はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用
CoinPostで今最も読まれています

米CFTC、Ooki DAOを規制違反で訴える

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

レバレッジ取引プロトコルとDAOに対する訴訟

米商品先物取引委員会は22日、暗号資産(仮想通貨)のレバレッジ取引を提供していたbZeroXおよびその創設者、また関連するDAO(自律分散型組織)を相手取り、カリフォルニア州の地方裁判所に訴えた。

CFTCによると、同社やその事業を引き継いだ「Ooki DAO」は、先物取引業者としてライセンス登録することなく、仮想通貨のレバレッジ・マージン付き商品取引を違法に提供していた。

また、本来登録事業者に求められる銀行秘密法遵守プログラムの一環である、顧客身元確認プログラムの導入を怠っていた形だ。CFTCは、bZeroXとその創設者2人に対して、約3,600万円(25万ドル)の罰金と、規制違反となる事業の停止を要求している。

経緯

訴状によると、2019年6月から8月頃まで、被告はブロックチェーンベースのプロトコルを構築して、レバレッジ商品取引などを提供していた。

bZeroXは2021年8月23日頃、当該プロトコルの支配権をbZx DAOに移し、その後DAO名を変更。現在Ooki DAOとして事業を行っている。Ooki DAOは、bZeroXと全く同じ方法でプロトコルを運営し、同様に法律違反を続けている。

CFTCは「DAOに経営権を移管することで、米国商品取引法などの規制に平然と違反することを可能にした」と指摘した。

DAOとは

自律的に機能する分散型組織を指す。「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。

▶️仮想通貨用語集

CFTCのロスティン・ベーナム委員長は、「CFTCの執行チームは、(デジタル資産という)成長市場に関する多くの懸念事項と関わるこのプロトコルを追及した」と述べている。

また、執行部門長代理のグレチェン・ロウ氏は次のようにコメントした。

今回の措置は、急速に発展する分散型金融環境において、顧客を保護するための幅広い取り組みの一環である。

米国の小売顧客に提供されるデジタル資産のマージン取引、レバレッジ取引、融資取引は、すべての法令に従って適切に登録・規制された取引所で行わなければならない。こうした要件は、DAOだけでなく、従来型の事業体にも同様に適用される。

Ookiに関しては、そのネイティブトークンであるOOKIが8月に米コインベースに上場した。

関連米コインベース、OOKI上場へ

CFTC内部から批判の声も

一方で、今回の動きについてはCFTC内部から批判もある。サマー・マーシンガーCFTC委員は、事前にガイドラインを提供していない状態で「法的執行による規制」を行っているとして意見を表明した。

マーシンガー委員は、bZeroXやその創設者らの法律違反について責任を問うことには賛成している。その一方でCFTCが、被告の創設者2人には、Ooki DAOの議決権付ガバナンストークンを有しており投票に参加したことを理由として、Ooki DAOが行う事業の責任を負わせていることには反対した。

こうしたアプローチでは、たまたまある投票に参加したDAOのトークン保有者が法的責任を問われ、参加しなかった別の保有者は責任を問われないことになりかねない。また、DAOのガバナンス投票への参加意欲も削いでしまうものとなる。

DAOをめぐる法的枠組みは未整備

DAOは、比較的新しい組織形態であり、それを巡る法律も整備されていない。米国ではワイオミング州が唯一、2021年7月にDAO法を施行して法的根拠を与えている。

DAOは、メンバーの投票に基づき、組織の決定が民主的に行えることなどの利点があるが、ブロックチェーンに関連する判例がほとんどなく、紛争を解決するための法的枠組みも未整備であるなどの点が懸念されている。

関連米国でのDAOを巡る法的論点とは|Gamma Law寄稿

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
07/01 火曜日
16:00
UXLINKが実現目指すWeb3の大衆化、CEOが語る成長戦略|WebXスポンサーインタビュー
5500万人のユーザーを擁するWeb3成長支援プラットフォーム「UXLINK」。WebX 2025への参加を控え、同社CEOが日本市場への期待を述べた。
14:49
日本初の仮想通貨建てクレジットカード「Slash Card」が登場 β版の事前登録開始へ
日本初の暗号資産建てクレジットカード「Slash Card」がβ版の事前登録を開始する。米ドル連動型ステーブルコインUSDC担保サービスで物理・バーチャル両対応。ソラナやイーサリアムなどマルチチェーン互換性とトークン還元リワードを特徴とし、Web3技術を現実世界の決済に橋渡しする。
13:30
ビットコイン需要減少で市場脆弱性指摘、イーサリアム大口投資家は巨額含み損で売却継続=アナリスト
Cryptoquant分析によると、ビットコインのオンチェーン需要指標がマイナス転換し短期調整リスクが高まる。一方でETH大口投資家は3週間で9万5313ETHを償還、4260万ドルの含み損を抱える状況。
13:05
トランプ家支援のAmerican Bitcoin、約320億円調達でビットコイン購入とマイニング機器導入へ
エリックとトランプ・ジュニア氏が支援するビットコインマイニング企業American Bitcoinが2億2000万ドルを調達。ビットコイン購入とマイニング機器導入に充当予定。
12:00
金融庁、ステーブルコイン健全発展のための報告書を公表 不正リスクや今後の課題を分析
金融庁が仮想通貨ステーブルコインの健全な発展に向けた報告書を公表した。不正利用の実態と今後の規制課題を分析調査する内容だ。
11:05
取引所BybitとKraken、ソラナ基盤トークン化株式「xStocks」を190カ国で提供開始
世界第2位の仮想通貨取引所BybitがBacked社のトークン化株式サービス「xStocks」を取り扱う。Apple、Amazon、Microsoft等60銘柄超をソラナブロックチェーン上で24時間365日取引可能に。
10:40
トランプ氏関連のミームコイン「TRUMP」、口座開設キャンペーンで配布へ
ドナルド・トランプ氏が公認とされるミームコイン「TRUMP」がもらえるキャンペーンがBITPOINTで7月末まで開催中。特典内容や条件を詳しく解説します。
10:20
国内Web3関連企業BACKSEAT、組み込み型Web3体験でブロックチェーン社会実装目指す
BACKSEAT株式会社が第三者割当増資により累計14億円の資金調達を完了。Spiral CapitalとHeadline Asiaが共同リード投資家として参画し、組み込み型Web3体験の実現に向けサービスローンチを本格化。
10:02
ロビンフッド、トークン化した米国株やETFの取引サービスを欧州で提供
仮想通貨などの投資アプリを提供するロビンフッドは、トークン化した米国の株やETFの取引サービスをEUユーザー向けにローンチしたと発表。独自ブロックチェーンを開発していることも明かした。
09:55
テキサス州、戦略的ビットコイン準備金設立に続き「金・銀」を法定通貨として認可
テキサス州のアボット知事が金・銀を日常取引の法定通貨として認可する法案に署名。戦略的ビットコイン準備金設立法案も成立し、米国初の大規模な貴金属・仮想通貨政策を実現。
09:40
ビットコインマイニング難易度が7.5%低下 米テキサス州猛暑が影響か
仮想通貨ビットコインのマイニング難易度が約7.5%低下した。米テキサス州の猛暑による電力制限が主要因と指摘されている。6月中旬にハッシュレートも下落していたところだ。
09:15
ナスダック上場企業SRM、140億円のトロン財務戦略完了でTRXをステーキング
フロリダのテーマパーク向け記念品製造企業SRM Entertainmentが、1億ドルのTRON財務戦略の一環として3.65億TRXをJustLendにステーキングした。年率最大10%のリターンを目指す。
08:55
ドイツ最大手銀行グループ『シュパーカッセ』、2026年夏に個人向け仮想通貨取引開始へ=報道
ドイツ最大の銀行グループSparkassenが方針転換し、個人顧客向けビットコインなど仮想通貨取引サービスを2026年夏に開始予定。EU規制整備を背景に3年ぶりの決定となる。
08:10
SEC、ビットワイズ・イーサリアムETFのステーキング承認判断を延期
米証券取引委員会がビットワイズ社申請のイーサリアムETFのステーキング機能追加提案の承認判断を延期。投資家保護と公正な市場慣行への適合性について追加審査を実施中。
07:45
サークル、米国でナショナル・デジタル通貨銀行設立を申請
米ステーブルコイン発行企業サークルが米通貨監督庁にナショナル・トラスト銀行設立を申請。承認されればUSDC準備金の自己管理と機関投資家向け仮想通貨カストディサービス提供が可能に。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧