はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨相場の要「CboeビットコインETF」はなぜ最有力視されるのか?徹底解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

CboeのETFが持つアドバンテージ
複数の取引所がSECに申請していたビットコインETFが棄却または延期され、市場はネガティブな反応を示している。そんな中、Cboeが申請中のETFは、他にはない様々なアドバンテージが評価されている。本命視される理由とは。
Cboeとは
シカゴ・オプション取引所(Chicago Board Option Exchange)のこと。 個別銘柄株や株式指数などの様々なオプション商品が上場されており、世界有数の取引量を誇るデリバティブ(金融派生商品)取引所として知られる。
SECとは
米証券取引委員会(SEC)は、インサイダー取引や相場操縦など不公正取引に対する「処分権限」を有しており、司法に準じる権限を持った強力な独立機関である。
ETFとは
Exchange Traded Fund (上場投資信託)の略でインデックスファンドの一種。 日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等に連動する運用成果を目指し、東証などの金融商品取引所に上場している、株式と投資信託の特性を併せ持った金融商品のこと。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

7月24日、米国証券取引委員会(SEC)は、Direxion Investments投資会社から提出された5つのETF申請について、「もうしばらく検討する時間が必要だ」とし、可否判断の延期を発表しました。

また、7月27日には、SECがウィンクルボス兄弟のビットコインETF申請を取り下げたことで、ビットコイン価格の急落を招きました。

複数の企業のビットコインETF申請が認可されなかったことに対して、市場はネガティブに反応していますが、CoinPostでは、このことが市場から本命視される「CboeのETF申請」に与える影響は軽微であると報じてきました。

そこで、この記事では、CboeのビットコインETFが持つアドバンテージを考察します。

「ビットコインETF」が重要な理由

まずビットコインETFがなぜ重要かを知ることが必要だと思います。こちらでも簡単な内容には触れますが、より詳しく知りたい方は先日公開した下記の記事からご覧いただくと、より分かりやすいと思います。

CoinPost記事

「ビットコインETF」が重要視される3つの理由|専門家は現状をどの様に見ている?
ビットコインETF上場によって、機関投資家が市場に参入するための環境整備が整う。金ETF上場後には金価格が大幅に上昇したという歴史も。また、投資家保護にも有効。一方、ビットコインETFの上場申請が認可されないと考える専門家も存在する。

簡単に解説

ビットコインETFが実現すれば、既存の上場投資信託という枠組みに入ることで、機関投資家の参入障壁となっている、国際的な規制の整備や、ビットコインを含む資産クラスの定義の曖昧さ、保有リスクなどの低減につながり、ビットコイン市場に参入しやすくなります。

また、過去には「商品」であった金(ゴールド)が金ETFとして「証券化」したことで、多くの機関投資家がポートフォリオに組み込むようになり、金価格が高騰した歴史があります。

従って、ビットコインETFの上場認可が下りるかどうかは、歴史的な資産の流れとしても、次に市場規模を拡大させる要因「機関投資家」の参入の面でも、ビットコイン価格に大きく影響を及ぼす可能性が指摘されています。

CboeのビットコインETFのアドバンテージ

シカゴ・オプション取引所(Cboe)は6月20日、SECにビットコインETFの承認申請を提出しました。

最近では、複数の企業がビットコインETFの承認申請を提出していますが、その中でもCboeは仮想通貨投資家から本命視されています。

CboeのビットコインETFには、他社にはないアドバンテージがいくつか存在します:

構成メンバー

まずCboeのETFは、 Vaneck Solidx Bitcoin Trustが構成する機関投資家向けへの商品ですが、投資家保護や必要となる保険などを、複数の企業(Solidx Management LLC、Foreside Fund Services, LLC、The Bank of New York Mellon、Delaware Trust Company)が、各分野の専門企業として参画し、ビットコインETFへ向けて動き出していることが最重要点と言えます。

CboeはすでにBTC先物取引を行っている

Cboeは2017年12月、世界に先駆けてビットコイン先物を開始しました。

Cboeには、規制が十分に整備されていなかったオプション取引を厳格なルールに基づいた取引にするために創設された歴史があります。

したがって、Cboeはビットコインの先物取引やETFを通じて、厳格なルールに基づいた仮想通貨取引の市場形成を目指していると考えられます。

SECとの関係良好

Cboeは、長年に渡り、SECと良好な関係を築いてきました。

まず1848年にシカゴ地域の安定的な穀物取引を目的として設立した、現存する世界最古の取引所として有名なCboeは、先物取引の契約の概念を開発した取引所としても知られており、米国の規制当局SECとの関係性も長いとされています。(歴史的にはCMEより長いです。)

その結果として、上述したビットコイン先物に関しても、Cboeがいち早く導入することができたと考えられます。

Cboeへのコメント数は圧倒的に多い

SECに投稿されたコメント数を見ても、Cboeへの期待度は他の取引所を圧倒していることが分かります。

SECは、申請を受けたビットコインETFそれぞれについて、投資家やビットコインに詳しい民間層からの意見を募っています。

SECのウェブサイト上に投稿されたCboeに関するコメント欄には、米投資家を中心に、すでに200に迫るコメント(意見・要望)が殺到しています。

一方、先日可否判断を延期されたDirexionのETFに対するコメント数はわずか3つであり、投資家らの期待度や認知度に大きな差があることが伺えます。

確立された指数に連動

CboeのETFは、「MVBTCO指数」に連動させる予定です。

この指数は、毎15秒ごとにビットコイン価格を算出するものになっており、SECにも評価されています。

SECは、プレスリリースで、MVBTCOについて、次のように述べています。

MVBTCOなどのプラットフォームは、AML(アンチマネーロンダリング)やKYC(Know Your Customer)の要求水準を満たす、確立したプラットフォームである。

投資家保護の徹底

Cboeで取引されるビットコインは「マルチシグネチャコールドストレージウォレット」によって管理されます。

さらに、このコールドウォレットのバックアップを、米国の幅広い地域に分散させる方針を示しています。

保管しているビットコインには保険もかけられ、最終的には「保管されているビットコインの全額分の保証体制」を目指しています。

このように、大規模で厳重な管理を行い、投資家保護を徹底していく方針が示されています。

VanEch社、SECの懸念点に対する見解

上記では、CboeのETFの特徴を述べてきましたが、これからはSECのETF懸念材料に対する、CboeETFのメンバーVanEckの見解を元に考察します。

投資管理会社のVanEckは、ビットコインETF(exchange-traded funds)に関してのSEC(米国証券取引委員会)の懸念点に対し、ウェブサイト上で公開された文書内で見解を述べています。

投資管理部門ディレクターのDalia Blass宛の文書では、5つの懸念点が指摘されていました。

価値判断、流動性、保護、アービトラージ、潜在的改ざんの5点です。

1:価値判断

この問題点については、Van Eck社は、資産の投資プロファイルを作る際に先物を利用するのは一般的な慣習のため、先物が中心となるビットコインETFにとっては目新しい問題ではないと考えている、と述べています。

さらにVanEck社は、現在100種類以上の通貨が、先物取引を主とする米国取引所に上場されている現状で、そのような取引の価値判断は、うまく成り立っている慣習であると述べています。

同社は、CboeとCMEの価格で十分に適切なETFのNAV(純資産価値)を判断することができると考えています。

2:流動性

提示されたETFの流動性に対する懸念については、VanEck社はビットコイン市場は高い流動性を持つ市場の一つと指摘しています。

また、ビットコイン先物市場は、CboeとCMEの総取引量は2億ドル(約220億円)まで登っているビットコイン現物取引市場に対しても効果があると指摘しています。

3:保護対策

次は保護についてです。

VanEck社は、ETFは完全に安定したビットコイン取引に投資するつもりはないと、述べていますが、同社は市場参加者と共に、直接的な保護の要求を満たすことに従事する可能性はあります。

その取り組みが実現可能である限り、事実上、現状維持だと述べています。

4:アービトラージ

アービトラージ(さや取り引き)については、VanEckの文書では、多様化し、分散化した性質を持つビットコイン取引活動は、取引所間で価格差を利用したアービトラージを可能にすると主張されています。

VanEck社の見解では、ビットコイン市場は金鉱株や同等の株式に比べて、そこまで不安定なものではないとしています。

文書の引用:

私たちは、ビットコイン先物市場のボラティリティと現在の出来高が、有力な市場参加者による「創造と救済(creation and redemption)」を抑制することはなく、これらの創造と救済が、ETFの市場価格とその純資産価値の歩調を合わせ続けてくれると信じている。

5:潜在的改ざん等のリスク

VanEck社は、米国取引所で取引される規制された商品としての性質により、改ざんなどのリスクは圧倒的は軽減されていると考えているようです。

文書からの引用:

「誰しもが、市場の根本的な部分で起きる”改ざん”を排除することはできない。

しかし、多様化した所有権や取引の出来高があるため、私たちは、深刻な構造的な脆弱性が市場に生まれたりはしないと信じている。

したがって、SECが規制を強化していくことで、根本的には健全な市場内の危険因子の数を減らすことができる。」

CoinPostの関連記事

ビットコインETF認可が金ETF相場を踏襲する場合、500%暴騰の可能性を示唆|TotalCryptoが分析結果を発表
仮想通貨専門家であり、トレーダーのTom Alford氏が運営する、仮想通貨情報サイト、TotalCryptoで公開された分析にて、米証券取引委員会(SEC)がビットコインETFを認可した場合、実に300日間で+500%という驚くべき価格の暴騰につながる可能性があるという調査結果が報告された。
規制当局SECとCFTC関係者が、ビットコインETF認可の可能性を示唆|TheICOJournalが報道
仮想通貨情報メディアTheICOJournalが、SEC、CFTCの情報筋の見解として、Cboeが提出した「ビットコインETF」が年内実現の見通しであると報道した。申請の可否は世界各国から高い関心と期待を集めている。
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/24 木曜日
14:00
メルカリ、XRPを三つ目の取り扱い銘柄に 仮想通貨取引サービスで
メルカリ子会社のメルコインがXRP取引サービスを4月24日より開始。メルペイ残高やポイントで1円から購入可能。既存のBTC・ETH取引に加え第三の選択肢も提供。
13:47
バイナンス、ALPACAなど4銘柄を5月2日に上場廃止へ 価格急落
バイナンス(国際版)がALPACA、VIB、PDA、WINGの上場廃止を決定。対象銘柄は最大28%下落し、市場に影響を与えている。廃止理由や各通貨の概要も解説。
13:15
東電関連企業GGGとDEAが共創、Web3×地域観光×市民参加型ゲームでインフラ保守の未来を切り拓く
ゲーム関連のDEAと東電らの関連会社であるGGGが合弁会社「Growth Ring Grid」を設立。「インフラの民主化」をテーマに、ゲーミフィケーションとWeb3技術を活用した参加型社会貢献ゲーム「PicTrée(ピクトレ)」の社会実装を拡大。
12:45
ライオット、コインベースとビットコイン担保で142億円の融資契約を締結
マイニング大手ライオット・プラットフォームズがコインベースと1億ドル上限のBTC担保融資契約を締結した。また、ビットコイン購入戦略も取っており、19,223BTCを保有している。
12:09
ビットコインETFに過去最大級の資金流入、純資産総額1000億ドルの大台に
トランプ関税ショックの懸念後退に伴い、ビットコイン現物ETFに過去最大級となる9.3億ドル/日が流入。純資産総額は1000億ドルの大台を突破した。コインベース幹部は『個人投資家が撤退する中、政府系ファンドや機関投資家がインフレヘッジとして積極採用』と市場構造の変化を指摘する。
11:20
ビットコインの比較的低ボラティリティが企業採用を促進=ブルームバーグ・インテリジェンス
ブルームバーグ・インテリジェンスは、株式市場より低いビットコインのボラティリティが企業によるBTC採用を促進する可能性を指摘。現在Strategyが53万以上のBTCを保有し企業保有量トップ。新会計ルール導入を前に企業の姿勢に注目が集まる。
10:05
ステーブルコインの普及狙い、ペイパルがPYUSDで年率3.7%の利回りサービス開始予定
決済大手ペイパルが、ステーブルコインPYUSDで年率3.7%(予定)の利回りプログラムを米国ユーザー向けに提供開始予定だ。PYUSDは加盟店での決済などにも使用できる。
09:35
Web3サッカーゲーム「FIFA Rivals」、6月に正式にローンチへ
Mythical Gamesは、Web3サッカーゲーム「FIFA Rivals」のローンチスケジュールを発表。5月に地域を限定してプレリリースを行い、6月に世界規模でローンチするとしている。
08:50
ビットコイン急反発、トランプの手のひら返しに反応|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは、トランプ米大統領がFRBパウエル議長の解任発言を撤回したことや、対中関税に対しても緩和姿勢を示したことが市場に好感され、米株価指数と連動するかたちで上昇した。
08:25
イーサリアムの価格動向分析 潜在的売り圧水準やETF資金流入反転などに注目
仮想通貨イーサリアムの価格動向についてグラスノードが次の売り圧(供給壁)の可能性を指摘。機関投資家のETF資金流入再開と大口投資家の大量購入、さらにヴィタリックによる最大100倍の性能向上をもたらす「RISC-V」提案が注目を集めている。
07:45
イーロン、業績低迷でDOGE省の関与時間を大幅縮小 テスラはビットコイン保有を継続 
テスラは25年3月末時点で仮想通貨ビットコインを11,509BTC保有しており、これは1,550億円に相当する。同社のビットコイン保有戦略も投資家からの注目度が高い。
07:20
ロシア中央銀行、『高度な適格投資家限定』の仮想通貨取引所を開設へ
ロシアの中央銀行と財務省が「高度な適格投資家」限定の仮想通貨取引所を開設予定。1億ルーブル以上の投資資産または年収5,000万ルーブル以上の富裕層のみが利用可能。プーチン大統領指示による実験的法的制度の一環である。
06:55
コインベース株に30%上昇余地か、ベンチマークが規制環境改善を背景に強気見通し
投資銀行ベンチマークがコインベース株のカバレッジを開始し、252ドルの目標株価を設定。ステーブルコイン法案の成立見込みなど規制環境の改善が仮想通貨最大手の成長を後押しするとの見方を示す。
06:10
42000BTCのビットコイン保有予定、ソフトバンクら出資の「21キャピタル」が世界3位の保有規模で設立へ
ソフトバンクグループとテザーの支援を受ける新会社「Twenty One(二十一)」は4.2万ビットコインを保有して設立へ。ジャック・マラーズCEO率いる同社は1株あたりのビットコイン保有量最大化を使命に、SPAC経由で上場を目指す。
06:00
仮想通貨トランプ(TRUMP)は「どこで買える?」買い方を初心者向けに解説
ソラナで発行されたトランプ大統領公式ミームコイン『TRUMP』について初心者向けに詳しく解説。Phantomウォレットやソラナ系DEXでの買い方、投資リスク、今後の見通しまで説明しています。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧