Web3の未来を推進
大手暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスは22日、「Binance Global Advisory Board(GAB)」という諮問委員会を設立したことを発表した。
GABの目的は、Web3の未来を推進すること。具体的には、業界が発展するにつれてバイナンスが直面する規制の問題や政治的・社会的課題について、専門的な助言を行う。このタイミングでGABを設立した理由について同社最高経営責任者のCZ氏は、仮想通貨が一般の人々に急速に普及し始めており、今が転換点にあるからだと説明した。
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— Binance (@binance) September 22, 2022
バイナンスのビジョンは「世界中でお金の自由を促進すること」。そして、デジタル資産は、このビジョンを達成するための手段を与えてくれると同社は考えている。GABは、このビジョンを達成するためにCZ氏が設立。メンバーは、CZ氏と11名で構成した。
CZ氏はこれまで様々な領域のリーダーや規制機関、企業と関わり、多くの知見を得て来たが、一人の能力には限界があると感じていると説明。そのためにGABを設立し、多くの価値を提供してもらおうと考えたという。
11人のメンバーは米国、フランス、韓国、南アフリカ、ブラジル、ドイツ、英国、欧州など、様々な国・地域から選出した。メンバーの肩書きも様々で、米オバマ政権時代の幹部も務めたDavid Plouffe氏や、新開発銀行やゴールドマンサックスなどの金融大手で幹部を務めた南アフリカのLeslie Maasdorp氏らが所属する。
他にも議員経験者や中央銀行出身者も参加。バイナンスによれば、公共政策や政治、金融、経済、企業統治の専門家らを集めたという。GABの委員長は、米国で上院財政委員会のトップや駐中国大使を歴任したMax Baucus氏が務める。
CZ氏は、高水準のメンバーを招集したことは「バイナンスが規制機関と信頼し合える、協力的な関係を築こうとしていることの証明である」と主張。業界を主導する責任感を持ち、規制やコンプライアンスの枠組みを確立しようとする規制機関のサポートもしていきたいと述べた。
バイナンスの規制対応
バイナンスに対しては特に2021年、日本の金融庁など世界の多くの規制機関から厳しい監視の目が注がれた。しかし、事業認可を得ていないと警告を受ける一方で、グローバルに規制対応しようと取り組んでもいる。
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先月には、カザフスタンの金融規制当局であるアスタナ金融サービス局(AFSA)から原則的(In-Principle)なライセンスを取得したことを発表。原則的な承認であるため、本格的なサービス提供にはまだ最終的な認可が必要となるが、カザフスタンのアスタナ国際金融センター(AIFC)で仮想通貨取引所とカストディサービスの提供が可能になる見込みだという。