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マージ実装から1ヶ月、イーサリアムのデフレ資産化に寄与しているXEN Cryptoとは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マージ後1か月

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)は、9月15日の「The Merge(マージ)」実装からまもなく約1か月が経過する。マージ後の新規発行量は6,946.16 ETHとなり、従来(推定348,608 ETH)比で2割程に減少したが、期待されるETH供給量の純減(デフレ資産化)には至っていない。

マージにより、イーサリアム・ネットワークのコンセンサス(合意形成)アルゴリズムが従来のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフオブステーク(PoS)へ移行した。マイニング報酬(13,000ETH/日)がゼロになり、1日のETH新規発行量はステーキング報酬(執筆時点に1,700ETH)のみとなった。

加えて、イーサリアムでは取引手数料の一部(ベースフィー)を焼却(バーン)する仕組みがあり、イーサリアム財団の公式サイトによると、想定ガス価格(16gwei)で毎日約1,600ETHが総供給量からバーンされる (1gweiは1ETHの10億分の1)ため、ETHのデフレ資産化に期待する投資家は少なくない。

関連:イーサリアムマージ後「潜在的にデフレ資産へと移行する見通し」 米ファンド パンテラが指摘

特筆すべきは、10月8日に「XEN Crypto」というプロジェクトがローンチして以降、ETH供給量が純減に転じていること。XEN関連の高額なトランザクション手数料(ガス代)が発生し、ガス代需要に応じて上下するETHバーン量が急増した。

データサイトUltra Sound Moneyによると、過去1週間に16,443.11 ETH(一日平均2,349 ETH)が焼却された。このペースは同時期のETHのPoS報酬を上回っている。

しかし、10月8日まではETH供給量は増加し続けていたため、イーサリアムがデフレ資産に転じたと評価するのは時期尚早だ。実際のところ、過去1週間に燃やされた16,445 ETHの27%以上をXEN(4,445 ETH)が占めている。XEN Cryptoの熱狂が収まれば、再びETHの新規発行量がバーン量を上回る可能性が高い。

XEN Cryptoとは

XEN Cryptoは、米グーグル社に21番目の社員として参加したJack Levin氏が立ち上げたプロジェクト。ビットコインの採掘原理をイーサリアム上で再現しており、不変のコード、プレマイニングゼロ、管理者権限が存在し無い、「ピュアマネー」を掲げている。

ポイントの一つは、最初の特定数のユニークアドレスはガス代と引き換えにXENを無料で請求できること。また、XENをステーキングするユニークアドレスに対して新規発行XENを報酬として配布する。一方でビットコインの半減期と同様に、XEN新規発行量は一定周期で減少していく。

こうした設計上、8日以降にイーサリアムのアカウントを大量作成してXEN報酬を受け取る「シビル攻撃」が発生。X-exploreの報告によると、シビルアドレスの総数は少なくとも335,000あり、参加アドレスの約80%を占めたという。

さらには、大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTX(.com)で、イーサリアムのガス代を肩代わりする仕組みを悪用するユーザーも現れた。FTXで利用可能なETHアドレスを自前のスマートコントラクトの起点として組み込み、FTX側に1,400万円(10万ドル)相当のETH手数料を支払わせる一方で、当時1,000万円(7万ドル)以上のXENトークンを自身のウォレットで受け取った。

シビル攻撃者とFTX経由の大量発行者の売り浴びせにより、XENトークンの価格は10月10日に1.7円だったが、10月14日時点に0.01円まで下落している。

XEN Cryptoプロジェクトの概要はまだ市場で十分に分析されていないが、EVM(イーサリアム仮想マシン)でのマルチチェーン展開を計画中。既にBNBチェーンではリリースされている。

関連:イーサリアム大型アップグレード「マージ」実装完了

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