仮想通貨決済の利用増
暗号資産(仮想通貨)決済プロセッサー企業CoinGateは4日、2022年にかけてeコマース分野の仮想通貨決済が急増したことを発表した。
2022年は、史上稀に見る厳しい相場となったが、決済領域での市場規模および実需は着実に増加しているようだ。
CoinGateを導入している加盟店は、2022年に92万7294件(34秒毎に1件)の仮想通貨決済を受け入れたという。年間取引件数は前年比63%増となり、2014年の事業開始以来の年間平均取引数である312,500件に対して2.7倍の規模となった。
高頻度で決済利用された暗号資産は
70以上とされるCoinGate取扱い仮想通貨の中で、ビットコイン(BTC)の使用率は48%の最大シェアを占めているが、前年に比べると7.6%減少した。
一方、不安定な市況の影響もあってか米ドルの価値に連動するステーブルコイン「テザー(USDT)」は前年度わずか2.3%から、シェアを14.6%まで伸ばした。次いで、イーサリアム(10.9%)、ライトコイン(9.6%)、トロン(5.8%)と続く。
CoinGateの新規加盟店登録件数は前年比48%増。売上高も前年比60%増加している。主にVPN(仮想プライベートネットワーク)、VPS、およびホスティングサービスプロバイダーの利用が中心だという。
仮想通貨決済を導入することで、銀行口座を持たない消費者や、プライバシーを重視するユーザーに支持を集め、実際に売上増が見込めるようだ。22年には業界大手NordVPNもCoinGateのサービスを取り入れた。
Coingateはリトアニアを本拠とし、グローバルなビジネスと個人に向けて仮想通貨の自動的決済サービスを提供する。仮想通貨と法定通貨のリアルタイム決済を実現し、加盟店を仮想通貨の価格変動から保護。API や複数のショッピングカートモジュール小売企業向けのPOSシステムを備え、CoinGate上でVisaとMastercardのクレジットカード/デビットカードによる仮想通貨購入にも対応する。
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ライトニングネットワークの成長
またCoingateによれば、2022年にライトニングネットワーク(LN)の利用が前年比97%増加した。LNはブロックチェーン外で取引を行うことで送金速度の向上を実現。主に少額決済に対応したもの。
世界で初めてビットコイン(BTC)を法定通貨化した中米エルサルバドルでは、政府がLightning Networkに対応したデジタルウォレット「Chivo」を国民に提供した。
ビットコイン決済におけるLNのシェアは21年の4.53%に対して22年に6.29%へと拡大した。LNの利用拡大について、Coingateは以下のように述べている。
2022年はライトニングネットワークにとって素晴らしい年だった。BTCの容量が1年で2倍になり、ノード数も増加しており、LNの利用面での採用が加速していることを示している。
統計データによると、ビットコインのライトニングネットワークのキャパシティ(容量)は、5,000 BTC(約113億円)に増加している。これは個別チャネルに置かれたBTC流動性の総量を指し、ネットワーク全体でより高額なトランザクションを処理しやすくなったことを意味する。
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