TOP 新着一覧 チャート 資産運用
CoinPostで今最も読まれています

米FRB、ステーブルコインを金融安定性へのリスクとして言及

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

裏付けのないステーブルコインのリスクを指摘

米連邦準備制度理事会(FRB)は17日、金融政策報告書を発行。その中で、金融安定性へのリスクの例として、最近のステーブルコインTerraUSD(UST)ディペッグの件に言及した。

FRBは、「ステーブルコイン市場の総額は過去1年間に急速に増加し、2022年3月には約24兆円(1,800億ドル)超となった」と指摘。その上で、「一部のステーブルコインの価値下落や、他のデジタル資産市場の最近の緊張は、こうした構造のもろさを示している」と続けた。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

FRBは、UST(TerraUSD)の名前を直接的に挙げてはいないが、間接的に今年5月に発生したUSTディペッグ騒動に触れた格好だ。

無担保型(アルゴリズム型)ステーブルコインUSTは、米ドルの価値から乖離して下落。投資家の裁定取引インセンティブによりペッグを維持していたUSTのシステムで裏付け資産としても使用されていた暗号資産(仮想通貨)テラ(LUNA)の価格崩壊にも繋がり、大きな波紋を広げた。

関連テラUSD(UST)のディペッグ騒動 Terraform Labs社や取引所の対応まとめ

FRBが指摘するリスク

FRBは今回、次のようにステーブルコインのリスクについて説明した。

安全で十分な流動性のある資産に裏打ちされておらず、適切な規制基準に従わないステーブルコインは、投資家へのリスクや、潜在的には金融システムを不安定にするリスクをもたらす。

こうした脆弱性は、ステーブルコインの裏付けとなる資産のリスクや、流動性に関する透明性の欠如により、さらに悪化する可能性がある。

また、ステーブルコインが他の暗号資産(仮想通貨)のレバレッジ取引に必要な証拠金を満たすために使用されることが多くなるにつれ、ステーブルコインの需要の変動が大きくなり、償還リスクが高まる可能性もあると続けている。

大統領ワーキンググループなどによる勧告

FRBは、2021年11月に、金融市場に関する大統領ワーキンググループ、連邦預金保険公社や通貨監督庁がステーブルコインのリスク勧告を発表していたことにも触れた。

このリスク勧告発表の際、米財務省ジャネット・イエレン長官は「適切に設計され、適切な監視の下にあるステーブルコインは、有益な決済手段を支える可能性を秘めている」としつつ、適切な監視がなければ、利用者やより広範なシステムにリスクをもたらすとした。

さらに、現在のステーブルコインに対する監視体制は「一貫性がなく、断片的」で、一部のステーブルコインは、「事実上規制の枠外に置かれている」と懸念を表明している。

リスク勧告は、包括的な規制枠組みを構築するために、議会が速やかに法律を制定することを推奨していた。

また具体的には、主に以下のような勧告を行っている。

  • ステーブルコインの発行者は保険付き預金取扱機関であることを法律で義務付ける
  • ステーブルコインの発行者に対する要件を定める
  • カストディアルウォレットプロバイダーに対し、連邦政府が適切に監督するよう法律で義務付ける
  • ステーブルコインにとって重要な役割を果たす主体に対して、適切なリスク管理基準を満たすよう要求する権限を当局に与える
  • ステーブルコイン発行者に、商業団体との提携を制限する立法を行う
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
11/23 土曜日
11:30
XRP・SOLOなど高騰、トランプ新政権でリップル技術採用への期待高まる
米SECのゲンスラー委員長が2025年1月に退任することが発表され、過去4年間の厳格な仮想通貨規制からの転換期待からXRPの価格が高騰している。
10:50
米仮想通貨業界団体、トランプ新政権に5つの優先事項を提案
米ブロックチェーン協会が次期トランプ政権に仮想通貨の取り組みにおける優先事項を提案した。SEC新体制など5つの項目を掲げている。
10:20
トランプ次期米大統領、仮想通貨支持派のベセント氏を財務長官に起用する方向
ドナルド・トランプ次期米大統領が、親仮想通貨のヘッジファンド経営者のスコット・ベセント氏を財務長官に起用する方向で最終調整に入っていることが、ブルームバーグなど複数のメディアの23日の報道で明らかになった。
08:40
独保険最大手アリアンツ、マイクロストラテジー転換社債の25%取得
ドイツ最大の保険会社アリアンツが、米マイクロストラテジーが発行した26億ドル規模の2031年満期転換社債の約25%を取得した。ビットコインを間接的に保有することになった。
07:55
L1アルトコイン、米大統領選後に価格が急上昇
仮想通貨を分析するCryptoQuantは、L1アルトコインの価格が米大統領選後に上昇していると報告。この価格上昇は、現物取引の出来高を伴っていると指摘している。
06:45
米マラソン、転換社債販売で1500億円を調達 5771BTCのビットコインを取得
ビットコインをさらに買い増し 米マイニング大手のMARA Holdings(マラソン)は23日、2030年満期のゼロクーポン転換社債10億ドル(1500億円)の発行を完了し、そ…
11/22 金曜日
20:30
XRPのETF承認はどうなる?市場価格への影響を分析
トランプ次期政権下でのXRP現物ETF承認の可能性を詳しく解説。SEC委員長交代や規制緩和への期待、市場への影響を専門家の見解とともに分析。ビットコイン、イーサリアムに続く承認タイミングと価格への影響を予測します。2025年のXRP市場展望を徹底解説。
15:00
仮想通貨XDC(XDC Network)の買い方と将来性は?
ハイブリッド型ブロックチェーンを採用する仮想通貨XDCの特徴や将来性を解説。SBIとの提携や買い方、リスクについても詳しく紹介します。
13:50
米SEC敗訴、連邦地裁がディーラー規則は無効と判断 「仮想通貨業界全体にとっての勝利」
米連邦地裁がSECのディーラー規則を無効と判断し、SECの敗訴が確定した。原告の米ブロックチェーン協会CEOは、この判決は仮想通貨業界全体の勝利であると表現。ディーラー規則は分散型金融に重大な影響を与える可能性が危惧されていた。
13:10
トレードの機会損失を最小限に、メタマスクがイーサリアムガス代込みスワップを新たに導入
仮想通貨イーサリアムの主要ウォレットMetaMaskは新機能「Gas Station」の導入を発表した。ガス代不足によってスワップが中断されることを防ぐものである。
11:26
チャールズ・シュワブ次期CEO、規制緩和で仮想通貨現物取引への参入示唆
米大手ブローカー、チャールズ・シュワブの次期CEOが、規制環境の変化があれば仮想通貨現物取引へ参入すると述べた。トランプ新政権に期待する格好だ。
10:10
仮想通貨擬人化BCG「コインムスメ」、板野友美がアンバサダー就任
タレントの板野友美氏がWeb3ゲーム「コインムスメ」のアンバサダーに就任。板野氏プロデュースのアイドルグループとのコラボユニットも結成する。
09:55
Suiブロックチェーン、稼働停止の原因や対策を公表
約2.5時間稼働を停止していた仮想通貨SUIのブロックチェーンが復旧。その後、原因や今後の対策を公表している。
08:20
マイクロストラテジー、ビットコイン追加購入のための30億ドル調達を完了
米マイクロストラテジーは21日に仮想通貨ビットコイン追加購入のための、2029年満期の無利息転換社債の募集を完了したと報告した。
07:50
金融庁、仮想通貨仲介業の新設を検討
仮想通貨のイノベーションと利用者保護の両立に向けて、金融庁が仲介業の新設を検討。この会議ではステーブルコインも議題に上がった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/12/01 09:30 ~ 20:00
東京 墨田区文花1丁目18−13
重要指標
一覧
新着指標
一覧