ソラーレとの複数年契約を検討か
英サッカー団体「プレミアリーグ」は、NFT(非代替性トークン)による収集品をめぐり、Sorare(ソラーレ)と複数年契約を結ぶことを検討している。Sky Newsなどが報じた。
もし締結されれば、年間約51億円(約3,470万ドル)の契約となる見込みだ。プレミアリーグは今年初め、ウォレット「MetaMask」の開発元として知られるConsenSysとの契約も検討していたが、現在のところソラーレとの契約可能性の方が高まっている模様だ。
プレミアリーグは、英国最高位のサッカーリーグで、傘下の20チームとソラーレとの契約について話し合っていると伝えられる。数週間以内に、契約が正式に合意に達する可能性も浮上しているところだ。
ソラーレが提供するNFTは、サッカー選手の静止画を中心としたものになる見込みである。
ConsenSysは、過去1年間で、NFT市場の出来高や評価額が下落していることを踏まえて、低価格での契約を提供しようとしたが、ソラーレはその後、ConsenSysよりもさらに良い条件を提示したとされる。
プレミアリーグは、「NBAトップショット」などを手がけたDapper Labsとも協議していると伝えられるところだ。今年春の時点では、Dapper Labsが、動画のNFTについてはプレミアリーグと契約を結ぶのではないかと報じられていた。
NFTとは
「Non-Fungible Token」の略称で、代替不可能で固有の価値を持つデジタルトークンのこと。ブロックチェーンゲームの「デジタルアイテム」交換などに用いられるのみならず、高額アート作品の所有権証明や、中古販売では実現の難しかった「二次流通市場」における権利者(クリエイター)への画期的な還元手段としても注目を集める。
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ソラーレの動向
ソラーレは、スポーツ選手のNFTデジタルカードを取引するブロックチェーンゲームで、185か国で約200万人のユーザーを擁している。
特にサッカーとの繋がりが強く、レアル・マドリード、ユベントスなどを含め180以上のサッカー組織からライセンス供与されている。一方で、サッカー以外のスポーツチームとも提携を進めているところだ。
9月には、米ナショナルバスケットボール協会(NBA)とも公式NFTパートナーとしての複数年契約を締結した。2022年から23年の今シーズンにかけて、NBAのNFTゲームをリリースする予定だ。
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ソラーレは2021年9月、シリーズB資金調達ラウンドで約750億円を調達。ソフトバンクが主導したもので、他にAtomico、Bessemer Ventures、D1 Capital、Eurazeo、IVP、Liontreeなどが出資した。
これにより、Sorareの企業価値評価は、4,700億円超と見積もられるまでに達した。
この際、当時ソフトバンク・グループ・インターナショナルのCEOを務めていたマルセロ・クラウレ氏は次のようにコメントしていた。
ソラーレは、デジタル・コレクター商品とファンタジースポーツというエキサイティングな産業の交点に位置している。私たちは、彼らの旅程に参加できることを嬉しく思う。また、ソラーレが次の成長段階で何を達成するのか楽しみにしている。
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