はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米国議員ら、仮想通貨マイナーの電力消費報告を要請

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

電力消費や炭素排出量の報告求める

米国議員らは、同国のエネルギー省と環境保護庁に書簡を送り、暗号資産(仮想通貨)マイニング事業者(マイナー)に炭素排出量と電力使用に関する情報の報告を求めるよう要請した。

議員らは背景として、中国の取り締まりにより、世界のビットコイン(BTC)マイニングに占める米国の割合が、2019年8月の4%から2022年1月には約38%に増加したことを指摘。また、議員らは関連情報を得るためマイニング事業者に質問状を送った。

事業者から得た回答によると、7社だけで現在1,045メガワット以上の電力容量を使用しており、これはテキサス州ヒューストン全戸の電力に相当するとも述べている。さらに、今後の拡大計画を考慮すると5年間で640万トン以上のCO2が排出されると主張、これは28万台近くの乗用車が排出する量に相当するという。

議員らは、こうした内容を踏まえて、書簡で次のように説明した。

こうした懸念を考慮すると、仮想通貨マイニングの電力使用と環境への影響に関する情報不足に対処するために、担当省庁が協力し、大気浄化法など、自由に使えるすべての権限を使って、マイニング事業者に電力使用と炭素排出の報告を義務付けることが急務となっている。

そのようにして収集されたデータは、電力使用をよりよく監視し、政策立案にさらに根拠を与え、国家的な分析のためのデータを改善するだろう。また、このセクターに対する技術政策の評価能力向上、国家および地域の電力網負荷やその調整をモデル化することも可能にする。

PoW銘柄の監視強化を求める書簡も

4月には、20人以上の下院民主党員らも、環境保護庁に対してプルーフ・オブ・ワーク(PoW)銘柄のマイニング監視強化を求める書簡を送っていた。

民主党員らは、騒音公害、ハードウェア交換による電子廃棄物、温室効果ガスの排出、閉鎖されていたガス・石炭工場を再開することなど、仮想通貨マイニングがもたらしうる悪影響を調査するよう要請した格好だ。

また、ホワイトハウスの科学技術政策室(OSTP)も、仮想通貨通貨マイニングとその環境影響に関する報告書を8月に発表する予定である。

一方で、再生可能エネルギーの活用を増やすマイニング企業は増えている。例えば米国の大手マイニング企業は21年6月、「ビットコインマイニング評議会(BMC)」を設立したが、加盟企業について再生可能エネルギーの利用率は67.6%と従来産業を上回っていると発表した。

また、ビットコイン・ネットワークに参加するマイニング企業の56%が再生可能エネルギーを利用しているとのデータもあわせて公表している。

関連ビットコインネットワークの56%が再生エネルギー利用=BTC採掘評議会

公聴会では解決策も議題に

1月には、米国下院エネルギー・商業委員会でマイニングについての公聴会も開催された。

この際には、証言者から、仮想通貨マイニングの電力消費問題に対する解決策として、エネルギーをそれほど必要としないブロックチェーンの活用や、自然エネルギーを推進できる可能性などが提案されている。

コーネル大学のAri Juels教授は、PoS(プルーフオブステーク)チェーンを採用していくことを選択肢の一つとして提示。また、BitfuryのBrian Brooks CEOは、マイニング事業が、太陽光発電や風力発電などにベースロード消費を提供することで、そうした自然エネルギーの採算が合うようにできることを指摘した。さらに、排ガスをマイニングに使用して炭素排出を削減する事業者も存在することに言及している。

PoS(プルーフオブステーク)とは

「Proof of Stake(保有による証明)」の略。仮想通貨の保有期間も考慮する場合がある。取引の承認に高性能なコンピューターが必要で、大量の電力消費を伴うコンセンサスアルゴリズム「Proof of Work(PoW)」の代替手段として生まれた。承認を行うと、報酬として新規発行される仮想通貨を受け取ることができる。

▶️仮想通貨用語集

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/15 月曜日
19:10
CoinDesk JAPAN運営のN.Avenue、独自ブランド「NADA NEWS」へのリブランディングを発表
N.Avenue運営のWeb3メディア「CoinDesk JAPAN」が2026年より独自ブランド「NADA NEWS」へリブランディング。メディア・コミュニティ・暗号資産インデックスを統合し、日本のデジタル資産市場向け情報基盤を構築する。12月下旬グランドオープン予定。
17:41
分散型AIトークンのFET、 Binance Japanで取扱い開始【国内初】
Binance Japanが国内初となるFET(Artificial Superintelligence Alliance)の取扱いを開始。本記事ではASIアライアンスの概要、FETの用途、将来性、想定されるリスクを解説する。
16:45
なぜSBI新生銀行は投資家に選ばれる? 圧倒的優位性を持つ「SBI証券」との連携メリットを解説
SBI新生銀行が投資家に選ばれる理由は、SBI証券との圧倒的な連携メリットにあります。預り金自動スィープサービスで入金操作不要、年4.2%の高金利預金で待機資金を運用。IPO投資、NISA口座、資産一元管理まで、他の銀行では実現できない理想的な投資環境を徹底解説。
14:36
リップル決済、欧州初の銀行採用 スイスのAMINA銀行と提携
リップルがスイスのAMINA銀行と提携し、欧州初のリップル決済導入を実現。ブロックチェーンと従来の銀行システムを統合し、ほぼ即時の国際送金サービスを提供。両社の協力関係はステーブルコイン保管から決済へと拡大。
13:44
イーサリアム「フサカ」実装直後にPrysm障害、1.8億円の報酬損失が判明
イーサリアムの大型アップグレード「フサカ」実装直後、Prysmクライアントでバグが発生し382ETH(約1.8億円)の報酬機会が失われたことが判明し、ネットワークの堅牢性においてクライアント多様性の重要性が再確認された。
13:22
英国、2027年に仮想通貨規制を本格導入へ 政治献金も禁止方針
英国財務省が2027年施行予定の仮想通貨規制案を策定中。英国金融行動監視機構の監督下で取引所やウォレット企業に透明性基準を義務付け、消費者保護を強化。仮想通貨による政治献金も禁止へ。
10:50
ストラテジー、ナスダック100指数への残留決定 ビットコイン買い増しの意欲示す
世界最大のビットコイン保有企業ストラテジーのナスダック100指数への残留が決定した。セイラー会長はビットコイン追加購入への意欲を示唆している。
10:41
日銀30年ぶりの0.75%利上げ見込み 仮想通貨市場への影響は?
日本銀行が12月19日の金融政策決定会合で政策金利を0.75%に引き上げる方針。30年ぶりの高水準となる利上げが、円キャリートレード巻き戻しを通じてビットコインなど仮想通貨市場に与える影響を分析。米FRBのQT終了による影響緩和の可能性も解説。
10:10
2025年末までに済ませておきたい仮想通貨に関する税金と確定申告への準備|Gtax寄稿
仮想通貨の税金の仕組みと、年末までにできる節税対策を解説。損益圧縮やふるさと納税・iDeCoの活用法、確定申告に向けた取引履歴・経費の整理ポイントをまとめています。
08:50
米SEC、個人投資家向けの仮想通貨保管ガイドラインを提示 姿勢転換示すか
米証券取引委員会が個人投資家向けにビットコインなど仮想通貨を保管する方法に関して推奨事項を提示した。ウォレットの選び方やカストディアン選定の注意点を解説している。
12/14 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、トム・リーのイーサリアム相場分析やXRP現物ETFの連続純流入など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
来週の米雇用統計に注目、労働市場減速ならビットコイン相場に追い風か|bitbankアナリスト寄稿
BTC相場は1450万円周辺で推移。FOMCで利下げ決定、流動性供給再開で中期的な下支え期待。来週の米雇用統計で労働市場減速が示されれば、追加利下げ観測強まりBTCの追い風となるか。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|仮想通貨税制に関する国会質疑に高い関心
今週は、ストラテジーによるビットコイン押し目買い、仮想通貨税制に関する国会質疑、仮想通貨マーケットメーカー大手Wintermuteの市場分析レポートに関する記事が関心を集めた。
12/13 土曜日
14:05
米インタラクティブ・ブローカーズ、ステーブルコインでの口座入金を開始
ステーブルコイン入金を導入 ブルームバーグが報じたところによると、オンライン証券大手インタラクティブ・ブローカーズ・グループが、個人証券口座へのステーブルコインによる入金を可能…
13:35
仮想通貨業界団体ら、シタデルに反論 「DeFiは仲介事業者ではない」
DeFi教育基金など仮想通貨業界団体らが米SECに書簡を提出した。シタデル・セキュリティーズによるDeFi規制要求に反論し、自律的ソフトウェアは仲介者に該当しないと主張している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧