米CME、ソラナとXRPの先物オプション取引を10月に提供予定
世界最大のデリバティブ取引所CMEグループが10月13日にソラナとXRPの先物オプション取引を開始すると発表した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧