仮想通貨決済の選択肢を
ロシア財務省の金融政策部門のトップIvan Chebeskov氏は、同省作成のデジタル通貨規制法案では、暗号資産(仮想通貨)で国際決済を行うことができる選択肢を企業に与えるべきとの見解を示した。同国の情報に精通したメディア「Interfax」が19日に報じた。
Chebeskov氏は今回、規制方法は政府間では完全には明確にはならないとし、企業に仮想通貨決済を行う機会を与えてしまった方が良いと主張。
どの銘柄を利用するか、どの国と決済を行うか等は企業に任せるとの考えを示した。また財務相は、国際貿易における決済利用は、デジタル資産やデジタル通貨が提供できる可能性の一部に過ぎないと考えているともChebeskov氏は語っている。
マイニングについては、別枠で規制を議論していると説明。デジタル通貨の規制について財務相と中央銀行は異なるビジョンを持っているが、マイニングについては比較的、同様の考えであるとした。
Chebeskov氏はデジタル通貨の規制は2022年内に、一定の結論が出ることを望んでいると述べている。露首相が年内に規制案を提示するよう求めているとし、「我々は今、再度議論を活発に行っている」とした。
マイニングとは
ビットコイン(BTC)など、コンセンサスアルゴリズムにプルーフ・オブ・ワーク(PoW)を採用する銘柄の取引を検証・承認すること。マイニングに成功すると見返りとして報酬が得られる。
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ロシアの動向
ウクライナ侵攻に伴う制裁を受け、ロシアを巡っては最近、国際貿易決済に仮想通貨を利用する可能性があるなど、デジタル技術の活用に向けて加速している様子が伝えられていた。
一方で、規制しつつも仮想通貨を認可したい財務省と、禁止したい中央銀行とで意見が合わないなど、これまで法整備がなかなか進まない状況も報じられている。しかし最近では、各国からの制裁を受け、国際貿易に仮想通貨を合法的に利用できるようにしないと国際貿易が行えなくなるという認識で、財務省と中銀は一致していることが明らかになっている。
今回Chebeskov氏が語ったのはあくまで財務相の規制案。同国ではこれから規制の枠組み構築に向け、各組織間で議論が続く模様だ。