はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨市場の混乱でビットコインなど大規模ロスカット、FTTは前日比80%以上暴落

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

8日の米NY株式市場ではダウが続伸。前日比333ドル(1.02%)高で取引を終えた。

注目の米中間選挙では、下馬評通り連邦議会の下院は共和党が過半数迫る勢いで躍進、民主党は劣勢にある。

上院は接戦が伝えられているが、法人税率引き上げなどの増税案や規制強化案が可決しにくくなる「ねじれ国会」が市場から好感されたほか、政治の不確実性解消を見越した買いも入ったものと見られる。

11日にはCPI(米消費者物価指数)発表を控えており、上値は限定的か。

関連:9日朝の金融市場短観|NYダウ続伸 仮想通貨市場は暴落

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン(BTC)は前日比10.8%安の18,235ドルと大幅下落。

BTC/USD日足

一時17,500ドルまで暴落するなど、年初来安値を更新した。イーサリアム(ETH)やソラナ(SOL)など、主要アルトコインも軒並み暴落している。

Messari

これに伴い、先物市場では6.8億ドル(1000億円)相当の大規模ロスカット(強制清算)が発生した。

coingalss

デリバティブ市場におけるハイレバポジションの一掃に伴い、バイナンス先物取引所のOI(未決済建玉)も大幅に減少している。

coingalss

下落の背景

本日未明にかけて、大手暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのネイティブトークン(FTT)が一時前日比86%安の2.91ドルと暴落したことでパニック売りを助長した。

背景には、米Coindeskにリークされたアラメダ・リサーチの貸借対照表(B/S)において、姉妹企業発行トークンに依存する債務超過リスクが急浮上したことがある。

6月30日時点で146億ドルの資産を保有し80億ドルの負債があったが、資産の大半は関連企業のFTXが発行するネイティブトークンFTTや流動性の低いSRM、MAPS、OXYなどのトークンだった。

さらに、最大手取引所バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOが、保有する5億ドル相当のFTTを数ヶ月間にわたって全て売却する方針を表明したことで市場が動揺。

FTXからは72時間で60億ドル相当の預かり資産の外部流出が加速するなど取り付け騒ぎの様相を呈した結果、「出金停止措置」を余儀なくされるなど重大な流動性危機に直面した。

Castle Fundsの責任者によれば、これに前後してマーケットメイカーもFTXから流動性を抜き去った。

今年6月には、ステーブルコインUST(TerraUSD)の崩壊およびテラ(LUNA)ショックの影響で、レンディング大手セルシウスや大手VCのThree Arrows Capital(3AC)などが相次いで連鎖的に経営破綻しており、同様の結末を連想させたことも投資家の狼狽売りを招いたと見られる。 

Bloomberg Terminalのデータによれば、8日時点でFTXのサム・バンクマン・フリードCEOの純資産見積もは、わずか1日で160億ドルから9億9100万ドルに減少した。FTT暴落に伴い、一夜にして資産評価額の90%以上を失った可能性がある。

バイナンスCEOであるCZ氏は9日1時、FTXからの要請を受け利用者保護のため買収の基本合意書に署名したことを発表した。

ただし、数日以内に本格的なデューデリジェンス(経営・財務状況調査)を実施した上で最終判断することになるため、白紙撤回される可能性も否めない。

The BlockのリサーチャーであるSteven Zheng氏によれば、業界2位か3位のFTX買収が実現した場合、バイナンスの市場シェアは80%以上まで押し上げられることを見込む。米国などで独占禁止法(反トラスト法)に抵触するなどした場合、業界全体の規制強化リスクも指摘される。

米商品先物取引委員会(CFTC)の広報担当者は米大手メディアのロイターに対し、米規制当局はバイナンスによるFTXの買収を監視していると語った。

関連:バイナンス、FTX買収に合意 流動性危機を支援

米最大手取引所のコインベースのブライアン・アームストロングCEOも今回の騒動に言及。

「規制ガイドラインの欠如がリスクの高い投機的な環境を助長した。事業者間の利益相反や顧客資産および自社発行トークンを担保にした借入れなど、業界の悪しき慣習が事態を招いた」などと指摘。「コインベースは、渦中のアラメダ・リサーチ及びFTXに対するエクスポージャーはほとんどない」と明言した。

また、透明性と信頼性の観点において、米国株式市場に上場するコインベースは厳格な規制に準拠したルール整備と監査された財務開示義務があり、非上場企業とは一線を画していると強調している。

関連:米コインベースCEO「FTXに対する重大なエクスポージャーはない」

関連:クリプト指標導入「CoinPostアプリ」の使い方をトレーダー目線で解説

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/04 木曜日
17:45
2026年2月17日(火)、「Digital Space Conference 2026」開催決定
一般社団法人日本デジタル空間経済連盟(所在地:東京都港区、代表理事:北尾 吉孝、以下「当連盟」)は、2025 年 2 月 17 日(火)に、大規模カンファレンスイベント「 Di…
16:49
MUFGグループ、トークン化MMFの商品化へ Progmatと協業開始
2026年に機関投資家向け提供を目指す 三菱UFJアセットマネジメント、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、三菱UFJ信託銀行の3社は4日、Progmat(プログマ)との協業を…
16:49
FRB利下げと流動性回復、2026年の仮想通貨市場に追い風か=Delphi Digitalレポート
仮想通貨リサーチ企業Delphi Digitalは、FRBの利下げ継続とQT終了、TGA取り崩し、RRP枯渇により、2026年に仮想通貨市場にとって追い風となる流動性環境が生まれると分析。ビットコインやイーサリアムなどデジタル資産に有利との見方を示した。
15:09
ランボルギーニとレジャー、限定ウォレット発表 「いつランボ買える」ミームに呼応
仮想通貨ハードウェアウォレット大手レジャーとイタリア高級車ランボルギーニが提携し、限定版「Ledger Stax」を2026年初頭に発売。フェラーリやポルシェなど高級ブランドのWeb3参入が加速する中、24万人超の仮想通貨ミリオネア増加が背景に。
13:25
米コネチカット州がロビンフッドなど3社に停止命令、無免許でスポーツ賭博提供と主張
コネチカット州消費者保護局がロビンフッド、クリプトドットコム、カルシに無免許オンライン賭博運営の停止命令を発行した。3社は州法に違反してスポーツ賭博を提供しており、利用者の資金や情報にリスクをもたらしているという。
12:26
チャールズ・シュワブ、2026年前半に仮想通貨取引開始へ 既存取引所に手数料圧力か
米大手証券チャールズ・シュワブが2026年前半にビットコインとイーサリアムのスポット取引を開始。低手数料戦略で既存取引所に圧力か。バンガードやバンク・オブ・アメリカも参入し、ウォール街で仮想通貨の主流化が加速。
11:15
メタマスク、最大1万ドルの損失を補償する「トランザクション・シールド」開始 
仮想通貨ウォレット「メタマスク」が有料補償サービス「トランザクション・シールド」を開始。対象となる取引について月額9.99ドルで最大1万ドルの損失を補償する。
11:02
NTT Digital、仮想通貨ソラナのバリデータを運用開始
NTTドコモグループのNTT DigitalがSolanaバリデータ運用を開始。Dawn Labsが技術支援を担う。国内ではモブキャストHDもソラナ財団認定を取得するなど、企業参入が加速している。
10:45
三井物産デジタルAM、デジタル証券ファンドを早期償還
三井物産デジタル・アセットマネジメントは、デジタル証券ファンド「日本橋・人形町」を早期償還し、当初予想3.0%を上回る年5.0%の利回りを達成。累計利益分配金は25億円を突破した。
10:30
「バイナンス・ジュニア」、キッズ向け仮想通貨口座導入 安全性に関する議論も
バイナンスが6~17歳向けの仮想通貨プログラム「バイナンス・ジュニア」を開始した。親の監督下でシンプルアーンによる資産運用などが可能となる。
10:26
イーサリアム保有企業購入量、ピークから80%急減 ビットワイズが指摘
ビットワイズの報告によると、イーサリアム保有企業の11月購入量は8月比81%減の37万ETHに急減。一方、ビットマイン社は12月に1.5億ドル相当を追加購入し、フサカアップグレードへの期待を示した。
10:00
スターテイルとソニーのソニューム、ステーブルコイン「USDSC」をローンチ
スターテイルは3日にソニーグループと共同で開発・運営するブロックチェーン「Soneium(ソニューム)」において、米ドルステーブルコイン「Startale USD(USDSC)」と報酬システム「STAR Points」をローンチしたことを発表した。
09:45
ビットコインが1万ドル反発、イーサリアム「フサカアップデート」好感で10万ドル視野に|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは反発の勢いを強めている。ETHの「フサカ・アップデート」を好材料とし、2日に付けた8万3,000ドル台から1万ドルの上昇を見せた。
08:55
米SECが仮想通貨含む高レバレッジETFを阻止、3倍・5倍商品の審査停止を通告
米SECが株式や仮想通貨の日次リターンを3倍・5倍に増幅するETFの審査を停止した。プロシェアーズは3倍レバレッジ仮想通貨商品を含む複数の申請を取り下げている。
08:02
アンソロピックが来年IPO検討か、評価額3000億ドル超目指す=報道
AI企業アンソロピックが早ければ来年にもIPOを検討している。マイクロソフトとエヌビディアから合計150億ドルの出資確約を得ており、オープンAIと上場を競う。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧