デリバティブ取引の清算に関する会議を開催へ
米商品先物取引委員会(CFTC)は27日、暗号資産(仮想通貨)取引所FTX米国部門の提案について検討するための円卓会議(ラウンドテーブル)を5月25日に開催すると発表した。
FTX USは、CFTC認定の先物取引業者(FCM)の仲介なしで、証拠金デリバティブ取引を直接清算できるよう、CFTCに要請しているところだ。
現状では資産を取り扱う機関ごとに、流動性を保持するための要件が必要となる。このため、FCMの仲介を廃止することにより、取引過程をより合理的なものにできるとされる。
FTX USによると、現在同取引所は、完全担保型デリバティブ商品のみ上場・清算が認められている。
もし提案が承認されれば、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの仮想通貨について、レバレッジ・証拠金の先物やオプションの上場と清算も行うことができるようになるという。
CFTCとは
CFTCとは、「Commodity Futures Trading Commission」の略で、商品取引所に上場する商品や金利、デリバティブ全般など、米国の先物取引市場を監督する米政府機関。1974年設立
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FTX USの提案についてCFTCは、5月11日までパブリックコメントを募集しているところだ。また3月31日に開かれた下院農業委員会の公聴会でも議題となった。
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会議の目的
CFTCは、円卓会議の背景について次のように説明した。
今日のデリバティブ取引は、顧客に取引所や清算機関へのアクセスを提供し、取引を処理し、規制遵守を確認するなど、多くの重要な機能を果たす仲介機関を通じて行われている。
しかし最近、いくつかの登録企業が、個人顧客に対して「非仲介型」または証拠金商品の直接取引・清算を提供することを提案しており、CFTCと議論しているところだ。
このような状況の下で、円卓会議の目的は、仲介機関をなくすことがデリバティブ清算機関や、デリバティブ取引・清算全般についてどのような影響を与えるか、幅広いステークホルダーから情報を収集し、専門家の意見を聞くことにあるという。
また、円卓会議には、デリバティブ清算機関、先物取引業者、エンドユーザー、学者、公益団体、その他が参加する予定だとした。
FTX USは、直接清算を行うにあたり、同プラットフォームは通常保証金の水準となる金額の何倍もの保証金を設定しているなど、厳格なリスク管理モデルを採用しているため安全性が高いと主張している。
一方、今回のFTX USの提案に反対する意見も上がっている。
例えば、米大手デリバティブ取引所CME(シカゴマーカンタイル取引所)のテリー・ダフィーCEOは、「FTX USの提案の欠点に関して、見解を述べていくつもりだ」としている。
「CFTCは新しい商品に目を向ける必要があるものの、(仮想通貨のような)新商品も現在行われているような規制体制の下にあるべき」と話した。