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OpenSeaの牙城を崩せるか? プロトレーダー向けNFT市場「Blur」の戦略とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

OpenSeaに迫るBlur

イーサリアムのNFT(非代替性トークン)経済圏では、プロトレーダー向けNFTマーケットプレイスと特徴づけられた「Blur」のシェアが急拡大している。

22年10月にローンチされたばかりのBlurは、手数料ゼロと高速アグリゲーション(集約)モデルでトレーダーを獲得。業界最大手プロバイダーOpenSeaのシェアに匹敵しつつある。データサイトDUNEのある統計では、2月1日時点でBlurの出来高は7,248 ETH(15億5900万円)でOpenSeaの7,077 ETHを上回った。

出典:Dune

Blurは10月に最初のエアドロップを実施して以来、ユーザー向けに独自トークンBLURのエアドロップを断続的に実施することを約束していた。

Blurでは、より多くのNFTをリストするほど多くのBLURトークンを得られる。また、Blur を経由して他のNFT電子市場にリストすることで特典につながるスコアを得られるなど、ユーザーの利用率増加の動機の一つとなっている。

Blurは1月中のトークンローンチを控えていたが、新機能の開発により1か月先延ばししており、2月14日の実行を予定している。

関連:OpenSea、NFT作成者への手数料制度を見直しへ

Blurの功績

Blurの創設者は匿名の活動家「PacmanBlur(@PacmanBlur) 」。10月20日の同氏のブログ投稿によると、同社はParadigmやCozomo Mediciなど、業界を代表する投資家や個人から約18億円(1,400万ドル)以上を調達。

MIT、Square、Y combinator、Citadelなどの主要企業の出身者のチームによって構築されているBlurの開発戦略は、他のアグリゲーターと一線を画している。

BlurはLooksRare、SudoSwapなどと同様、クリエイター手数料(ロイヤリティフィー)を強制しないため、OpenSeaのブラックリストに指定されていた。つまり、ロイヤリティを強制するOpenSeaの「Operator Filter Registry(OFR」で発行されたNFTの取扱いができない状態であった。

出典:Pandajackson42

しかし、BlurはOpenSeaのNFT売買プロトコル「OpenSea Seaport」でサービスを再構築することでブロックリストの迂回に成功。さらにはOpenSeaのOFRベースのNFTに限らず、Yuga labsのSewer Pass NFTの取扱いも可能にした。

Yuga labsはOpenSeaのOFRに似たブラックリストツールを独自に開発。Sewer PassはBored Ape Yacht Club(BAYC)などのコレクション保有者に配られたNFTであり、クリエイター手数料を徴収しない電子市場BlurやLooksRare、NFTXでの取引を禁止した経緯がある。

偽名アナリストのPandaJacksonは、Seaport Protocolを統合してNFTの取扱いを増やしたBlurの取り組みは、「クリエイターにとっても有益」と指摘。NFTアグリゲーターへの露出を獲得することで、そこで生じる大規模な取引量からロイヤリティ収益の増加が見込める利点がある。同氏は、「Blurの動きはより多くのクリエーターをこの分野に引き付ける可能性がある」と強調した。

関連:NFT電子市場大手OpenSea、「Seaport」移行へ

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