モスクワ証券取引所、デジタル資産取引を可能にする法案を起草

デジタル資産を扱えるようにする法案

ロシアの証券取引所最大手モスクワ証券取引所(MOEX)は、同取引所がデジタル金融資産(DFA)と、それに基づく証券を扱えるようにする法案を起草している。地元メディアが報じた。

取引所監督委員会のセルゲイ・シベツォフ委員長がBanking Russia-21st Centuryフォーラムで記者団に語った格好だ。法案の提出権限を持たないロシア中銀に代わって、MOEXが法案を作成していると伝えられる。

現在ロシアでデジタル金融資産は、発行者に対する債権、非公開株式会社の資本参加権、持分証券に対する権利(譲渡請求権を含む)などを表わすものとして法律で認められているところだ。債権、有価証券、商品など、複数の資産によって担保される場合もある。

また、暗号資産(仮想通貨)のような技術特性も持っており、ブロックチェーンネットワーク上のトークンの一種として、スマートコントラクトでプログラムすることも可能だ。

シベツォフ委員長は、法案はMOEXが2つの方法でデジタル資産市場に参入することを可能にすると説明。まず1つ目は、デジタル資産証書を発行し、それを有価証券として取引できるようにすることだ。これにより、ユーザーは使い慣れた形でデジタル資産を扱うことが可能になるとした。

2つ目は、デジタル金融資産そのものを直接発行すること。委員長は「MOEXとその子会社は規制当局に申請し、承認されれば、そうした資産の取引所運営者の地位を得ることができるだろう」と続けた。

シベツォフ委員長は、法案について次のように説明した。

私たちは市場参加者が、ブロックチェーンとカストディのどちらに資産を預けるか選択できることを望んでいる。

法律が成立すれば、ロシアの預託期間はブロックチェーン口座にデジタル資産を保管できるようになる。顧客が原資産を必要とする場合には、すぐに証書をデジタル資産へと償還してブロックチェーン口座で管理することも可能だ。

現在、ロシア中銀が法案の内容を検討しているところであるとも話した。

カストディとは

投資家の代わりに資産を保有・管理することを指す。仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。

▶️仮想通貨用語集

最大手銀行もライセンス取得

ロシアでは2020年7月に「デジタル金融資産関連法」が承認され、2021年1月から施行されている。今年2月には、ロシアのトークン化プラットフォームAtomyzeが、デジタル資産発行のための事業者として最初にライセンス登録した。Atomyzeは金属をトークン化する企業である。

さらに3月には、ロシアの最大手銀行であるロシア貯蓄銀行(ズベルバンク)がライセンスを取得し、ブロックチェーン上でデジタル金融資産を発行・取引できる体制を整えた。

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仮想通貨についても積極姿勢

ロシアは仮想通貨の採用についても積極的な姿勢を示している。

22日にはロシアの財務省と中央銀行が、仮想通貨を国際決済に利用できるようにする法案に概ね合意したことが報じられた。ロシアでは、仮想通貨を認可したい財務省と禁止したい中央銀行の間で意見の対立がみられてきたが、ウクライナ侵攻に伴う経済制裁を受けて状況が変化している模様だ。

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