世界情勢と仮想通貨市況
週明け28日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格は、前日比+5.68%の576万円(46,940ドル)で推移している。
ウクライナ情勢を巡る強い懸念は残るものの、開戦前後の市場の動揺は次第に落ち着きを取り戻しつつある他、16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)通過後は反発を強めている。BTCのローソク足は前月上値46,000ドルの抵抗帯を上抜けており、週足では2月の上髭を吸収する46,850ドルまでの大陽線でクローズしたことからもトレンド転換を見る向きが強い。
次のターゲットとなるレジスタンスライン(上値抵抗線)は52,000ドル付近。200日移動平均線は、48,286ドル。
オンチェーンデータ分析
なお、Into The Blockによると、主要取引所内のイーサリアム(ETH)準備金は、2022年以降急速に減少している。
22日に15.1万ETHが、18日に18万ETHが取引所外に送金され、純流入出を示すネットフローは、計-108万ETHに達した。
ウォレットから取引所への大量送金は、売買を行う前兆シグナル(売り圧力)となり得るが、外部への大量送金は中・長期保有を見越した行動を示唆しており、売り圧力減少とみなされる。
Into The Blockのビットコインネットワークインジケーターによれば、ビットコインを保有するアドレスの数は、初めて4,000万を超えた。
中でも、テラ(LUNA)の非営利組織である「Luna Foundation Guard(LFG)」は、1日あたり1億2500万ドル相当のビットコイン(BTC)を蓄積している。米ドルに連動したステーブルコイン「Terra USD(UST)」の価値の安定を図るにあたり、準備金としての利用を目的としたものだ。
2月22日には、LUNAトークンのプライベートセールで10億ドルの調達を発表した。
1/ The long awaited [REDACTED] 💎3 is here!
— Terra (UST) 🌍 Powered by LUNA 🌕 (@terra_money) February 22, 2022
📣 The Luna Foundation Guard (LFG) has closed a $1 billion private token sale to establish a decentralized $UST Forex Reserve denominated in $BTC! 📣
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詳細:テラのステーブルコイン「UST」、ビットコイン活用のために3600億円確保へ
過去30日間で、1,000〜10,000BTCを保持するアドレス数は他と比べて伸びが顕著だったが、エンティティのカテゴリにはLuna Foundation Guardの新規買い・保有分が含まれる可能性が高い。
24日時点で、LFGによるビットコインの保有量は、米マイクロストラテジーとテスラに次ぐ規模になるという。
@LFG_org has purchased an additional 2.925 $bitcoin for 125.0 million in cash at an average price of ~ 42.735,04 per #bitcoin.
— 0xWAGMI.UST 🌖 (@0xwagmiUST) March 24, 2022
As of 03/24/22 we #hodl ~ 18.423.05 bitcoins acquired for ~725 million at an average price of ~ $39.352,98 per bitcoin. $LFG $LUNA $UST pic.twitter.com/bvfMrsoTOL
アルトコイン市場の動向
ビットコイン(BTC)上昇に伴い、時価総額2位のイーサリアム(ETH)も伸長。前週比+18.7%高の3,292ドルと続伸した。
現在のイーサリアム(ETH)メインネットと次世代コンセンサスレイヤー(イーサリアム2.0)の統合を意味するThe Merge、及びPoS(プルーフ・オブ・ステーク)へと移行する大型アップグレードに向け、投資家の関心は一層高まりつつある。
「Ethereum merge(マージ)」のGoogle検索数は、過去最高を記録した。
マージの成功は、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)の終了とPoSへの完全移行を意味するもので、シャードチェーンのロールアウト前に実装される見込み。
15日には、試験運用用途で立ち上げたテストネットとされるKilnで「The Merge」を実行したことが分かった。今後、GoerliやRopstenといった既存のテストネットでも確認を進め、問題が生じなければメインネットにおける大型アップグレードに移ることになる。
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主要アルトの中で伸びが顕著だったのは、時価総額7位のエイダ(ADA)で、前週比+32.2%高となった。
グレースケールが23日にローンチした暗号資産スマートコントラクト投資ファンド「Smart Contract Platform Ex-Ethereum Fund(GSCPxE)」にて、エイダ(ADA)が最大組成比率の24.63%を占めた。
他銘柄では、ソラナ(SOL)が24.27%、アバランチ(AVAX)が16.96%、ポルカドット(DOT)が16.16%と続く。
スマートコントラクトとは
あらかじめプログラムされた条件に応じて、自動的に契約を執行する機能を指す。自動的に契約を執行できるようにすることで効率性向上やコスト削減につながると期待されており、DeFi(分散型金融)やNFT(非代替性トークン)などのプラットフォームで機能が活用されている。
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また、米大手取引所コインベースは24日、ステーキングサービスの対象銘柄にエイダ(ADA)を含めることを発表した。想定APR(年換算利回り)は3.75%。
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