中国春節とビットコイン価格
暗号資産(仮想通貨)サービス企業Matrixportは20日、市場分析レポートを発表。中国の春節(旧正月)初日の終わりにビットコイン(BTC)を買い、その後15日経過した頃に売れば、平均で+9%のリターンが得られるとの独自見解を示している。
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Matrixportのリサーチ部門責任者Markus Thielen氏は、過去8年間(2015~2022)を見ると、すべてプラスのリターンが得られていると述べ、次のように続けた。
これは、ヒット率100%(8勝0敗)である。もし過去の履歴が何らかの指針になるなら、2023年1月22日(春節初日)にビットコインを買い、10取引日後の2023年2月1日に売れば9%高くなることになる。
ビットコインの累積平均リターンは、旧正月の初日に買うと、それから15~19日目あたりに価格がピークアウトして12%ほど上昇する傾向がある。そこで、15~19日目が適切な売却タイミングと考えられる。
もし、今年もMatrixportが提示した傾向があてはまるとすれば、2月1日までにビットコイン価格は25,000ドル(約326万円)を超えることになる。
Thielen氏は、春節によりビットコイン価格が上がる理由として、「中国は長年にわたってビットコインに大きな影響を及ぼしてきた。人々が集まれば、彼らはビットコインについても話題にする」と述べた。
中国では、2021年5月に政府が厳しい仮想通貨禁止令を発令。同年9月に中国人民銀行(中央銀行)が仮想通貨のマイニング規制を強化し、仮想通貨を交換できるすべてのサービスが刑事罰の対象になり得ると指摘した。
それまで中国は世界でもビットコインの採掘ハッシュレートシェアが最大であったが、取り締まりを機にシェアは激減した。しかし、英ケンブリッジ大学の調査から、21年9月以降にシェアが回復しており、22年1月時点では世界2位に返り咲いたことが判明している。
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ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
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上昇傾向に注意促す意見も
ビットコイン価格は2021年11月のピークから67%近く下落しているものの、今年に入ってからは好調で、これまでに38%上昇しているところだ。しかし、こうした上昇傾向に対して慎重になるよう促す意見もみられる。
I've been checking charts all this time, avoiding noise from Twitter. The way the upward movement is happening, the way htf resistances are being tested… it clearly looks manipulated, no real demand.
— il Capo Of Crypto (@CryptoCapo_) January 21, 2023
Once again, the biggest bull trap I've ever seen. But they won't trap me.
例えば、仮想通貨アナリスト・インフルエンサーのil Capo Of Cryptoは「チャート分析から見ると、上昇の仕方やレジスタンスは明らかに操作されているようにみえる」「これまでに見た中で最大のブルトラップ(強気の罠)」だと主張した。
また、英仮想通貨投資企業CoinSharesは23日、仮想通貨投資商品には先週3,700万ドル(約48億円)の資金が流入したが、大半(68%)がショート投資商品の購入であったと指摘した。