バイナンス上場トークンの分析
暗号資産(仮想通貨)投資家Ren&Heinrich(以下R&Hと表記)は4日、大手仮想通貨取引所バイナンスへの上場がトークン価格に与える影響を発表。分析した仮想通貨の大半が、上場後数日間で大幅な価格上昇を見せたことが明らかになった。
R&Hが、この1年半の間にバイナンスに上場した26銘柄を対象に、上場発表前後の価格分析を行ったところ、以下のような結果が得られた。
上場前後5日間のグラフ
- 上場後1日目の全銘柄の平均価格上昇率は+41%
- 3日目までの平均価格パフォーマンスは+24%
- 平均すると、仮想通貨は上場後22日間プラスで推移し、その後再びマイナスに転じた
- 上場後30日間の最高価格の平均は上場日から+73%
さらに対象となった仮想通貨の上場時期について、強気相場と弱気相場に分けて分析すると、その違いが浮き彫りになった。
たとえば、強気相場で上場した銘柄の価格は、1日目が平均+49%、3日目が平均+34%だったのに対し、弱気相場で上場したコイン価格は、それぞれ+34%と+13%となった。また上場後、価格が上場時の価格を上回った平均日数は、強気相場で18日間、弱気相場で8日間となった。
以上のような分析結果を受け、R&Hは以下のように総括している。
- ほとんどの場合、バイナンスへの上場は仮想通貨価格にプラスの影響を及ぼす
- 強い価格上昇が起こるのは、通常上場後1日目
- 価格への好影響の勢いは比較的、短期間で終わる:ほぼ半数が2週間後に上昇幅を失った。
- 2週間後に価格がマイナスとなった銘柄の大半は、弱気市場で上場していた
- 強気相場で上場した銘柄は、現在の弱気相場で上場した銘柄より良いパフォーマンスを見せている
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バイナンス効果に期待
2021年4月、仮想通貨データ分析企業のMessari社のアナリストRoberto Talamas氏が、米大手仮想通貨取引所コインベースでの銘柄新規上場が、他の大手取引所よりもより大きな価格上昇をもたらす傾向があると指摘。「コインベース効果」として、仮想通貨市場で知られるところとなった。
コインベース同様、「バイナンス効果」とも言える価格上昇の傾向は観測されているという。
仮想通貨データ分析会社Arcane Researchが、12月末に発表した2022年の仮想通貨市場の総括レポートによると、ビットコインの現物取引高の9割以上をバイナンスが占めていることが明らかになった。(12月28日時点)
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前出のTalamas氏は、「仮想通貨取引の流動性がバイナンスにより集中した現在、バイナンスでの上場が価格により大きな影響を与える可能性もある」とコメント。個人ユーザーが仮想通貨にアクセスしやすい環境を整えたことが、バイナンスの取引高上昇に繋がった一因だと見ている。
また、金融サービス会社Conotoxiaの市場アナリストGrzegorz Drozdz氏は、2022年にバイナンス上場後、価格が上昇した銘柄は3分の2に及ぶと推定した。
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