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英オックスフォード大が支援するブロックチェーンプロジェクト「Trias」インタビュー

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

オックスフォード大サポートのプロジェクト

Trias(トリアス)は、2021年にイギリスのオックスフォードで設立されたOcta Laboratoryが開発するブロックチェーンプロジェクトだ。

Triasのモットーは、「レイヤー-1・ブロックチェーンと分散型クラウドコンピューティングを基盤とした、信頼性と確実性の高いインテリジェントな自律システム」の提供だ。

今回、オックスフォード大で教鞭を執る、Trias研究開発チームメンバーのJin准教授に独占インタビューを実施。これまでの経歴やTriasの描く将来像、日本市場について訊ねてみた。

関連:NFTゲームで遊びプロジェクトの安全性検証、次世代ブロックチェーン「Trias」が目指す未来

Trias研究開発チームJin准教授

目次
  1. Jin准教授 自己紹介
  2. Octa Laboratoryについて
  3. Triasについて
  4. Triathonについて
  5. 日本へのメッセージ

1.Jin准教授 自己紹介

  • 本日はお時間をいただき、ありがとうございます。まず、オックスフォード大学でのJin准教授の役割を教えてください。

私は、オックスフォード大学の数学研究所の准教授として数学と金融の両分野で働いています。研究グループでは科学的な数理計算が専門です。

研究テーマは、最適投資、動的意思決定、価格設定、リスク管理、そして行動ファイナンスと経済学です。最近では特に、分散型金融(DeFi)やトークンエコノミクスに関心を持っています。

昨年10月、Octa Innovation社からの寄付により、「Oxford Octa Laboratory in Decentralized Finance and Digital Economics」という新しいラボを設立しました。現在、私はそのラボのディレクターを務めています。

  • 現在、オックスフォード大学ではどのようなことを教えていらっしゃるのでしょうか?

今年は2つのコースを教えました。ひとつは修士課程の学生を対象とした「Optimization」、もうひとつは学部4年生を対象とした「Information Theory」です。

以前は、「Statistics Calculus」、「Statistics Control」、「Financial Intuitive Pricing」、「Optimal Investments」などのコースも教えてきました。

  • オックスフォードでは、DeFiやデジタルエコノミーに関連した同様のプロジェクトが進行しているのでしょうか?

デジタルエコノミーに関連して、私たちの研究室では現在、主に3つのプロジェクトを進めています。

そのうちの1つでは、ブロックチェーンにおけるコンセンサスプロトコルの比較と最適化に関するもので、研究室の研究員の1人と、ブロックチェーン業界の別の2人と共同作業をしています。

さまざまなコンセンサスプロトコルを比較し、その効率性、安全性、キャパシティを検証しています。また、プロトコルをより良く動作させるための最適なパラメータを見つけ出そうとしています。

2.Octa Laboratoryについて

  • オックスフォードのOcta Laboratoryでは、主にどのようなことを行っているのですか?主なプロジェクトは何ですか?

当ラボの主な研究テーマは、デジタル経済学における定性・定量分析です。数学研究所の中にあるため、研究室のメンバーの多くは、計算論的・数学的ファイナンスの研究グループに属しています。

確率論、統計解析、数値計算、機械学習、価格理論、金融設計などのモデリング技術、数学ファイナンスのモデリングや解析、計算技術のアイデアをデジタル経済学やデジタルファイナンスの問題に活用し、デジタル経済学やトークン経済学、その他のデジタルファイナンスの研究に役立てようと考えています。

  • Octa Laboratoryが研究しているディープラーニング、P2Pネットワークでのクレジットスコアリングシステムについての詳細を教えていただけますか?

もちろんです。この2つのプロジェクトは、私たちの研究室で進行中のもので、Octa Innovationと共同作業をしています。私たちが始めた研究は、コミュニティ内の各マシンの信頼性をどのようにスコア化し、誰がより高い信頼性を持っているかを知ることです。

そこで私たちは、マシン同士のチェック方式を使ってそれぞれの結果を報告し、チェックの全体的なパフォーマンスによって、それらのマシンをシステム的にスコア化することにしました。これはつまり、膨大なデータを使ったデータ処理のようなもので、結果はマシンごとの因子のようなものです。

そして、1日あるいは1時間で数百万件のチェック結果を得るために、確率を使って最適なスコアリングを推定しています。

  • このクレジットスコアリングは、主に財務活動に基づいているのでしょうか、それとも他の要素が関係しているのでしょうか?

金融市場において、信用格付けは企業にとって非常に重要な問題であるため、類似点はありますが、同じではありません。

ただ、金融市場における信用格付けの問題は、各企業の業績に基づいています。このような事象は非常に稀であるため、データサイズは非常に小さく、希少なものとなります。

しかし、P2Pクレジットスコアリングでは、お互いに膨大な量のチェックを行うため、データサイズはより大きく、より頻繁に行われるため、すべての計算が非常に正確に行えるようになります。

  • 選択肢の一つとして、分散型ID(DID)の導入を検討されるのでしょうか?

私の研究では、アプリケーションの部分はOcta Innovationに委任しています。私が知る限り、このスコアリングシステムは、「ビッグ・ソサエティ」にスコアリング・システムを適用するというアイデアです。

クレジット・アライアンスのように、企業や仲介業者を含む多くのプレイヤーが参加し、社会的信用を構築していくのです。この「ビッグ・ソサエティ」は、規模や会員数は問いませんが、数百人以上のメンバーを想定しているので、あまり小さい社会ではありません。

DAOがこのような信頼性を必要としているかどうかは分かりませんが、私にとってはDAOはブロックチェーン技術によってメンバー間の信頼性を高めることに取り組んでいます。つまり、私たちの仕事はもっと根源的なものです。

なぜなら、私たちの採点は、個人のモラルレベルだけでなく、人間ではなく機械が制御しているかもしれないコンピュータチップの精度にも及んでいるからです。

オックスフォードOcta Laboratoryは、機械学習やブロックチェーン技術の応用を含む、デジタル金融・経済学の数学的問題の分野に焦点を当てます。

3.Triasについて

  • そもそもブロックチェーン技術について、把握されていない方も多いので、Triasとは何か、わかりやすく教えてください。

Triasは、エンタープライズ向けのブロックチェーンで、フルスタックの分散型信頼性クラウド基盤です。つまり、dApps(分散型アプリケーション)を実行するためのプラットフォームを提供します。Triasは、ソフトウェアの正しい実行を保証するために、TEE(Trusted Execution Environment:信頼できる実行環境)技術、サイバーセキュリティ、グラフコンピューティングアルゴリズムを複合ブロックチェーンソリューションとして統合しています。

他のブロックチェーンと比較して、このTriasの技術の最大の特徴は、このプラットフォーム上で実行されるアプリケーションのセキュリティにあります。Triasは、イーサリアムやハイパーレッジャーを含む他のパブリックチェーンをサポートするための「レイヤー-1」インフラも提供する、拡張性の高いパブリックチェーンを構築しています。すでに述べたように、私たちの研究でもセキュリティ問題に取り組んでいます。

Triasで動作するdAppである「TriasForce」は、すでに大手金融機関や製造業で導入された実績があります。

  • イーサリアム上で動くdAppsとTrias Network(Trias Force)上で動くdAppsの最大の違いは何でしょうか。また、どちらの方式が優れているのでしょうか?

Triasが対象とするのは下位レイヤーの信頼性であり、他のチェーンを含む汎用アプリケーションは基本的にソフトウェアシステムであることに変わりはないため、正しい実行を保証するものです。

つまり、基本的にはイーサリアム自体がTrias上のdAppとみなされます(我々はこれをDSaaSと名付けました)。イーサリアム上でdAppを構築する必要がある人は誰でも簡単にまずTrias上でイーサリアム専用のチェーンを立ち上げ、パフォーマンス、レイテンシ、セキュリティなどの機能を調整し、これらを改善することができるのです。

  • 各レイヤーにおけるTriasトークンの有用性についてお聞かせください。

Triasは3つのレイヤーで構成されており、Triasトークンはこの3つのレイヤー全てにユーティリティを有しています。第1レイヤーは、実行レイヤーです。実行レイヤーでは、ノードが第三者のコードを実行する機会があり、実行ノードに検査サービスを提供するノードが、報酬やインセンティブとしてTriasトークンを得ることができます。

第2レイヤーの開発レイヤーでは、ソフトウェアコンポーネントのコーディング、テスト、セキュリティ分析、構築、ホスティング、そして配布に貢献した参加者が、報酬やインセンティブとしてTriasトークンを得ます。

アプリケーションレイヤーと呼ばれる第3レイヤーは、Triasのスマートコントラクトを実装して分散型SaaSを構築する企業が、ユーザーからTriasトークンを獲得し、実行レイヤーと開発レイヤーのサービスプロバイダーに対して、DSaaSのホスティングやサポートにTriasトークンを支払う仕組みです。

4.Triathonについて

  • これで、だいぶTriasについての理解が深まりました。では次に、Triasが提供している「Triathon」について教えていただいてもよろしいでしょうか?

Triathon(トリアソン)は、Triasが最近立ち上げたプロジェクトです。これは、ブロックチェーンやdAppsをテスト・監査するための分散型、そしてコミュニティ主導のフレームワークです。

Triathonは、プロジェクトビルダーやトークンホルダーに、暗号資産プロジェクトのライフサイクル全般におけるテストや監査プロセスを推進する能力を提供することを目的としており、個人が技術的なバックグラウンドを持っているかどうかに関係なく、一般の人々がブロックチェーンやdAppsのこのテストや監査に参加できるようにするものです。

  • Triathonの仕組みについてはどうなっているのでしょうか?

Triathonの主なアイデアは、テストと監査をあたかもゲームのようにすることで、一般人が分散的に参加し、このプロセスが誰にでも見え、観察できるようにすることです。

このような仕組みにより、テストはゲームのように簡単になります。わかりにくい技術用語を、ゲームのようなテストシナリオに変えることができるのです。Triathonでは、現実と仮想世界の架け橋となるメタバースが、この種のタスクのための未来型だと考えています。メタバースでは、原子とバイト、人間とソフトウェア、物理的資産とデジタルトークン・NFTが共存できるのです。

そこでTriathonは、技術者ではないユーザーがブロックチェーンプロジェクトをリアルタイムにテストできる没入感を提供するGameFiを導入しました。ユーザーは、テストネットへの攻撃や割り当てを開始し、パフォーマンスを観察し、好みのプロジェクトに投票するために、自分でテストツールを利用し、さらには作成することもできます。一方、ユーザーはゲームを楽しみながら収入を得ることができます。これが「Play-to-Earn 」と呼ばれているものです。

パブリックブロックチェーン、アプリケーション(=テストネット)、そして参加者によって構築されるコミュニティであるTriathonは、厳密かつ透明性の高いリアルタイム検証を実施します。このような検証には、6つの要素があります。セキュリティ、スケーラビリティ、分散化度、ストレージ効率、処理能力、適応性といった6つの要素が、さまざまなテストタスクを通じて検証され、世界中のユーザーがその全プロセスに立ち会うことができるのです。

また、このゲームやテストに参加することで、報酬や収入を得ることができるのが特徴で、Triathonでは、グローバルコミュニティを巻き込み、コミュニティの関心と真のニーズに基づいた検証を行うことで、テストと監査を行います。権威ある第三者からのお墨付きを得るのではなく、現実世界と仮想世界を行き来するユーザーやオブザーバーからの信頼を集めるのです。このような考え方は、まさにブロックチェーンが目指す分散化だと言えるでしょう。

  • 非常に楽しみです。Triathonは今後、どのように発展していくとお考えですか?

Triathonは、暗号資産領域の新しい礎となることを目指しています。それは、有効な暗号資産プロジェクトの立ち上げプロセスを再定義するものです。

また、すべての投資家が新しいプロジェクトのあらゆる側面を自分自身で検証するためのツールを提供します。これらのツールは、近い将来、すべての投資家にとって標準的な選択肢になると思います。

さらに、Triasのインフラが持つ「レイヤー-1」機能により、Triathonはさらにインターネット全体の新しい礎石になる可能性を秘めています。インターネットの世界では、テスト駆動型の起動・投資設備は、インターネットサービスの真の特性を見極めるのに役立ちます。Triathonがこのような目的に光を当ててくれることを願っています。

  • Triathonの発展はどのような基準を元に測られることになるのでしょうか?

これは非常に良い質問ですが、回答は難しいです(笑)。特に、あるプロジェクトのパフォーマンスや成功を正確に測定することは、時や状況によって基準も異なってくるため、常に困難を伴います。

私にとっては、Triathonは分散型、コミュニティ主導型のテスト・監査用インフラとして設計しています。今は主にTrias自身のインフラをテストするために用いられています。

Triathonのメインネットが立ち上がった後には、Triasの他のサブプロジェクトの立ち上げもサポートできるようになります。その後は、コミュニティ全体がTriathonのプロセスをチェックすることができます。

ユーザーがTriathonのテスト結果を投資判断の参考とすることができれば、Triathonはその目標、つまりブロックチェーンとdAppsの業界における「浄化装置」となることを達成したと言えるでしょう。

5.日本へのメッセージ

  • それでは、日本の読者に向けてメッセージをお願いします。

正直、日本の投資家の優先事項についてはよく知らないのですが、日本人は暗号資産市場に非常に熱心で、政府も暗号資産に比較的寛容であることは知っています。この市場は金融投資に適してはいますが、従来の株式や金融業界と比べるとまだまだボラティリティが高いといえるでしょう。

分散化の概念はとても重要であるため、今後は従来的な投資市場よりも効率的で公平で安全なものになっていくと思われるので、少なくとも個人的には暗号資産市場の方が潜在的な価値があると思います。

暗号資産市場にはより多くの関心が向けられるべきだと思いますが、この市場でプレーする際には、現在はまだ非常に不安定なので、注意深く慎重になる必要はありますね。

  • 日本でTriasに参加すべき業種があるとすれば?一般人やブロックチェーン愛好家でもTriasに参加できるのでしょうか?

Triasの最大の特徴は、ブロックチェーンのセキュリティとスケーラビリティにあると思います。もし、これを読んでいるあなたのプロジェクトがブロックチェーンの品質についてある程度高い要求を必要とするならば、私はTriasを強くお勧めしますし、日本の業界にとって非常に良い選択肢になると思います。

関連リンク

Official website :https://www.trias.one

Triathon :https://www.triathon.space

Whitepaper :https://www.trias.one/whitepaper

Telegram :https://t.me/triaslab

Twitter :https://twitter.com/triaslab

Trias Japan Twitter:https://twitter.com/TriasJapan

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