タウンスター、大規模アップデート
農場を舞台にしたP2Eゲーム、「タウンスター」は、2021年10月にP2Eベータ版がリリースされた、Gala Gamesプラットフォームを代表する農業・町作りシュミレーションゲームだ。
単なる農場シミュレーションではなく、制限された時間や土地の中でいかに農場を発展させるかをプレイヤー間で競い合う仕組みで人気を集めた。また、現在では11か国語に対応し、PCやスマートフォンからもプレイ可能となっている。
日本でも知名度の高いタウンスターだが、現在はゲームの更なる長期的な発展を見据えた開発フェーズに入っており、7月19日からはゲームのコア機能であるP2Eについても、報酬の分配を停止している。
短期的に見ればユーザー離れも懸念される措置だが、今回のフェーズについて、Gala Gamesは次のように説明した。
世界最高のWeb3シムゲームとして、次の進化へと導くために、いくつかの重要な開発とアップグレードを行う必要があります。コミュニティからのフィードバックに耳を傾け、これらの大規模かつ必要なアップデートを開始する最適なタイミングが今であると判断しました。
多くのP2Eゲームと同じく、タウンスターもまた、ゲーム内通貨(TOWN)の価値をいかに安定させるかが課題となっており、タウンスター運営はNFTの供給量の調節や、TOWNの分配システムの変更など、様々な措置を講じてきた。
開発状況などに関してもユーザーとのコミュニケーションを増やすため、AMAイベントは毎週もしくは隔週で開催していくとしている。また、タウンスターのノード運営者に対しては、報酬の分配停止に伴い、遡及的な報酬の付与も検討されている模様だ。
関連:Gala Games、NFTゲーム「Town Star」の収益化に対応開始
タウンスターとは
タウンスターは農場を舞台とした箱庭系ゲームで、制限された土地と時間の中で、いかに農場を発展させられるかを競い合う。ゲーム内では水や風力といった資源もあれば、それらを収穫したりする人員を雇う必要もある。
また、収益は基本的に作物などを都市に売ることで得られるが、いかに資源を効率よく使用し、より難易度の高い製品を販売するか、あるいは農場から都市までの距離などが効率に大きな影響を与えるため、パズルやストラテジーゲームのような緻密な戦略が試される。
P2E要素としては、TOWNトークンが流通しているが、TOWNによる報酬はゲーム内エコノミーの改革が進む中、一時的に停止している。
TOWN分配一時停止期間中も、隔週で開催される大会に参加して、NFTを活用するなどしてゲーム内ランキングで上位を狙うことで、GALAやNFTの報酬を獲得することは可能だ。
エコノミーアップデートの内容
エコノミーアップデートと呼ばれるフェーズでは、ゲーム内エコノミーの改革や、不正行為への対策などが含まれる。
既にタウンスターのチームは人員規模を二倍に拡大しているとしており、さらにはゲームソフト企業大手のEA(エレクトロニック・アーツ)社のエグゼクティブ・プロデューサーなどを務めるなどゲーム開発の知見を持つMark Skaggs氏がチームに加わる。
今後は、この増員されたチーム体制で、不正を防ぐ対策の導入やゲーム内の経済的安定に向けた措置を講じていく計画だという。
目玉となるのは不正対策として、ゲームエンジンを移行する方針が明らかにされたことだ。タウンスターのゲームエンジンは現在、「PlayCanvas」と呼ばれるHTML5ゲームエンジンを使用している。
これに対し、新たに「Godot」と呼ばれる別のゲームエンジンへ移行することで、サーバー側がコントロールしやすい(不正行為を防ぎやすい)アーキテクチャが実現される。
移行のスケジュールについては、まだ初期段階と見られ詳しい内容は明らかにされていないものの、ハッキングやスクリプトによる不正行為等への効果が期待できるとしている。
アップデートの発表後となる7月22日に開催されたAMAでは、ユーザーから様々な質問が寄せられた。ゲームに関しては、長期的なゲームにしていくために、コンテンツの継続的な追加を重要視していくとのことだ。
ある段階で放置ゲームになっている部分があると思います。実際にゲームをプレイする機能、新しいエリアや建物のアップグレードなどをアンロックできるシステム、他のタウンシミュレーションゲームにあるような機能の追加も検討します。
また、報酬分配の再開に関しては、多くの質問が寄せられている模様だが、現時点では詳細な日程を共有できないとした。プレイヤーがゲームをする時に難しいことを考えずに済むように、できるだけシンプルなゲーム内の経済システムを目指すとしている。
関連:NFT(非代替性トークン)を活用したソーシャルゲーム開発企業、Gala Gamesとは