メタバース関連の特許を申請
中国大手IT企業テンセントが、メタバース(仮想空間)関連の商標登録を提出したことがわかった。21年11月に申請していた商標登録が3月1日に公表されたことで明らかとなった。
今回公表された申請内容は、「バーチャルコンサートの開催に関するプロダクト」に関する商標登録。バーチャルコンサートの作成・開催が可能となるアプリケーションに関する商標登録を21年11月に申請していた。
これは中国国内ではメタバース関連では初の業界団体「元宇宙産業委員会」が設立されたタイミングと同時期だった。
テンセントは、現実世界を仮想空間で再現する「デジタルツイン」や、人間の姿で人間と同じような動きをする「デジタルヒューマン」など、メタバースに関連した高度な技術を保有する企業。
昨秋から、中国国内の地方自治体や大手保険会社に向けて、観光のための仮想空間の構築や、アバターを使った接客システムの開発に関する支援サービスを提供している。22年1月には、その動きを日本まで拡大させていることを発表していた。
中国では、政府のメタバース容認を示唆する動きをめぐって、メタバース関連の商標登録が殺到する一方、厳しい審査によって、そのうちの多くが却下されている。
却下されたものには、大手企業の申請も含まれており、高度な技術力を有しているテンセントの申請結果に注目が集まる。
中国のこうした厳しい審査の背景には、メタバース関連プロジェクトに関する詐欺の問題がある。22年2月には、中国の銀行保険監督管理委員会が、メタバース関連プロジェクトの詐欺に関する情報を公開。一般市民に対して「危険防止意識と識別能力を高める」よう警戒を呼びかけた。