CoinPostで今最も読まれています

OpenSea、NFT作成者への手数料制度を見直しへ 有識者からは反論の声も|決断迫られるNFT業界

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

クリエイターフィーの新システム

最大手のNFT(非代替性トークン)マーケットプレイスのOpenSeaは6日、NFT創作者への手数料(ロイヤリティ)を強制するためのオンチェーンツールの導入を発表した。

11月9日午前2時(日本時間)以降、新規NFTプロジェクトがオンチェーン上のエンフォースメント(執行)ツールを導入しない場合、OpenSeaで取引されてもクリエイターフィーを設定することができなくなる。

OpenSeaは、既存コレクションに対する一律の手数料導入については22年12月8日まで変更を行わないと説明。コミュニティーと対話を重ねて、最善策を模索する方向を示した。

具体的には、全てのユーザーやクリエイターが同じ意見ではない点を踏まえ、一部ではオンチェーンのエンフォースメントツールの導入やオフチェーンでの手数料の徴収など、複数の選択肢を提供していく予定だ。

新たなロイヤリティ制度

OpenSeaは2018年から、クリエイターを誘致するためにクリエイターフィー(ロイヤリティー)制度を導入したが、過去数ヶ月でオフチェーンでの徴収は脆弱性があると説明。特に、ロイヤリティーが任意である場合は創作者への手数料が2割に留まる統計もあると指摘した。また、競合マーケットプレイスでは全く導入していない場合もある。

NFT取引量の大半を占めてきた同社の「業界における役割」を踏まえ、OpenSeaは洗練された原則に基づいたアプローチが必要だとコメント。多くのクリエイターがオンチェーン上での手数料の導入を求めている点から、クリエイター自身が手数料の有無とビジネスモデルを選択できるべきだと説明した。

これを受け、OpenSeaは新たに発行されるNFTにおけるロイヤリティ徴収をオンチェーンで義務付けるツールを米時間の11月8日(火)から一般公開。このコードが導入されたNFTの販売が実施される際、クリエイター費の支払いが義務付けられる。

OpenSeaは今後、更なるツールや改善をローンチして現行の支払いシステムを変えていくと意気込みを語った。今週は新たなNFTが変更されるが、プロジェクトやコミュニティの意見を重宝しながら、既存NFTへの変更については最低でも12月8日まで導入を見送る計画を明らかにした。

そのため、今後は新たなNFTコレクションがオンチェーンでのエンフォースメントを導入する場合、クリエイターフィーが強制される反面、オンチェーン・エンフォースメントを導入しなかった場合はロイヤリティーが強制されない。

OpenSea側は、オンチェーンでの支払いの強制はNFTの検閲耐性やパーミッションレスや性質に反する側面を認めつつ、現状ではロイヤリティーの徴収モデルにおける持続可能性がない為、オンチェーンでの強制は必要だと判断。Web3における重要なマネタイズ手段かつビジネスモデルになり得るため、クリエイターが選択肢を持つべきだと説明した。

また、このようなシステムを導入してもOpenSeaは全てのクリエイターがロイヤリティーを導入するわけではないと認めている。しかし、オンチェーン上でのツールを提供することで、クリエイター自身の決断を支援する姿勢を示した格好だ。さらに、今後はプロジェクトやコミュニティと対話を重ね、より良い仕組みを創っていきたいと意気込みを述べた。

競合マーケットプレイスの取り組み

2022年1月のピークを境に取引量が減少傾向のNFT市場だが、OpenSea以外では創作者へのクリエイターフィー及びロイヤリティーなどの二次手数料の支払いコストは無料とするシステムが主流となってきた。

ソラナ(SOL)基盤の大手NFTマーケットプレイス「Magic Eden」は10月からNFT購入者がロイヤリティの提供を選択できる「オプション(選択型)ロイヤリティ」機能を実装したばかり。しかし、XYX2やSudoswap、LooksRareなどではロイヤリティが無料、または購入者が選択できる。

関連:「Magic Eden」、ロイヤリティ支払いの選択機能を実装

GAFAAから搾取されたクリエイターに還元する目標もあるWeb3の精神に基づき、創作者を尊重したい「理想」と取引量の低下や収益性の追求などの「現実」に直面せざるを得ない状況となっている。

web3とは

ウェブ3.0(Web3.0)は、Web1.0およびWeb2.0に続く、ウェブサイトおよびインターネットの潮流、特徴および構造を表している概念。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。

▶️仮想通貨用語集

関連:NFT(非代替性トークン)とは|主な特徴と将来性を解説

業界内の見解

今回のOpenSeaの方針転換を受け、業界からは賛否両論の声が強まっている。

NFT界隈の有識者であるmewny氏は、「コミュニティはOpenSeaの動きを認めるべきではない」とコメント。依然として最多のNFT取引量を誇るマーケットプレイスが影響力を悪用した場合、今後さらに違った要因でNFT業界の発展を阻害しかねない」と懸念するなど、懐疑的な見方を示した。

出典:Twitter

また、最も権威ある文化賞のひとつであるエミー賞にノミネートされた経歴を持つ写真家のJohn Knopf氏は、「NFTを持つようになったきっかけは本来、NFT独自のロイヤリティーだった」と説明。最大の魅力を変更するのは「この界隈で最大のラグプルと言えるしれない」と大きく批判した。

国内のNFT情報コレクターであるmiin氏は「NFTはクリエイターにロイヤリティが還元され続ける」という神話は崩れはじめていると指摘。業界全体で新たな仕組みの再考が余儀なくされていると分析した。

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
06/07 水曜日
12:16
SECコインベース提訴もビットコイン大幅反発、バイナンス・ショックの下げ幅を全戻し
米SEC(証券取引委員会)が前日のバイナンスに続き、大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースの提訴に踏み切った。6日に急落していたビットコイン価格が大幅反発した背景は。
11:55
米ロビンフッド、上場トークンの見直しを検討
米投資アプリ「ロビンフッド」の代表者は、米下院の仮想通貨規制に関する公聴会で証言。SECがコインベースらに対する裁判で証券とみなしたトークンの上場見直しを検討していると話した。
11:10
SEC、バイナンスUSの資産凍結を要求
米SECは、仮想通貨取引所バイナンスやCZ氏らに対する訴訟について、地方裁判所に緊急の申し立てを行なった。SECは、バイナンスUSの資産凍結などを要求している。
09:45
仮想通貨取引所OKX、野村HDら設立のKomainuと提携
大手仮想通貨取引所OKXは、デジタル資産のカストディサービスを提供する「Komainu」と提携し、機関投資家向け預かり資産の安全な取引を24時間年中無休で実現すると発表した。
08:15
Optimismの大型アップグレード「Bedrock」、実装完了
イーサリアム(ETH)のレイヤー2(L2)ネットワークOptimismは7日、大型アップグレード「Bedrock」を実施完了したと発表した。OPトークンの価格は前日比+8.3%上昇している。
07:40
米SEC、コインベースを提訴
米SECは、前日のバイナンスに続き、仮想通貨取引所コインベースを提訴。証券法違反を主張し、ソラナなどの銘柄を有価証券であると指摘している。
06/06 火曜日
16:08
革新的な次世代ゲーム求む、賞金65000ドル(900万円)のハッカソン「Oasys TOKYO HACKJAM」開催へ
ゲーム特化型ブロックチェーンOasys(OAS)は、革新的なゲームを求め、Japan Blockchain Weekに賞金総額賞金65000ドル(約900万円)のハッカソン「Oasys TOKYO HACKJAM」の開催を発表した。
13:18
AI開発と著作権問題、基準を明示した文科大臣答弁が話題に
生成AIの開発段階で用いられるデータ利用について、著作権を問わず利用が可能だとの判断が、日本の行政トップから示されたことが、日本がAIの著作権問題で先鞭をつけたとして海外でも注目を集めている。
12:33
SECのバイナンス提訴で仮想通貨全面安、ビットコイン25000ドル台に急落
米SEC(証券取引委員会)が業界最大手の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンスの提訴に踏み切りビットコインが急落。新たに12銘柄の有価証券性を指摘されたアルト市場では大規模なロスカットが発生した。
11:55
JPモルガン、インドで6つの銀行とブロックチェーンベースの取引を試験
米JPモルガンは、インドでブロックチェーンベースの米ドル建て取引の試験運用を開始した。取引プラットフォーム「Onyx」を利用するもので、金融センター「GIFTシティ」の5行が参加する。
11:02
ドリコム、Web3ゲーム『Eternal Crypt -Wizardry BC-』開発へ
ドリコムが保有する「Wizardry」の知的財産権を活用し、チューリンガムと共同で開発を進めているブロックチェーンゲームの新タイトルが『Eternal Crypt -Wizardry BC-』に決定した。
10:15
米テザー社、エルサルバドルのビットコイン採掘企業に350億円出資
米テザー社は、エルサルバドルで仮想通貨ビットコインのマイニングファーム建設を目指すスタートアップ「ボルケーノエナジー」に出資したと発表した。専門知識なども提供する。
09:30
イーサリアム共同創設者Wilcke氏、取引所へETHを大量送金か
仮想通貨イーサリアムの共同創設者Jeffrey Wilcke氏のものとみられるウォレットから、55億円相当のETHが取引所に送金されたことがわかった。同氏のウォレットでは、15万ETH超がまだ保有されている。
08:15
米SEC、バイナンスとCZ氏を提訴
米SECは、仮想通貨取引所バイナンスと同社CEOのCZ氏を提訴。ソラナなどの銘柄を未登録有価証券と主張するなどして、合計13の容疑で訴訟を行なった。
08:05
仮想通貨関連株全面安、アップルはMRヘッドセットを発表
本日のNYダウは−199.9ドルと反落。ナスダックも−11.3ドル安で取引を終えた。市場は来週の米CPIとFOMCに向けて様子見の雰囲気を強めているようだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2023/06/15 ~ 2023/07/15
その他 未定
2023/06/16 09:30 ~ 20:00
東京 東京ミッドタウン八重洲
2023/06/18 10:00 ~ 19:00
Non Fungible Tokyo 2023 associated with Japan Blockchain Week
東京 東京国際フォーラム
2023/06/18 16:00 ~ 20:15
東京 アクセンチュア・イノベーション・ハブ東京
重要指標
一覧
新着指標
一覧