はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

引き続きダウンサイドに警戒、22〜23日のパウエル議長発言も注目|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(11日〜17日)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

6月11日(土)〜17日(金) 週次レポート:

先週のビットコイン(BTC)対円相場は上値の重い展開。対ドルでは2年3ヶ月ぶりに200週線を週足終値で割り込んだ。

前週の5月米消費者物価指数の上昇を受けたリスクオフムードが週明けのアジア市場にも波及し、BTC相場は週明けから下げ一色で300万円を割り込んだ。2.1万ドル水準で一度反発するも戻りは鈍く、Coinbaseの人員18%削減の報道なども市場のセンチメントを萎縮させると、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に警戒ムードが強まり、相場は2万ドル水準にタッチ。

一方、FOMCでは利上げペースが75bpに加速したが、年末時点の見通しが予想以上に引き上がらなかったことや、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が来月の会合では利上げ幅を50bpに戻す可能性もチラつかせ市場に安堵感が広がると、BTCや米株はリリーフラリーで反転。ただ、買いは翌日のアジア時間には一巡し米株先ものが急反落を演じるとBTCも連れ安となり反落。再び2万割れドルを試す展開となり、その後はハッシュレートの急落もあってか同水準を下抜けた。

ただ、週末にはイーロン・マスク氏がDOGEの支援を続けるとツイートし、DOGEをはじめアルトコインが反発。BTCも遅れて反転すると、週足終値では2万ドル水準を回復した。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

米CPIの上振れにより市場は急速に75bp利上げを織り込み、それ以上のタカ派サプライズがなかったこともリリーフラリーを巻き起こした切っ掛けと言える。ただ、市場に必要なのは米国のインフレが抑制され低下する確証であり、これが掴めるまで身動きの取りにくい状況が続きそうだ。

他方、足元の相場下落とハッシュレート頭打ちに伴ってか、マイナーから取引所へのBTC送金量が増加しており、相場の上値を抑える一因になっていると指摘される。現状打開には相場の急激な回復でマイニングの収益性を向上させるか、ディフィカルティを極端に低下させ競争率を下げなければ需給バランスの改善はし難いだろう(第2図)。

理想を言えば、FOMCで相場が2万ドルを割り込みハッシュレートも低下する展開が綺麗な底入れシナリオとなり得たが、市場は無難にFOMCを通過し、ハッシュレートも一時は200Ehash/sを割り込んだが週末に回復しており、このままだと相場の戻りを狙ったマイナーの換金売りが入りやすいと言える。

【第2図:BTC対円、ハッシュレート、マイナーから取引所へのBTC送金量チャート(日次)】出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

また、流通するBTCの黒字割合を表すPercent Supply in Profit(PSP)も底入れを示す50%に肉薄しているが、PSPの50日移動平均は50%台後半で推移しており、底入れが近いことを示唆する一方で、それにはもう一段と相場が安くなる可能性も示唆している(第3図)。

【第3図:BTC対円、PSPチャート(日次)】出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

以上のことから週末のBTC相場2万ドル割れがセリングクライマックスだったとは依然として言い難いだろう。FOMCの結果を消化して売り一服の様相を呈しているが、節目の2万ドルを巡りグズつくシナリオが視野に入る。ただ、今週は22日と23日にパウエルFRB議長の議会証言も控えており、これを切っ掛けに相場が動く可能性にも注意したい。

引き続き、ダウンサイドへの警戒を怠れない状況が続きそうだ。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:先週のビットコイン相場は下抜け試す展開、FOMCと経済見通しの焦点は

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
18:06
トランプ一族、世界初のトークン化ホテル開発プロジェクト参画を発表
トランプ・オーガニゼーションとDAR Globalが世界初のトークン化ホテル開発をモルディブで発表。ブロックチェーン技術を活用した新たな不動産投資モデルとして注目される。
18:03
Aave、米国で高利回り貯蓄アプリ「Aave App」開始へ 銀行入金・残高保護に対応
DeFi大手Aaveが一般ユーザー向け貯蓄アプリ「Aave App」を米国で提供開始予定。最大100万ドルの残高保護、自動積立機能など、従来の銀行預金(平均0.4%)を上回る利便性を提供する。
17:00
金商法移行で暗号資産市場はどう変わる? JVCEA小田会長が業界の懸念に回答|独自取材
暗号資産の金商法移行が最終局面を迎える中、日本暗号資産取引業協会(JVCEA)の小田玄紀代表理事がCoinPostの独自取材に応じた。開示規制は分散性の高い銘柄を対象外とし、取扱銘柄の大幅減少は想定されていないと明言。規制の枠組みを理解した上での革新を呼びかけた。分離課税実現には金商法移行が必要条件の一つであり、多くの政党が前向きに検討していると認識を示した。
16:23
マウントゴックス、ビットコイン1万BTCを動かす 弁済に進展か
破綻した暗号資産取引所マウントゴックスが11月18日、約1万608BTC(約1,470億円相当)を移動した。過去の大規模移動が債権者返済に先立って実施されてきた経緯から、今回も返済準備の可能性が指摘されている。同社は2024年7月から返済を開始しており、現在も約3万4,689BTCが未配布となっている。
14:54
暗号学者アダム・バック、ビットコインの現実的な量子リスクは最短でも20年後 「備えは十分可能」
暗号学者アダム・バック氏が量子コンピュータによる脅威について「20-40年は安全」との見解を示した。一方、専門家の間では5-10年以内のリスクを指摘する声もある。
13:40
エルサルバドル、下落局面で約155億円相当のビットコイン押し目買い 保有高は7474BTC
エルサルバドル政府が市場下落局面で約155億円相当のビットコインを追加購入し、保有高は7474BTCに達した。2025年1月に法定通貨地位を撤廃したものの、ブケレ政権は戦略的準備資産としての蓄積を継続している。
13:25
ヴィタリック、イーサリアムのプライバシー保護ツール「Kohaku」を紹介
仮想通貨イーサリアムのブテリン共同創設者がプライバシー保護ツール「Kohaku」を新たに紹介した。Railgun連携やゼロ知識証明で匿名性を強化する開発ロードマップを解説する。
13:10
CZ氏、6650億円の罰金返還なら米国に再投資と言及
バイナンス創業者CZ氏が米司法省への約6650億円の罰金返還時に米国再投資を表明。トランプ大統領からの恩赦後、民主党議員からの腐敗疑惑批判に対し、感謝と慎重さのバランスを強調した発言として注目される。
11:25
伝説投資家ドラッケンミラー、ブロックチェーン融資企業フィギュアの株式を120億円相当取得
フィギュア株価上昇 米ウォール街の伝説的なヘッジファンドマネージャーであるスタンリー・ドラッケンミラー氏が運営するデュケイン・キャピタルは11月15日、第3四半期の13F報告書…
10:55
ソラナ保有企業フォワード、367億円相当SOLをコインベースへ入金 警戒高まる
仮想通貨ソラナを財務資産として保有するナスダック上場のフォワード・インダストリーズが約367億円相当のSOLをコインベース・プライムに移動させた。売却か社内再編成かは不明だ。
09:50
「ビットコイン下落の背景は米ドル流動性低下」アーサー・ヘイズが年末までの市場予想
アーサー・ヘイズ氏が仮想通貨ビットコイン下落の原因を米ドル流動性縮小と分析した。ETF資金流出の背景や今後の下落および急騰シナリオを解説している。
09:30
自称「IQ276」のキム・ヨンフン、BTCは今後45日間で22万ドルまで上昇すると予想
自称IQ276のキム・ヨンフン氏は、仮想通貨ビットコインの価格は今後45日間で22万ドルに到達すると予想。明確な根拠は示していないが、世界最高のIQ記録保持者として価格を予想すると主張した。
09:20
Cboeが無期限型ビットコイン・イーサリアム先物を12月15日に開始、米国規制下で提供
Cboeが仮想通貨ビットコインとイーサリアムの無期限先物取引を12月15日に開始する。米国規制下でポジションのロールオーバーを不要にする。
08:15
米政権、海外仮想通貨口座の税務報告規則を審査中
米ホワイトハウスが海外仮想通貨口座に関する税務報告規則案の審査を開始した。国際的な仮想通貨資産報告枠組みCARFへの参加を実現し、租税回避を取り締まる狙いだ。
07:45
グレースケールのドージコインETF、11月24日取引開始見通し 新たなソラナETFも上場
グレースケールのドージコインETFが11月24日にも取引開始となる見通しだ。ヴァンエックは17日にソラナETFの提供を開始した。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧