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FTX暫定CEO、内部調査で判明したことを説明

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

内部調査の進捗状況を報告

破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの暫定CEOを務めるジョン・J・レイIII氏は12日、翌13日に米下院金融サービス委員会で証言するにあたって、その内容をまとめた原稿を発表。FTXの経営に対する内部調査の状況や、再建に向けた動きを説明した。

レイ氏は、これまでのキャリアでエンロン破綻など、様々な案件を扱ってきたが、FTXの場合ほど「組織のあらゆるレベルで、企業統制がこれほどまでに機能していない状況は初めて目にする」と再度強調。FTXにおける、不適切な企業慣行として、次のようなものがあったと指摘している。

  • 上級管理職が、顧客資産を保管するシステムにアクセスできるコンピュータを使用して、その資産を外部に転送することを防ぐセキュリティが存在しなかった。
  • 数億ドルの仮想通貨にアクセスするための秘密鍵が、有効なセキュリティ管理または暗号化なしに保管されていた。
  • アラメダリサーチがFTXの資金を、自身の資金として活用可能だった。
  • FTXグループによる約500件の投資に関する完全な文書の欠如。
  • 監査済みまたは信頼できる財務諸表の欠如。
  • 事業規模にふさわしい財務・リスク管理人材の欠如。

再建に向けた5つの目標

以上のような、これまでの不適切な慣行を把握した上で、レイ氏はチャプターイレブンに基づくFTX再建の上で、5つの中核的な目標を設定した。すなわち、「企業統制体制の構築」「資産の保護と回復」「透明性と破綻に至った状況の調査」「米国以外の地域での破産手続きとの協力・調整」「ステークホルダーの価値最大化」である。

資産の回復についてレイ氏は、「かなりの部分が、行方不明であったり、適切な記録がないために容易に追跡ができない可能性がある」が、ブロックチェーン分析企業やサイバーセキュリティ企業と協力して、回収活動を行っているところだと話した。

これまでに、約1,380億円(10億ドル)以上の仮想通貨を確保し、盗難や不正送金のリスクから保護していると説明する。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

▶️仮想通貨用語集

これまでの調査で把握したこと

レイ氏は、複雑な技術的課題や、対象とすべき膨大なデータが存在している中、現在苦心して経営に関する事実関係を調査しているところだと語った。現段階では不明な点が多いものの、これまでに以下のことが分かったとしている。

  • FTX.comの顧客資産がアラメダリサーチの取引プラットフォームの資産と混在していた。
  • アラメダリサーチは顧客資産を利用して信用取引を行っていた。
  • FTXグループは2021年末から2022年にかけて、約6,980億円(50億ドル)を費やして多くの事業を買収したが、その多くの価値は大きく値下がりしている可能性がある。
  • アラメダリサーチの事業形態では、安全ではない様々な外部取引所に資金を投入する必要があった。その中には、監督や保護が不足している地域の取引所もあったことが、事態を悪化させた。

サム氏、バハマで逮捕

13日の公聴会では、レイ氏に加えて、FTX創業者で前CEOのサム・バンクマン=フリード氏も証言をする予定だった。

公聴会では、アラメダリサーチに貸し出されたFTXの顧客資産の行方、仮想通貨市場や他の業界への影響、FTX事業と米国規制との関係などが争点となる。

しかし、日本時間13日朝、サム氏はバハマで当局に逮捕されたことが発表された。米司法省の起訴によって米国へ引き渡される可能性が浮上している。

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