CoinPostで今最も読まれています

グレースケールCEO「投資信託GBTCの公開買付けは最終手段」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マイナス・プレミアムの解消方法

米暗号資産(仮想通貨)運用会社グレースケールのMichael Sonnenshein最高経営責任者は24日、米CNBCのインタビューで、同社のビットコイン投資信託(GBTC)のETF転換に関する法的手段が行き詰まった場合、GBTCの株式公開買付けを検討すると表明した。

GBTCはビットコインの価格と連動した投資信託。米国の非上場株式市場「OTCマーケット (OTCQX)」にリストされており、投資家は現物を売買・保有することなく、証券口座からBTCを取引可能だ。

一方、GBTCからBTCへは直接償還できない仕組みとなっており、GBTCは2021年2月以降、保有する原資産のビットコイン価格に対して、大幅な割引価格で取引されている。さらに、昨今の弱気相場によりマイナス・プレミアムは一時-50%近くに達し、投資家から償還を求める声も高まっている。

関連:ビットコイン投資信託GBTCで訴訟問題、マイナス乖離解消案巡り

グレースケールは、マイナス・プレミアムを解消するためにGBTCを現物ETFに転換する申請書を21年10月に米証券取引委員会(SEC)に提出。この転換申請が6月にSECにより却下されたことから、同社はSECを提訴した。

投資家への償還を検討するのはいつになるのかと尋ねられると、Sonnenshein氏は、GBTCは2013年の発売当初から上場投資信託(ETF)に転換することを視野に入れてきたと指摘。今でもその方針を貫いていると語った。

しかし、GBTCのETF転換に関して「SECに対する、すべての司法の選択肢を使い尽くした場合、規制当局や株主と建設的に協力して公開買付けを行うことを検討する」と同氏は明らかにした。

GBTCとは

米大手仮想通貨投資企業「グレースケール」が提供する「ビットコイン投資信託」のこと。GBTCはビットコインの価格と連動した投資信託で、一般の株式と同様に売買が可能。機関投資家や米証券取引委員会(SEC)から認められた認定投資家を対象に提供されており、投資家にとってはビットコインの現物を売買・保有しなくて良いというメリットがある。

▶️仮想通貨用語集

公開買い付け

Sonnenshein氏は、インタビューでは公開買付けの可能性について、その詳細を語ることはなかったが、昨年12月の投資家向けの書簡で「GBTCの資本の一部を株主に返還する他の選択肢の一つ」として言及している。

グレースケールは、GBTCの発行済株式総数の20%以内の範囲で公開買付けを想定しているという。公開買付けが実現するためには、SEC及び株主から以下のような承認が必要になる。

  • SEC:公開買付けに適用される一定要件の緩和(全投資家に公正な買付けとするため)
  • 株主:GBTC の信託契約の修正

Sonnenshein氏はインタビューで、公開買付けは「究極的にはあまり良い結果とはならないだろう」とコメント。その理由として、規制当局がビットコインを規制の枠組みから遠ざけることに繋がり、投資家保護にはならないと述べた。

SEC訴訟で進展

SECに対する訴訟で進展もあった。米コロンビア特別区控訴裁判所により23日、口頭弁論の審理開始日がグレースケールの予想よりも早い3月7日に決定された。

グレースケールは、今年第2四半期に口頭弁論が開始されると予想していたため、歓迎すべきニュースだとコメント。米メディアBarron’sとのインタビューでSonnenshein氏は、今年後半には裁判所の判断が下ることを期待していると述べた。

同氏は、数十億ドルの価値を引き出すために、GBTCをETFに転換するためSECの認可を得ることが、株主にとって最も現実的な道だとの主張を繰り返している。

規制当局としてのSECの本当の役割は、投資家に何に投資すべきかを指示することではなく、投資家が関連リスクの理解を深め、自身で判断できるように適切な情報開示を促すことだ

訴訟では、米デジタル商工会議所や大手取引所コインベース、ニューヨーク証券取引所も、グレースケールを支持する法定助言書(amicus brief)を裁判所に提出するなど支援しており、ETF転換の許可が、投資家にとって理想的な道につながると考えているようだ。

関連:グレースケール、ビットコインETF転換をめぐる訴訟でSECに反論

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
07/27 土曜日
08:10
マスク氏のX(旧ツイッター)、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除か
イーロン・マスク氏がオーナーのX(旧ツイッター)は、ビットコインなどの仮想通貨絵文字表示を削除した。ドージコイン擁護のためか。
07:35
BitwiseのETH現物ETFの横断幕、NYSEに掲揚
仮想通貨運用企業Bitwiseのイーサリアム現物ETFの横断幕が、ニューヨーク証券取引所に掲げられた。同社は、取引終了のベルを鳴らすことも報告している。
07:05
野村傘下のレーザーデジタル、利回り提供のイーサリアムファンド販売予定か
野村ホールディングスの仮想通貨資産子会社であるLaser Digital(レーザーデジタル)は、イーサリアム現物ETFの代替商品の導入を計画しているようだ。
06:40
米SEC、グレースケールのミニ版ビットコインETFを承認
仮想通貨投資企業グレースケールが提供するGBTCは手数料(1.5%)が最も高く資金流出は続いていたが、新商品を導入し0.15%という業界最安の手数料設定で競争力を高める狙いだ。
06:20
ビットコイン価格が21年後に最大で75億円に到達か、マイケル・セイラー氏の強気予想
ビットコインを最も保有する米上場企業マイクロストラテジーのマイケル・セイラー氏はカンファレンス「ビットコイン2024」で、BTCの今後の強気予想のプレゼンテーションを行った。
07/26 金曜日
17:10
「米大統領選で価格変動 トランプやハリス由来のミームコインの買い方
トランプトークンの概要 ドナルド・トランプ前米大統領とその「Make America Great Again」(アメリカを再び偉大に)というスローガンからインスピレーションを得…
17:10
ヤマハ発動機が初のVTuberコラボNFTを発行、Yamaha E-Ride Baseを訪れて進化可能
ヤマハ発動機が初のNFTデジタルステッカーを発行。横浜のYamaha E-Ride Baseで進化するダイナミックNFTを体験し、限定グッズをゲットできる。
15:13
ビットフライヤーがFTX Japan買収完了、カストディ事業展開へ
株式会社bitFlyer HoldingsはFTX Japanの株式100%を取得し、完全子会社化を発表。8月26日までに社名を変更し、クリプトカストディ事業を展開予定。法制度整備後の暗号資産現物ETF関連サービス提供も視野に入れている。
14:43
Neo Xメインネットが正式稼働 EVM互換でネオのエコシステムを拡張
Neoは高性能EVMベースのサイドチェーン「Neo X」のメインネット正式稼働を発表。クロスチェーンブリッジで流動性と互換性が向上し、エコシステムの可能性が広がる。
14:15
カマラ・ハリス氏のミームコインが過去最高値を記録、大統領候補指名の期待受け
PolitiFiと呼ばれる政治パロディのミームコインが、仮想通貨領域で独自のジャンルを形成しており、カマラ・ハリス副大統領のパロディコイン「 Kamala Horris(KAMA)」が急騰し話題となっている。
12:55
アルトコインETFの未来、ブラックロックが語る現実と可能性
ブラックロックのデジタル資産責任者は、イーサリアム現物ETFが承認されていても他のアルトコインETF誕生には困難があると話した。
12:14
仮想通貨相場反発、ビットコイン・カンファレンスのトランプ登壇に関心集まる
昨日までの大幅下落とは打って変わり暗号資産(仮想通貨)相場は反発した。強気シグナルのハッシュリボンが点灯しているほか、今週末にはビットコインカンファレンスに米国のトランプ前大統領が登壇予定であり、投資家の関心が集まる。
11:00
トランプ前大統領の陣営、4〜6月期で仮想通貨で6億円の寄付金調達
トランプ前大統領は、ビットコインなど仮想通貨で6億円以上の選挙資金を調達。「ビットコイン2024」でもさらに資金を集める予定だ。
10:30
BTCが290万ドルに到達するシナリオ、VanEckが公開
仮想通貨ビットコインが2050年までに290万ドルに到達するシナリオをVanEckのアナリストが公開。このシナリオを実現するための条件を説明している。
10:00
ソラナ初事例、パラオ共和国がデジタルID発行
主権国家が仮想通貨・ブロックチェーンであるソラナ上で、法的アイデンティティを発行する初めての事例となった。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア