はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

目先では底堅い展開、継続的なインフレ沈静化サインは要確認|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(6日〜12日)の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

6日〜12日レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円は小確り。12日正午時点では320万円周辺で推移している。310万円台で始まった今週のBTCは、前週にブラックロックがコインベースと提携を組んだことなどを切っ掛けにジリ高となると、ショートスクイーズを誘発し320万円台後半まで戻した。

しかし、米国の7月消費者物価指数(CPI)の発表を前に米株が軟化するとBTCも上値を抑えられ、Tornado Cashが米財務省の外国資産管理局(OFAC)から制裁を課されたことを切っ掛けに320万円割れを試した。

9日には米株先物の急落に連れ安となり、320万円を割り込んだが、対ドルで2.3万ドル水準となる310万円周辺で下げ止まった。

警戒されていた7月の米CPIだったが、結果は9.1%→8.5%、食品とエネルギーを除いたコアCPI指数も市場予想を覆し前月から減速した。これにより、米連邦準備制度理事会(FRB)が利上げペースを緩める余地が生まれたとの思惑から、BTC相場は反転上昇となり、7月の米卸売物価指数(PPI)の減速も味方に330万円を試した。

もっとも、11日米市場では、インフレがどこまで沈静化されるかや、FRB当局者が対インフレの勝利宣言は「時期尚早」と発言したことで、先行きを見極めるムードが台頭し、米長期金利が急反転。BTCはこれに逆行安となり320万円周辺まで押し返された。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

保ち合い上放れに成功するか否かの瀬戸際まできたBTCだったが、2.5万ドル(約332万円)に肉薄し反落した。

米国の物価統計は確かにFRBの利上げペース鈍化を促し兼ねる結果だったが、継続的なインフレ沈静化のサインを確認する必要がありそうだ。

こうした中で来週は米国の8月NAHB住宅着工件数や7月住宅着工件数と中古住宅販売高といった住宅関連指数が目白押しとなっており、利上げによる住宅市場の過熱感抑制が続いているかが注目される。

ただ、19日未明には7月米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が公開される予定となっているが、7月のCPIのデータを見て胸を撫で下ろしている当局者は現状確認されておらず、殆どのメンバーが積極的な引き締めに断固とした姿勢で会合に挑んでいた可能性は高い。

目先では、利上げサイクル転換を見込んだ一定の買いが見込まれ底堅い展開が想定されるが、依然として指標や当局者の発言に注意しながら9月のFRBの出方を見極めていく状況が続きそうだ。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:物価上昇ペース緩和の兆しでビットコインに追い風か、売り物出尽くしの印象も

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
10/16 木曜日
21:37
バイナンスが韓国の仮想通貨取引所Gopaxを買収 4年ぶりの韓国市場復帰へ
バイナンスが韓国の仮想通貨取引所Gopaxの買収を完了。2年半の規制審査を経て承認され、2021年の撤退以来、4年ぶりに韓国市場へ復帰。流動性危機の救済として始まった買収が実現。
16:52
Paxos、PYUSD300兆ドル誤発行で緊急対応 セキュリティ被害はなし
PayPalステーブルコインPYUSDの発行元Paxosが300兆ドルを誤発行後、約20分で全量焼却した。内部技術エラーが原因で、セキュリティ侵害や顧客資金への影響はないと発表。
15:58
エリック・トランプが不動産トークン化プロジェクトを発表 1000ドルから取得可能に
エリック・トランプ氏が不動産のトークン化プロジェクトを発表した。WLFIとUSD1を活用し、少額から不動産の部分所有が可能に。従来の高額投資や低い流動性といった課題を解決し、不動産投資の民主化を目指す。
12:25
ビットコイン市場はリセット局面 市場回復の鍵は?=Glassnode週間レポート
Glassnodeが仮想通貨ビットコイン市場の最新レポートを発表。米国の関税懸念で190億ドル規模のレバレッジ解消後、ETFや先物など市場動向と今後を分析している。
12:13
様子見基調のビットコイン、市場は緊迫化する米中貿易摩擦の行方を注視
ビットコインは111,500ドルで推移。トランプ関税ショックで100億ドル超のレバレッジが解消され、デリバティブ市場がリセット。重要な価格レンジ内で市場の方向性が注目される局面に。米中貿易摩擦の行方が焦点。
10:39
CMEグループ、SOLおよびXRP先物オプションの取引開始を発表 機関投資家向けヘッジ手段が拡大
世界最大級のデリバティブ取引所を運営するCMEグループは14日、ソラナとXRP先物オプションの初取引を発表した。XRP先物オプションの初取引は10月12日にWintermuteとSuperstateの間で、ソラナ先物オプションの初取引は13日にCumberland DRWとGalaxyの間で執行された。
10:20
ソニー銀行、米国で国家銀行免許を申請
ソニー銀行は、米国で国家銀行免許を取得するために申請書を提出。子会社が仮想通貨を含む事業を計画しており、米ドルステーブルコインの発行、カストディサービス、デジタル資産運用サービスなどを行うという。
09:45
BNBチェーン、中国招商銀行の5,700億円規模MMFをトークン化
BNBチェーンが中国招商銀行CMBによる38億ドル規模のマネーマーケットファンドをオンチェーン化する。CMBMINTとCMBIMINTトークンでDeFi運用も可能になる。
09:36
「仮想通貨市場へのトランプ関税ショックの影響は一時的」Bitwise
Bitwiseの最高投資責任者は、米中対立激化への懸念から起きたビットコインなどの仮想通貨市場の急落は一時的なもので、大きな影響はないとの見方を示した。3つの判断基準を説明している。
10/15 水曜日
18:50
モブキャストHD、ソラナ投資に5億円を投じる計画
モブキャストHDは暗号資産事業への本格参入を決定し、ソラナ(SOL)購入に向け5億円を投資する計画を発表。ステーキング収益も視野に入れる。
18:36
MEXC、Ethenaに45億円追加投資へ  
MEXCは10月6日、TOKEN2049でEthenaに3,000万ドル(約45億円)の追加投資を発表。過去の投資と合わせて総額99億円のコミットメントとなる。戦略的パートナーとしてエコシステム全体で初期プロジェクトを支援する方針を明らかにした。
18:30
リップル、南アフリカでカストディ事業強化 金融大手アブサバンクと提携
リップルは南アフリカのアブサ銀行と提携し、アフリカで初の大手カストディパートナーを獲得。デジタル資産の安全な保管と事業拡大を進めます。
17:55
イーサリアムFusakaアップグレード、テストネットSepoliaで有効化 12月メインネット実装へ 
イーサリアムの次期アップグレード「Fusaka」が10月14日、テストネットSepoliaで稼働開始した。PeerDAS技術により処理負担を大幅軽減し、取引速度を最大12,000件/秒まで向上。12月のメインネット実装に向けて段階的にテスト展開中。年内2度目の大型アップグレードでスケーラビリティをさらに強化へ。
17:28
コインチェックグループ、機関投資家向け事業を強化
Coincheck Groupが仏Aploの買収を完了し、国内では事業法人向けクリプト・トレジャリー支援を開始。海外と国内の両面で機関投資家向け事業を拡大する。
17:19
コインベース、インド大手の仮想通貨取引所CoinDCXへ投資 評価額3700億円相当
米暗号資産取引所大手コインベース・グローバルが、インドの暗号資産取引所CoinDCXに追加出資。投資後の企業価値は24.5億ドルと評価される。この出資はCoinDCXが今年7月にハッキング被害に遭った数カ月後。コインベースはインドと中東地域での事業拡大を目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧