今週(23日〜29日)の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
23日〜29日レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は確りとした値動きで、29日正午時点で、320万円周辺で推移している。
週前半の相場は、シカゴマーケンタイル取引所(CME)のBTC先物取引開始に合わせて下値を模索し始めると、ボイジャーがFTXの救済案を拒否したことなども嫌気され、310万円から300万円割れを試した。
その後も、米連邦公開市場委員会(FOMC)を控え警戒ムードが広がり相場は290万円を割り込んだが、対ドルで2.1万ドル周辺の水準がサポートとして機能し反転すると、FOMC後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の記者会見で政策金利がFRBの考える中立水準に達したとの発言が好感され、相場は310万円を回復。
翌日には米国内総生産(GDP)が-0.9%と2四半期連続のマイナス成長となり、相場は一時押したが、FRBがこれ以上の景気後退を防ぐためアグレッシブな利上げを止めるとの思惑から米株が続伸すると、BTCも連れ高となり320万円周辺まで戻した。
FRBの7月の政策金利引き上げ幅は市場の予想通り75ベーシスポイント(bp)に止まった。市場はこの結果を先取りし過ぎていた印象もあったが、金利が中立水準まで引き上げられたことで9月からの利上げペース低下が視野に入る。
パウエル議長はさらに、この先の金利の見通しについて、6月FOMCの経済見通しから基本的な方針に大きな変更はないことを示唆した。当時の見通しでは、年末時点での政策金利着地予想は3.4%となっており、年内残り3回のFOMCで、1回の50bpと2回の2.5bp利上げが妥当なシナリオとなりそうだ。
勿論、これは米国の物価統計上昇に歯止めが掛かり低下し始めることが条件としてあり、今夜の6月米個人消費支出(PCE)が相場の重石となる可能性がある。
6月は消費者物価指数(CPI)と卸売物価指数(PPI)が双方とも5月を上回っており、PCEが同様の結果になることは驚きではない。ただ、PCEは前月のデータが月末に発表されるためかなりのラグがあることも認識しておきたい。再来週の10日には7月分の米CPIが既に控えており、市場のコンセンサスとしては原油価格低下を受けて6月のデータから低下する見込みだ。
テクニカル的には、BTC対ドルは今週こそ週足終値が200週線を維持できるかが注目される。マクロ的には、上述の通りFRBの利上げサイクルの折り返しで相場が最悪期を脱する兆しも視野に入っており、テクニカル的にも長期トレンドで意識される200週線を回復するとより心強い。
関連:bitbank_markets公式サイト
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