はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場の「負の連鎖」に強い警戒感、ビットコイン下落で2万ドル節目に再接近

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況

16日の米株式市場ではダウが前日比741ドル(2.4%)安となり、1年5か月ぶりに3万ドル水準を下回った。ハイテク株中心のナスダックは前日比453ドル(4.0%)安と大幅続落した。景気減速の懸念が高まったことが背景にある。

英イングランド銀など欧州中銀の相次ぐ利上げ(金融引き締め)が観測されたほか、スイス中銀の大幅利上げがネガティブサプライズとなった。同国は長年マイナス金利にあったが、「インフレを念頭にさらなる政策金利引き上げの可能性を排除しない」と表明。外為市場ではスイスフランが急進し、急速な円高が進んだ。

東京株式市場(前場)では、日経平均株価が前日比572円(2.1%)安に。ここ数ヶ月間で「円安ドル高」が急速に進む中、金融政策決定会合の結果を踏まえた黒田総裁の会見が15時半から予定されており、インフレ抑制を優先する世界と逆行する金融緩和政策から転換するかが注視される。黒田総裁は、新型コロナウイルスのパンデミックで落ち込んだ景気を下支えするための大規模金融緩和を続ける考えを示していた。

17日の暗号資産(仮想通貨)市場では、米株指数の急落を受けビットコインが前日比8.9%安の275万円(20,540ドル)と反落。

BTC/USD日足

過去数回の米連邦公開市場委員会(FOMC)相場同様、通過後にはヘッジ解消によるショートカバーが起こるも上値は重く。米株指数の大幅下落に伴い、反発分を帳消しにした。リスクオフ時の相関係数は過去最も高い水準を継続している。

関連:ビットコインと米株市場の30日相関、コロナショック時上回り過去最高の0.9に

負の連鎖止まらず

暗号資産(仮想通貨)急落に伴い、担保資産にレバレッジを効かせた高利回り運用が横行していたDeFi(分散型金融)市場を中心に、さまざまな問題が顕在化している。

Celsius

大手レンディングプラットフォームのCelsius Network(セルシウス)を巡る流動性危機では、極端な市場変動を理由に出金や送金などのサービスを一時停止したことで、市場で混乱が生じた。

関連:仮想通貨融資のセルシウス、出資企業が救済する可能性低いか

貸付サービスを提供する「Finblox」にも波及しており、顧客保護を理由に「出金限度額」の引き下げを発表した。

関連:仮想通貨銀行Finbloxが出金制限、Three Arrowsの債務問題の影響は?

また、自律分散型組織のMakerDAOは17日、Lidoステーキングプラットフォームに預け入れられた債券トークン「stETH」と「イーサリアム(ETH)」のペッグが完全に機能しなくなるリスクに備え、AaveのDAI Direct Deposit Module(D3M)を一時無効にする措置を決定した。

D3Mは、Makerのエコシステムとサードパーティの融資プールとの相互作用を可能にするもの。DeFi市場の不安定な性質により、AaveユーザーがステーブルコインDAIの借入率予測できない問題を解決するため、AaveのDAI市場に「最大変動借入金レート」を適用した。

なおstETHは、現時点でETHより約6%低いディスカウントで取引されている。

Three Arrows Capital

大手ヘッジファンドThree Arrows Capital(3AC)は、暗号資産(仮想通貨)の大幅下落で発生した追加証拠金(マージンコール)に応じなかったことがわかった。英フィナンシャル・タイムズ(FT)が報じた

報道によれば、仮想通貨レンディング大手のブロックファイ(BlockFi)は、ポジションの一部を解消した。

3ACはアルゴリズム型ステーブルコイン「TerraUSD」の崩壊に伴い、資金調達ラウンドを主導し大量保有していたテラ(LUNA)暴落などの影響で多額の損失を被ったとみられ、債務超過に陥った可能性がある。

これまでの清算額は、4億ドル(約540億円)にのぼるとの試算もあり、市場は、経営破綻した場合に及ぼす負の連鎖を警戒する。DeFi(分散型金融)関連銘柄などその影響は多岐にわたるとの指摘があるからだ。

関連:大手ヘッジファンド「Three Arrows Capital」、ビットコインのポジションを強制清算か=FT報道

3ACはさまざまなシードラウンドの企業に早期から投資しており、アバランチ(AVAX)やポルカドット(DOT)、イーサリアム(ETH)も大量に保有しているとされる。その多くは資産のロックアップが掛かっているものとみられるが、強制清算および解除後の売り圧力が懸念されるなど、FUD(恐怖心理や悪い噂)蔓延に繋がりやすい状況にある。

USDD

TronDAOは、暗号資産(仮想通貨)取引所およびDeFiレンディングプラットフォームからさらに30億TRXを引き出すことを発表した。売りポジションを持つショーターの流動性を縮小し、TRXの価値の急激な低下を回避する目的があるとされる。

DAO(自律分散型組織)のTRON DAO Reserveは14日、USDDの価値を維持するための準備金増額で担保率300%台まで引き上げた。

しかし、過剰担保を維持するもアルゴリズム型ステーブルコインUSDD(Decentralized USD)の価値ディペッグは解消されず、一向にペッグバックに成功しない状況が続いており、UST(TerraUSD)崩壊の余波が尾を引く中で市場の見方は懐疑的だ。

関連:トロンDAO、追加で30億TRXを引き出しへ

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
05/17 土曜日
14:00
アブダビ政府系ファンド、ビットコインETF買い増しで保有額750億円突破
アブダビのムバダラ・インベストメントが第1四半期にブラックロックのビットコインETFを49万株追加購入。ゴールドマン・サックスは最大保有者として3000万株を保有。
13:05
ビットコインETFフェイクニュース事件、犯人に懲役14か月の判決
米SEC公式Xアカウントを乗っ取り、ビットコインETFについてのフェイクニュースを流した26歳の被告に懲役14か月の判決が下りた。偽情報で仮想通貨市場を混乱させたことが重大視された。
11:00
ビットコイン長期保有数1437万BTCに到達も、利確売り強まる=アナリスト分析
ビットコインの長期保有者が3月から5月にかけて利益確定を加速。支出利益率は71%増加し227%の平均リターンを記録。長期保有量は1437万BTCに達するも、市場サイクルの分配フェーズへの移行を示唆。
10:10
トランプ家のWLFI、民主党議員による調査要請を正式拒否
トランプ一族の金融企業WLFIが上院による調査を拒否した。政治的動機と批判し、同社は説明責任や米ドル優位性を指針としていると主張。倫理規定違反の疑惑なども否定している。
09:02
ETH・BTC比率が5年ぶり急騰、アルトシーズンの到来示唆か
イーサリアム/ビットコイン(ETH・BTC)価格比率が過去5年最低水準から38%急反発。ETFによる買い増し、取引所流入減少などの指標から需要増加・売却圧力低下が鮮明に。「極端な過小評価ゾーン」からの回復が示すアルトコインシーズン到来の可能性を分析。
07:50
ビットコインで利回り獲得、Solvがアバランチ基盤の新トークン発表
仮想通貨ビットコインの保有者にRWAの利回り獲得手段を提供するため、Solv Protocolはアバランチ上にSolvBTC.AVAXをローンチ。ローンチの目的や仕組みを説明した。
07:30
10億ドルのビットコイン投資を検討、米上場のシンガポール医療企業
シンガポールの医療企業バーゼル・メディカル・グループが10億ドル規模のビットコイン投資に関する交渉を開始。ストラテジー社に続く大規模企業BTC投資の新事例として注目される中、「革新的な株式交換契約」を通じてアジア医療企業最強の財務体質構築を目指す。
06:45
米裁判所、SECとリップルの和解案を「手続き上不適切」として却下 再申請へ
米連邦地裁がSECとリップルの和解申請を「手続き上不適切」として却下。民事訴訟規則違反が原因で、両者は適切な手続きでの再申請を迫られる状況に。
06:25
イーロン・マスクの『Kekius Maximus』切り替えでミームコインが2倍以上急騰
イーロン・マスク氏がツイッターのプロフィール画像とユーザー名をミームトークン「Kekius Maximus」に変更し、関連トークンが2倍以上急騰。昨年の900%上昇・急落事例に続くマスク氏のSNS活動による仮想通貨市場への影響力を示す展開に。
06:05
サウジ中央銀行、15億円相当のストラテジー株保有でビットコインに間接投資
サウジ中央銀行がセイラーのストラテジー社の株を25656株取得し仮想通貨ビットコインへの間接投資を開始したことが確認された。
05/16 金曜日
17:00
マスクネットワークとは?仮想通貨MASKの買い方・取引所まで徹底解説
Mask NetworkはSNS×Web3をシームレスに接続するSocial-Fiプラットフォーム。本記事では特徴とMASKトークンの買い方を初心者向けに解説します。
13:50
米ステーブルコイン法案、来週末までの成立視野に 次の「起爆剤」との見解も
米上院のステーブルコイン法案「GENIUS法案」で新たな超党派修正案が決定された。消費者保護や倫理規定が強化され、5月19日に討論終結投票が予定されている。
11:58
ビットコイン高値圏推移もアルトコインは上昇一服
仮想通貨ビットコインは104,100ドルと高値圏で推移、アルト市場ではメイプルストーリー(NXPC)はバイナンス対応で一時高騰したほか、XRPは7,300万ドル相当の大口売りとリップル和解手続き却下で下落した。コインベースはサイバー攻撃で最大4億ドルの損失も被害者への返金を約束した。
11:30
ブラックロックの「BUIDL」、初めてDeFiと接続へ アバランチ利用で
ブラックロックの米国債ファンド「BUIDL」がアバランチ上のプロトコル「Euler」に導入された。セキュリタイズは、機関投資家のDeFi参入を促進する一歩になったとしている。
10:55
加速する企業のビットコイン争奪戦、米上場のDDC社が5000BTC取得計画
香港発DDCエンタープライズが5000ビットコイン取得計画を発表。テザーの4812BTC購入、アデンタックスの8000BTC購入のための交渉、ウクライナの国家準備金構想など、企業・国家レベルでビットコイン争奪戦が激化。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧