ブロックチェーン基盤の担保決済
米金融大手JPモルガン・チェースは、金融取引の担保決済にブロックチェーンを活用する実験を行っていることが分かった。「ブルームバーグ」が報じた。
この取り組みは、投資家が現在よりも幅広い資産を担保に利用できるようにするためのテスト。市場の取引時間外でも資産を活用できるようにすることも目的だ。将来的にはDeFi(分散型金融)サービスの提供も視野に入れている。
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実験の取引が初めて行われたのは今月20日。米資産運用最大手ブラックロックのファンドをトークン化し、担保としてプライベートブロックチェーンで送金した。ブラックロックと取引を行なったわけではないが、ブラックロックも今回の技術に関心を示しているという。実験では現在よりも、担保資産の即時送金がスムーズにできた模様だ。
ブロックチェーンを基盤にした担保決済は、デリバティブ取引や有価証券の貸借取引などで利用が可能。株式や債権、他の種類の資産も利用できるようにするため、今後数カ月のうちに担保のトークン化を拡充させるという。
JPモルガン・チェースは最近デジタル資産への関心を高めている。JPモルガンのブロックチェーンやデジタル資産関連部門のトップは、「ブロックチェーン技術は、機関投資家と暗号資産(仮想通貨)経済圏のDeFiプラットフォームをつなぐ可能性を秘めている」と主張。そして「パブリックブロックチェーン上の金融取引に関連したサービスを提供する準備も行なっていきたい」と述べた。
最近の動向
米公式ウェブサイトによると、「JPモルガン・チェース」は持株会社の名称。同社は「チェース」と「JPモルガン」のブランドのもとで、顧客やクライアントに幅広い金融サービスを提供している。日本の公式ウェブサイトによれば、グローバルに展開している法人向け事業では「JPモルガン」、米国で展開している中小企業や個人向け事業では「チェース」ブランドを用いているという。
JPモルガンについては今週、同社のブロックチェーン基盤ネットワークOnyx Digital Assetsに、フランスの大手銀BNP Paribasが参加したことが明らかになった。BNP Paribasはブロックチェーン基盤のデジタルトークンを利用し、有価証券および短期の確定利付債券市場でレポ取引を行うという。
また25日には、投資家向けの書簡で仮想通貨を「不動産に代わるオルタナティブ資産」と評価。「ビットコイン(BTC)は現時点では過小評価されている」とも説明している。
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