DeFiプロトコルの流動性問題を解決
DeFi貸付プロトコルのIron Bankは15日、Olympus DAOと連携して、暗号資産(仮想通貨)ラップド・ファントム(WFTM)の債券を提供することを発表した。独自トークン・アイアン・バンク(IB)の流動性強化を図る。
$WFTM bonds by @ibdotxyz (Iron Bank) are now live on #OlympusPro Fantom.
— OlympusDAO (@OlympusDAO) April 14, 2022
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ラップドトークンとは、オリジナル資産をデジタル金庫にロックして発行する他の仮想通貨の価値とペッグされているトークン化された仮想通貨のこと。これにより、ブロックチェーン間での情報の移動を可能にする。
Iron Bank側は、独自通貨のIBトークンの流動性が課題の一つになっていると分析。独自のアイアン・バンク債券(Iron Bank bonds)を発行することで、DeFi(分散型金融)プロトコル全般で課題となっている4つの問題点を克服する目的があると説明した。
- 報酬発行に伴う売り圧
- LP(Liquidity Provider)提供者とプロトコル側との目標の不一致
- 価格変動損失(Impermanent Loss)
- 流動性の安全確保
Iron BankはDeFiの構造上、LPへの報酬タイミングは、流動性プール(LP)提供者にとって、売り抜けるインセンティブが生じる時期になると指摘。短期的な報酬日程を求めるLP提供者と長期目線での成功を望むDeFiプロトコルとは、根本的に目標がズレている場合もあり得ると分析した。
また、DeFi特有のリスクでもある「価格変動損失」はLP提供者の視点からすると、長期的なステーキングを避ける要因にあると指摘。他にも、ボラティリティの激しい時期に最も流動性が必要となるプロトコルのニーズとは裏腹に、価格が乱高下するタイミングは最もLP提供者がステーキングを撤退する時期でもあるため、ユーザーに依存しない形での流動性のニーズがあると解説している。
Impermanent Lossとは
別称、価格変動損失。DEX(分散型取引所)の流動性プールなどに入れたトークンの市場価格が変動することで引き起こされるDeFi特有の損失リスク。
▶️仮想通貨用語集
その上で、Iron Bank bondsを発行する事で、流動性を独自で確保して、Iron Bankの長期的な成功を支援する狙いがあると説明。短期的な流動性に対する懸念を払拭することで、トークン設計を強化できるとした。
Iron Bankとは
Iron Bankはレンディングに特化したDeFiプラットフォーム。預入額は1,300億円(10億ドル)を超えており、プロトコルや個人が仮想通貨トークンの提供や貸付を行うことが可能だ。
DeFiだけではなく、CeFi(中央集権型取引所)など信頼性の高い団体間が利用する、DeFiにおけるプロトコル間のレンディングのバックボーンになることをミッションに掲げている。
オンチェーン上のレンディングはイーサリアム(ETH)、ファントム(FTM)、そしてアバランチ(AVAX)の3チェーンに対応しており、今後も対応するプロジェクトやプロトコルの幅を広げていく予定。独自通貨のIBトークンはステーキングなどで利用できる。