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今後の仮想通貨の発展を支える「4つの条件」と「条件達成による影響」とは

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仮想通貨発展のための条件とその結果
ビットコインをはじめ仮想通貨が社会の中に浸透し、発展して行くには、・ビットコインETFの承認・米国の規制整備・技術の拡張性の向上・新興国や若年層のニーズに応える、この4つの課題をクリアしていかなければならない。
ETFとは
Exchange Traded Fund (上場投資信託)の略でインデックスファンドの一種。 日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)等に連動する運用成果を目指し、東証などの金融商品取引所に上場している、株式と投資信託の特性を併せ持った金融商品のこと。

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仮想通貨の今後の発展

8月8日に、米証券取引委員会(SEC)が、CboeのVanEck ・SolidX ビットコイン ETF認可の可否判断を延長したことは、短期的に見れば、市場にとってはマイナス要因となりましたが、長期的にみると、SECの慎重な姿勢が、かえってプラスに働くのではないかとの立場をとる声も聞かれます。

米国の法律では、SECは最長で来年2月まで可否判断の延期が可能ですが、ビットコイン市場とそのエコシステムは日進月歩の勢いで進化を遂げているため、その審議期間中にインフラ構築や投資の規制環境がさらに整っていく可能性が高く、承認により有利な状況になるのでは、との見方からです。

この例のように、ビットコインをはじめ仮想通貨が社会の中に浸透し、発展して行くには、いくつものハードルがありますが、開発者や規制当局が、次にあげる4つの極めて重要な課題を解決していくことで、仮想通貨は、一般消費者をはじめビジネス間での決済手段として、広く世界で受け入れられていくことと思われます。

そして、長期的にみると、グローバルレベルでの受容の可能性の高さが、仮想通貨が他の投資資産のパフォーマンスを凌駕すると考えられる要因でもあります。

仮想通貨発展のための4つの条件と、その解決がもたらす結果

条件1:SECによるCboe ビットコインETF 承認

現在、審査中のCboeビットコインETFの申請内容は、専門家の中でも評価が高く、評価、流動性、詐欺からの保全と保管、潜在的価格操作という、SECの判断基準を満たしているのではないかと考えられています。

結果1:流動性の向上、投資家保護、革新を起こす人材の育成

SECの承認は仮想通貨の妥当性を裏付ける節目となり、また、機関投資の促進は通貨の流動性を高めます。

仮想通貨の受容が高まることで、決済の合理化が進むとともに、相互台帳の更新、記録へのアクセスの簡易化、自動契約遂行等の社会的恩恵も考えられます。

条件2:米国での包括的規制環境の整備

米ドルは依然として、グローバル投資での法定通貨トップの座にあり、アメリカの規制当局の動きは、世界中の投資家が注目しています。

結果2:投資家保護、革新性、投資環境の改善

革新を妨げることなく、且つ消費者を保護できる総合的な規制の枠組みの必要性が叫ばれていますが、そのためには、微妙な差異を考慮に入れた一連の規則と、高度な取締方法、理にかなったプロトコル、熟練した専門家が必要です。

このような複雑な方略を構築することは容易ではなく、時間もかかり、つまづくことも予想されます。しかし、最終的には、バランスのとれた包括的規制の枠組み作成を達成できるものと期待されます。

条件3:技術の拡張性を高める

既存の決済方法に勝るためには、仮想通貨の決済速度の大幅な改善が必要となります。

結果3:新たなアプリケーションの誕生、決済の合理化(速度、価格、効率)、仮想通貨決済の浸透

スケーラビリティを高めるため、ビットコインはライトニングネットワーク、イーサリウムはプラズマを開発中。

一昼夜で完成するような技術ではないものの、多くの有能な開発者がプロジェクトに関わっており、技術は進歩を続けています。

これらの技術の進歩により、新しいアプリケーションの開発につながる可能性も高いです。

デビットやクレジットシステムといった支払い方法に仮想通貨が統合されることにより、消費者やビジネスが、仮想通貨を利用しやすくなり、一般利用へ繋がっていくでしょう。

条件4:新興国、そして若い世代のニーズを満たす

現在、仮想通貨利用の成長が著しいのは、安全で信頼できる銀行システムが整っていない国や地域、また政情により、法定通貨よりも仮想通貨を利用するインセンティブの高い国々です。

結果4:仮想通貨利用の飛躍的な伸び

全世界で見ると、17億人の成人が銀行口座を持っていないと言われていますが、その3分の2は、携帯電話を所有しており、仮想通貨や他のブロックチェーン基盤の金融サービスを利用できることが考えられます。

ケンブリッジ大学の推定では、仮想通貨を決済手段として利用している人々の割合が一番高いのが、アジア太平洋地域で(38%)、次にヨーロッパ(27%)、北米(17%)、南米(14%)、アフリカ/中東(4%)と続いています。

その中でも急速に利用が進んでいるのは、次の国々だと指摘されています。

  • アジア(中国、インド、マレーシア、タイ)
  • 南米(ブラジル、チリ、コロンビア、メキシコ、ベネズエラ)
  • アフリカ/中東(ケニア、サウジアラビア、タンザニア、トルコ)
  • 東ヨーロッパ(ロシア、ウクライナ)

これらの国々の多くは、これからの人口増加も見込まれます。

そして、新興国での仮想通貨の利用増加とともに、注目されるのが、ミレニアル世代とともに、その次の世代、Z世代と呼ばれる若年層の動向です。

ミレニアル世代は、すでに投資活動を通して、仮想通貨市場に参入している大きな層を占めています。

また、1990年代後半以降に生まれたZ世代は、生まれた時からインターネットが存在していたデジタルネイティブで、新しいテクノロジーの受け入れに抵抗がありません。

その世代が、今、ティーンエージャーとなり、消費活動を始めているのです。

仮想通貨利用が飛躍的に伸びる要因として、大きな影響を与えると思われます。

以上、仮想通貨が発展するための四つの柱となる要素を見てきました。

インターネットは、個人間のデジタルコミュニケーションを可能にし、想像を超えて大きな発展を遂げました。

仮想通貨を支えるブロックチェーン技術は個人間での価値の交換を可能にするものだと言われています。

インターネットでは、熱狂的なバブルがはじけて淘汰された企業もある一方で、生き残り、世界有数の企業に成長した企業があるように、仮想通貨の中でも選ばれるもの、消え去るものはあるでしょうが、長期的な視野で俯瞰すると、生き残った通貨が、私たちの日常の生活に浸透していく未来が浮かび上がってくるのではないでしょうか。

 

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