CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン反転上昇、来週からは様子伺う展開が濃厚か|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(9日〜15日)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

9日〜15日レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は、6月の米消費者部下指数(CPI)の発表を控え、週明けからアジアの株式市場が軟化したのに連れ安となり、290万円を割り込み280万円割れを試す展開で始まると、金融安定理事会(FSB)が10月のG20会議で暗号資産(仮想通貨)の包括的且つ国際的な規制枠組みを提案するとの報道や、Uniswap V3のLP(Liquidity Provider)に対するフィッシング攻撃で巨額のETHが不正流出したことを嫌気し270万円を目指した。

週央に差し掛かると、CPIを警戒して米株が強く押しBTCの連れ安。結果は9.1%と市場予想を上回り、相場は一時260万円にタッチしたが、ショッキングな結果は織り込み済みだったことや、インフレのピークアウト観測も台頭し相場は同水準から反転上昇した。

さらに、14日は米大手金融機関の決算が振るわずリスクオフムードが一時広がるも、米連邦準備制度理事会(FRB)のウォーラー理事とセントルイス連銀のブラード総裁が、7月も75ベーシスポイント(bp)の金利引き上げを支持したことで、CPIの結果を受けた100bp利上げ織り込みが巻き戻し、BTCは280万円台に戻した。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

ウォーラーFRB理事が以前に言及した9月の利上げ幅縮小の可能性が、CPIの上振れにより掻き消されたかと思いきや、タカ派として知られる同氏とブラード総裁が75bp維持を支持したことは意外だった。

もっともウォーラーFRB理事は、7月の75bp利上げ維持は今後の小売売上と住宅市場の需要によって柔軟に考える必要があるとも発言しており、金融政策の引き締めによる需要の抑制、引いては物価上昇圧力の低下を月末の米連邦公開市場委員会(FOMC)までに確認できるかが鍵となってくるだろう。

今週からは米企業の決算シーズンの幕開けとなっており、来週も大手金融機関や航空会社にツイッター、テスラといったIT、テック企業の決算が控えている。

好決算が続けば企業価値的にはプラスとなるが、政策金利動向の観点からは大幅な利上げを促すこととなり得るため、単純にBTCにプラスとは言えないか。今週は利上げサイクル減速の兆しが見えてきたとも言えるが、依然としてその確証を掴むまで見通しの悪さは続くだろう。

市場が金利動向に敏感となる中、来週からはFOMCを控えた参加者のブラックアウト期間も始まるため、経済指標と企業決算を手掛かりにしつつ様子を伺う展開が濃厚かと指摘される。

テクニカルの側面では、BTCは1時間足と4時間足の200本移動平均線がレジスタンスとなっており、短期的には足元の水準で戻り一服となってもおかしくはなさそうだ。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:ビットコイン2万ドル水準回復の一方、マイニング巡る需給バランスは悪化

『早割』終了まで
0
0時間
0
0
さらに!! CoinPost読者限定割引コード提供中!
クリックしてコードをコピー
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
14:25
ビットコインETFは日本で買える?現物BTCとの比較や買い方ガイド
ビットコインETF(上場投資信託)の買い方を投資初心者にも分かりやすく解説。日本の株式市場では、いつどこで買えるようになるのか?暗号資産(仮想通貨)のビットコイン(BTC)現物とのメリット比較は?証券市場の関連銘柄などの代替手段は?情報をまとめました。
14:00
Oasys、韓国Vortex Gamingと提携
ゲーム特化型ブロックチェーンOasysは26日、韓国市場でのリーチ拡大を目的として韓国の主要ゲームコミュニティープラットフォームである「Vortex Gaming」と提携したことを発表した。
13:00
米議員、ビットコインによる連邦所得税の支払いを認める法案を提出
米フロリダ州選出のマット・ゲイツ議員(共和党)は、連邦所得税をビットコインで支払うことを可能にする法案を提出したと発表した。
12:01
ビットコインリバウンド局面で仮想通貨全面高、米大手マイニング企業CEOが下落相場に言及
暗号資産(仮想通貨)相場では、ドイツ政府売りやマウントゴックスの債権者売り懸念などで急落していたビットコインが62000ドル台までリバウンドし、アルトコインも全面高に。大手マイニング企業マラソンデジタルのCEOが相場について見解を述べた。
12:00
北朝鮮ハッカー集団、Alex Labから7億円が流出した事件に関与か
仮想通貨ビットコインのDeFiプロトコルAlex Labは、5月のハッキングが北朝鮮関連の「ラザルス」に関連していた可能性が高いと述べた。
11:11
イーサリアムL2「ブラスト」、本日中に大規模エアドロへ
イーサリアムレイヤー2「ブラスト(Blast)」の仮想通貨エアドロップ(配布)は、日本時間26日23時に開始する予定だ。
10:35
「イーサリアム現物ETFに最初の18か月で2.4兆円の純流入」Bitwise予測
仮想通貨運用企業Bitwiseは、米国のイーサリアム現物ETFに最初の18か月で約2.4兆円の資金が流入する可能性があると予測している。
09:45
Bybit、マーケットシェアでコインベース抜く
Bybitが、仮想通貨取引のマーケットシェアでコインベースを抜き、世界2位になったとKaikoが発表。取引高が増えた要因を分析している。
08:45
VanEckのイーサリアム現物ETF上場申請に新たな動き 
期待される7月2日の承認仮予定日に近づく中、イーサリアム現物ETF申請の承認に向けた新たな進展は見られた。
07:32
Bybit、ソラナ基盤Zeta MarketsのZEXトークン新規上場へ
暗号資産(仮想通貨)取引所Bybitは、ソラナ基盤の無期限先物取引プラットフォーム「Zeta Markets」のZEXトークンの新規上場を行う予定だ。
07:00
米SEC委員長「イーサリアム現物ETFの審査は順調」
米SECのゲンスラー委員長は、仮想通貨イーサリアムの現物ETFの審査手続きは順調であると語った。一方で、承認時期がいつになるかは不明確であると話している。
06:40
ドイツ当局の売圧継続か、88億円相当のビットコインを移動
仮想通貨追跡サイトArkhamによると、BKAはまず400 BTC(39.5億円相当)をコインベースおよびクラーケンのウォレットに送信。その後、500 BTC(49億円)を特定されていないアドレスに移したという。
06:05
ソラナ新機能「Blinks」、X(ツイッター)離れず仮想通貨取引やステーキングなど可能に
この新機能により、ユーザーは現在閲覧しているツイッターを離れることなく、取引やステーキング、NFTのリンクへ接続し、トランザクションを送信できるようになる。
06/25 火曜日
18:00
チェーンリンクの買い方、取引所選びの完全ガイド
暗号資産(仮想通貨)チェーンリンク(LINK)の特徴、最新価格、将来性、購入方法について詳しく解説。多様な用途と採用事例で注目されるLINKの成長の背景を探ります。
17:03
ブロックチェーンゲームでも税金が発生する?課税のタイミングやNFT取引における所得の注意点などを解説|Aerial Partners寄稿
暗号資産(仮想通貨)の損益計算サービス「Gtax」を提供する株式会社Aerial Partners所属の税理士が、STEPNやブレヒロなどの人気ブロックチェーンゲームの煩雑な税金計算の基本について初心者向けに解説。国内最大手暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostに寄稿しました。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア