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Acala、不正発行されたステーブルコインaUSDの大半を回収

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

不正発行された資産の大半を確保

暗号資産(仮想通貨)ポルカドット上のDeFi(分散型金融)プロジェクトAcalaは17日、ステーブルコインAcala Dollar(aUSD)の不正発行について新たな報告を行った。発行された30億2,200万aUSDのうち、29億7,000万aUSDを回収・確保しているという。

Acalaでは14日、1,600億円相当のステーブルコインAcala Dollar(aUSD)が不正に発行されていた。これは、稼働したばかりのiBTC/aUSD流動性プールの設定ミスによるものだった。この脆弱性によりaUSDが不正に鋳造され、複数のウォレットアドレスに送金されていた形だ。なお、設定ミスはすでに修正されている。

aUSDは基準値となる1ドルから一時的に大幅ディペッグした。執筆時点では、0.84ドルまで回復しているものの、依然として米ドル価格との乖離が見られる状態だ。

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値($1)を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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オンチェーン追跡結果

オンチェーン追跡の結果、不正に発行された99%以上のaUSDはAcalaパラチェーン上に残っており、Acalaのチームは、これらのコインを保有するアドレスを凍結することができた。

チームの調査によると、iBTC/aUSD流動性プールに参加する16のウォレットアドレスが、iBTC/aUSDの報酬プールを介して報酬を請求した際、不正に発行されたaUSDがそれらのアドレスに送られていたという。

先に回収された12億9,200万aUSDについては、すでにガバナンス投票の決定によりバーン(焼却)されている。

これとは別の16億8,200万aUSDは、16のAcalaアドレスに残されている。この額についても、ネットワーク復旧の前に、同様に焼却される見込みである。これらを含め、回収額は全体で、29億7,400万aUSDに達した。

一方で、外部のブロックチェーンに転送されたものなど、4,800万aUSDはまだ回収されていない。

今後の計画

今後の計画についてもチームは説明した。aUSD不正発行に関するAcalaでの取引活動、不正発行されたaUSDの流出や、外部アカウント、パラチェーン、取引所でのトークン交換などをさらに追跡し、結果を公開する予定だとしている。

オンチェーン追跡結果はAcalaのガバナンスフォーラムで公表されている。このためAcalaコミュニティメンバーは、このデータを検証し、今回の問題を解決するための提案を行うこともできる。

その他にも、流動性プールと関連する活動の分析、一時停止したプロトコルや運用の状況分析を行い、本件の概要や今後改善すべき点などをまとめた事後報告書も作成する計画だ。

コミュニティメンバーも、正常なオペレーションを再開するための提案や、流動性プールを取り扱うための提案を共同で策定することができるという。

Acalaチームは、関連するトークン用の返却アドレスも示した。不正発行されたaUSDを受け取ったり、そのaUSDを他のトークンに交換していた場合、このアドレスに送信してほしいという。また、不正発行されたaUSDと交換されたACAトークンを保有している場合の、ACAトークン返却アドレスも設けている。

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