はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

米議員、仮想通貨取引所のセーフハーバー法案を提出

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨取引所に保護措置を提供

米国のビル・ハガティ上院議員は9月29日、「2022年デジタル取引明確化法案」を米議会に提出した。暗号資産(仮想通貨)取引所を米証券取引委員会(SEC)による法的措置から守るセーフハーバー制度の導入を提案する。

さらに、デジタル資産の明確な分類や、既存の証券法の下で適用可能な要件についても盛り込んでいる。

セーフハーバー制度は既存の法律に加えて、違法とみなされない行為を明確化する法規定。読解が困難な法律など、規制の明確化が必要な際に導入される。

共和党所属のハガティ議員は、デジタル資産に関する規制が明確でないために、企業は関連規制が明確な海外市場へ移転するという選択も視野に入れざるを得ない状況にあると指摘。法案の意義について、次のように説明した。

規制の不確実性は、米国での投資や雇用創出を妨げており、デジタル資産という変革をもたらす技術分野において、この重要な時期に、米国がリーダーシップをとることを危うくしている。

今回の法案は、デジタル資産の仲介事業者が切望していた確実性を提供し、現在、米国の仮想通貨市場の成長や流動性を妨げている参入障壁を取り除くための重要なステップだ。

規制方針が不透明な状況

ハガティ議員が説明するように、現在米国では仮想通貨に関する規制が明確ではない。特に、米証券取引委員会(SEC)は、証券にあたる仮想通貨を監督しているが、何が証券にあたるか明確なガイドラインを提供していないと批判されてきた。

SECは、様々な仮想通貨プロジェクトに対して「未登録証券を提供した」として訴訟に踏み切っている。SECのゲーリー・ゲンスラー委員長は9月にも、「仮想通貨の大半はハウィー(Howey)テストに基づく投資契約」にあたるという認識を再確認している。

しかし、この根拠についてはSECの投資家諮問委員会メンバーなどから疑問の声も上がっていた。3月まで諮問委員会のメンバーを務めていた、J.W.ベレット氏は1月、SECによるハウィーテストの解釈は「戦略的に曖昧」なものであり、「投資契約」の定義に関する最高裁の文言から大きく逸脱するものだと批判している。

投資家諮問委員会は、規制の優先順位、証券規制、投資家保護その他の政策についてSECに提言する組織である。

関連米SEC諮問委員会メンバー、仮想通貨規制でパブコメ募集を要請

ハウィーテストとは

ハウィーテストとは、米国で特定の取引が「投資契約」という証券取引の定義の一つに該当するかどうかを判定するテスト。W. J. Howey社に対する証券取引委員会の訴訟事件に由来する。このテスト自体に法的拘束力はないが、SECはこのテストを根拠に複数のICO(トークン販売)に対して訴訟を起こした経緯がある。

▶️仮想通貨用語集

SECとCFTCの監督権限

さらに、SECが証券にあたるものを規制するが、先物など商品(コモディティ)に該当するものは米商品先物取引委員会(CFTC)が担当していることも、状況を複雑にしている。

多くの仮想通貨を有価証券として取り締まることを図るSECと、コモディティにあたるものを規制するCFTCの間で、水面下の監督権限争いが続いている状況だ。これまでのところ、CFTCはSECよりも仮想通貨に肯定的な傾向を示してきた。

ゲンスラーSEC委員長は9月、ビットコイン(BTC)など証券に分類されない仮想通貨の監督権限については、CFTCへ付与することを支持する考えを示している。だがその一方で、「大半の仮想通貨は証券に該当する」との考えも維持する形だ。

ゲンスラー氏は、プルーフ・オブ・ステーク(PoS)プロトコルを基盤とする仮想通貨は、すべて証券である可能性が高いとの考えも示している。その際、銘柄名は特定していなかったが、PoS移行後のイーサリアム(ETH)もSECの規制対象になることを示唆したのではないかとして注目を集めた。

関連米SECゲンスラー委員長「PoS系仮想通貨が証券該当の可能性」

米上院ではCFTCの仮想通貨監督権限を強化する法案も提出されているところだ。

CFTCのロスティン・べナム委員長はこの法案を支持すると発言。もしCFTCが仮想通貨の規制整備を主導するようになれば業界に大きなメリットがあり、投資家の流入によりビットコイン価格が2倍になる可能性もあると主張した。

関連米CFTC委員長「仮想通貨の規制整備でビットコイン価格は2倍になる可能性」

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08:15
米政権、海外仮想通貨口座の税務報告規則を審査中
米ホワイトハウスが海外仮想通貨口座に関する税務報告規則案の審査を開始した。国際的な仮想通貨資産報告枠組みCARFへの参加を実現し、租税回避を取り締まる狙いだ。
07:45
グレースケールのドージコインETF、11月24日取引開始見通し 新たなソラナETFも上場
グレースケールのドージコインETFが11月24日にも取引開始となる見通しだ。ヴァンエックは17日にソラナETFの提供を開始した。
07:10
仮想通貨投資商品、先週の資金純流出額が2月以降最大規模
仮想通貨投資企業CoinSharesは、ETFなどのデジタル資産投資商品全体の先週における資金フローは約3,100億円超の純流出だったと報告。今回もビットコインとイーサリアムが流出を主導した。
06:55
ビットコインの25%下落は「浅い調整」と米投資銀行が分析、トム・リーはイーサリアムのスーパーサイクルを予測
投資銀行バーンスタインがビットコインの約25%下落は大幅な下落の始まりではなく短期的な調整だと分析した。ビットコインETFの機関投資家保有率は2024年末の20%から現在28%に上昇。
06:25
95%のビットコインが採掘済み、2140年に完全流通へ
ビットコインのマイニング済みコイン数が1,995万BTCを超え、固定上限2,100万BTCの95%に達した。残りの5%は極めてゆっくりと放出され、2140年頃に最後の端数が採掘される見込みだ。
06:00
ビットコインが今年の上昇分を帳消しに、新規投資家が14.8万BTC損切り 流動性悪化と日本債券ショックも影響か
ビットコインが約7カ月ぶりに9万3,000ドルを下回り、2025年の上昇分をすべて失った。新規投資家が14万8,000BTCを損切りし、流動性逼迫も下落要因となっている。
11/17 月曜日
20:08
暗号資産の金商法移行が本格化、分離課税実現へ最終局面=ブロックチェーン議連
金融庁が暗号資産を金商法に位置づけ、インサイダー取引規制を整備する方向を明示。業界団体は20%申告分離課税を要望。来年の通常国会での法整備を目指す。第31回ブロックチェーン推進議員連盟で議論。
17:41
IG証券、仮想通貨ETF CFD取引を終了へ 金融庁の新指針受け
IG証券が仮想通貨ETF CFD取引の終了を発表。金融庁が「望ましくない」との見解を示したことを受け、12月1日から新規建て停止、2026年1月末までに既存ポジションの決済が必要に。
16:43
ステーブルコイン取り付け発生ならECB金利再考も、オランダ中銀総裁が警告=FT報道
欧州中央銀行の政策委員がステーブルコインの取り付け騒ぎ発生時にはECBが金融政策見直しを迫られる可能性があると警告。米ドル建てステーブルコインの急拡大が欧州の金融主権に及ぼすリスクについて、ECB当局者や専門家の懸念が高まっている。
14:32
ハーバード大のビットコイン投資が急増 IBIT保有を前期比257%拡大
ハーバード大学がブラックロックのビットコイン現物ETF(IBIT)保有を257%増加し、685億円相当を保有していることが明らかになった。これによりIBITがポートフォリオ最大の銘柄となった。
12:15
金融庁、資金調達目的の暗号資産発行者への情報開示義務化へ=報道
金融庁は資金調達型暗号資産発行者に年1回の情報開示を義務化する方針。金融審議会では継続開示の必要性や頻度をめぐり議論が展開。ICO・IEOの構造的課題も指摘され、2026年の金商法改正案に盛り込まれる見通し。
11:40
デッドクロス形成のビットコイン、市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」水準で推移
ビットコイン急落に伴いテクニカル指標は弱気のデッドクロスを形成している。FRB利下げ期待の後退を受け、投資家がリスク資産から安全資産へシフト。市場心理は「極度の恐怖(総悲観)」を示す水準まで悪化した。デリバティブ清算が連鎖しETF大規模償還につながったが、専門家は感謝祭後の回復を予測している。
11:30
「ビットコインは底値圏に達した」金融大手JPモルガンのアナリストらが見解
JPモルガンが、仮想通貨ビットコインの価格を生産コストの観点から分析。底値に到達したとの見解を示している。同社はビットコインの目標価格を17万ドルとしている。
10:45
カードン・キャピタル、888BTC取得完了 不動産とビットコインの融合プロジェクト
不動産投資大手カードン・キャピタルが「101 Mizner Boca Bitcoinプロジェクト」向けに888BTCの取得を完了。年内で3,000BTC超を購入し、不動産収益でビットコインを継続購入する独自の融合モデルを展開。マイクロストラテジー戦略を不動産に応用した新たな投資手法として注目を集める。
09:49
アーサー・ヘイズ、保有していたアルトコイン大量売却か 実際の価値提供が必要との意見も
著名仮想通貨アナリストのアーサー・ヘイズ氏がイーサリアムやエセナなどのアルトコインを大量売却している。専門家は4年サイクル論の終焉と実需の重要性を指摘している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧