仮想通貨市場停滞が主な理由
香港拠点の大手暗号資産(仮想通貨)企業Amber Groupが、2022年内に5%から10%の人員を削減(レイオフ)していたことが明らかになった。米ブルームバーグなどが報じた。
レイオフとはリストラとは異なり再雇用を前提とした制度。
Amber Groupは、2018年に設立された企業だ。1,000以上の金融機関や機関投資家向けに仮想通貨のOTC取引やデリバティブ取引などを提供する業界の大手で、運用資産は6,500億円に達している。
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2月には、シンガポールの政府系ファンドTemasekが主導するラウンドで260億円(2億ドル)を調達。5月には新たな資金調達の準備を進めていることも報道されていた。
在籍する人員については、2020年までは200人から300人だったが、2021年の強気相場中に、900人まで雇用を増加させていた。よって現時点では、45人から90人の人員が削減されたとみられる。
同社のTiantian Kullander共同創業者は、ブルームバーグに対してSNS「LinkedIn」のメッセージ上で、今年の人事について、5%から10%の雇用削減と推定しているとコメント。仮想通貨市場の停滞が主な理由であると述べた。
現在「優先度の低い職務の担当している人員を削減し、逆に優先度の高い職種については雇用を増加させている」とKullander氏は説明している。
OpenSeaは20%削減
弱気相場が続くのに伴い、所属する人員を整理する仮想通貨関連企業は増加している。
6月には、仮想通貨貸借サービスプラットフォームBlockFiと、取引所Crypto.comが、それぞれ人員の削減を発表。同月には、取引所コインベースも18%の人員削減を実施した。
また、取引所のGemini(ジェミナイ)は6月と7月に連続してレイオフを行っている。
NFT領域でも同様の動きが発生しており、大手マーケットプレイス「OpenSea」は、7月に従業員の20%を解雇したことを発表した。
同社のDevin Finzer CEOは、この決定をSNSで報告。当時「現実には、仮想通貨の冬時代と広範なマクロ経済の不安定さという前例のない状況の組み合わせに突入しており、市場の低迷が長引く可能性に備えておく必要がある」と説明していた。現在のOpenSea従業員数は230名だという。