CoinPostで今最も読まれています

ETH10%急騰・仮想通貨全面高に|イーサリアム証券問題に大きな進展

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

イーサリアムは証券に該当せず
長く仮想通貨相場を不安定にさせていたSECの有価証券の問題に進展。米国証券取引委員会(SEC)、企業財務部門部長のWilliam Hinman氏は、同委員会はビットコインとイーサリアムを証券としては分類しないと述べました。
SECとは
米証券取引委員会(SEC)は、インサイダー取引や相場操縦など不公正取引に対する「処分権限」を有しており、司法に準じる権限を持った強力な独立機関である。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

仮想通貨市場トレンドの変化

日本時間1時に仮想通貨市場全体が大きく高騰し、2時時点ではすでに24時間比でBTCが5%、イーサリアムが10%を超える暴騰を記録した他、その動きに相関する形でアルトコイン市場も全面高となりました。

出典:TradingView

大きく相場を動かしたのはSECの有価証券問題の進展で、長い間SECの中で議論され、該当する場合は規制の対象となると明言するものの、既存の通貨が該当するかは定かでは有りませんでした。

今回ICO通貨のプラットフォームとして、最も有名なイーサリアムの証券該当が、SECの企業財務部門部長のWilliam Hinman氏によって否定されたことで、相場に勢いが戻った形となります。

ビットコインとイーサリアムは証券か否か

仮想通貨業界が長らく待ち望んでいた回答が、米国証券取引委員会より、正式に表明されました。 

6月15日、サンフランシスコで行われた”All Market Summit: Crypto” (全市場サミット:仮想通貨)において、米国証券取引委員会(SEC)、企業財務部門部長のWilliam Hinman氏は、「同委員会は、ビットコインとイーサリアムを証券としては分類しない」と述べました。

ビットコインについては、先週、SEC会長のJay Clayton氏が、明確に「証券ではない」と表明していましたが、イーサリアムについては言及していませんでした。

新規仮想通貨公開(ICO)により発行されるコイン/ トークンについては、現在のICOの実情を考慮すると、全てではないが、そのほとんどが証券とみなされ、SECならびに関連する証券法によって規制を受けると述べています。

投資への影響は

Hinman氏によると、仮想通貨やICOが証券であるかどうかを判断する上での第一の関心事は、第三者が投資による収益を見込んでいるかどうかであり、特に、個人または団体がその資産の創設と販売に資金援助を行っていたか、そして誰がその開発と維持に重要な役割を果たしたかです。

そして、資産の購入者が投資に対する見返りを求めているかどうかが、鍵となります。

つまり、中央集権型の第三者と投資の見返りを期待している購入者という条件が満たされる場合、おそらく証券として分類されることになると述べています。

コインやトークンなど、どのような名称で呼ばれているかよりも”経済的現実”が重要であり、「本質のために、形式は無視されることになる」が、SECの基本的考え方 であると述べています。 

例えば、イーサリアムについては、過去に以下のように説明されています。

「その創設のために資金調達活動が行われた事実はあっても、現在の仮想通貨イーサリアム(ETH) の状況(イーサリアムネットワークの性質や非中央集権的仕組み)を考慮すると、現時点でのETHの売買は証券取引には該当しない。

つまり、ICOによって発行されたトークンでも、その後状況が変わり、中央集権的な組織から管理の手が離れた場合には、証券に該当しなくなる可能性もあることを示唆しています。

重要な言及

そこで、重要になってくるのが、”分散化された仕組みが証券か否かを決定するための要素”であることについての言及です。 

Hinman氏はビットコインの例をあげ、「ビットコインは、非中央集権的であり、事業にとって決定的要素である中央の核となる組織は存在しないため、証券ではない」と、改めて言明しています。

同氏は、ビットコインとイーサリアム以外の個々の仮想通貨については言及しておらず、XRPが証券に分類されるかどうかの、明確な立場は表明されていません。

「時間の経過とともに、十分に分散化されたネットワーク上のトークンやコインが、証券として分類される必要がなくなることもあり得る」といった表現にとどめています。

状況によって、判断の分かれるトークンの分類方法に、曖昧な部分が残る感は否めませんが、刻々と変化し続けている仮想通貨の現状を鑑みると、SECが柔軟性のある対応ができる余地のある立場を表明したことは、評価できると思われます。

またHinman氏は、仮想通貨とICOが証券かどうかの判断に、未だ困惑することも予想されるため、SECは、個別のケースごとに、デジタル資産の特性評価に関する正式な解釈や指針を与える等、助力を惜しまない態度を表明しています。

今回のSECの正式表明を受けて、シカゴオプション取引所グローバルマーケット社長のChris Concannon氏は、歓迎の意を表明しました。

イーサリアム取引に関して、”明瞭化したSECの決断”を大変喜ばしく思う。

この発表によって、2017年12月、初のビットコイン先物取引開始以来の懸案材料であった、「イーサリアム先物取引」の重要な障害が取り除かれた。

ネガティブ要因に押され、どんよりと曇っていた仮想通貨業界に一筋の光が差したようです。

CoinPostの関連記事

イーサリアム チャート・価格・相場・最新ニュース一覧
イーサリアム(Ethereum/ETH)のチャート・価格・相場や、最新ニュース一覧を掲載しています。また、イーサリアムとは何か、通貨の概要やその詳細も解説しています。
仮想通貨イーサリアム(ETH)とは|今後の将来性とおすすめ取引所
時価総額上位の人気仮想通貨である「イーサリアム(ETH)」の特徴と将来性について、投資初心者にもわかりやすく解説。さらに、イーサリアム(ETH)のマイニング方法、安全に保管するためのウォレット、取り扱いのある仮想通貨取引所について、情報をまとめています。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/24 水曜日
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
06:35
バイナンスアプリの削除、フィリピン当局がアップルとグーグルに命令
フィリピンはバイナンスの顧客基盤における重要な構成国だが、同SECは2023年11月以降、バイナンスを投資に利用しないよう国民に積極的に警告していた。
05:50
エルサルバドルの国営ビットコインウォレット、ハッカーがコードを流出
今回の漏洩は、4月上旬に報告された510万人のサルバドル人の個人情報リークを含む、一連のChivoウォレット関連のハッキングに続くものだ。
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。
18:00
ライフカードVプリカ 仮想通貨で購入可能に
ライフカードが暗号資産(仮想通貨)決済サービス事業者Slash Fintechと提携。2024年5月15日から「Slash Vプリカ SHOP」でステーブルコイン等を使ったVプリカギフトの販売を開始する。インターネットショッピングやオンラインゲーム等、デジタルサービスでのプリペイド決済が拡大する見込み。
14:00
ベネズエラ、石油取引で仮想通貨使用を加速か
ベネズエラの国営石油会社PDVSAは原油と燃料の輸出において、暗号資産(仮想通貨)の利用を増やす計画だ。背景には米国による制裁再発動がある。
13:00
SEC弁護士2名が辞任、「重大な権力乱用」と非難受け 
米仮想通貨企業Debt Boxに対する訴訟において、連邦地裁が「重大な権力乱用」を理由に米国証券取引委員会に制裁を課したことを受け、同委員会の担当弁護士2名が辞任したことがわかった。
12:00
「スイス中銀はビットコインを準備資産に持つべき」2B4CHが提唱
スイスの仮想通貨擁護団体「2B4CH」は、スイス国立銀行がビットコインを準備金として持つことを提唱している。国民投票を目指す計画だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧