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米パンテラキャピタル「仮想通貨相場は底を打ち、次のサイクルに入った可能性がある」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン価格サイクルの分析

米暗号資産(仮想通貨)ファンド大手Pantera Capital(以下、パンテラ)は、今年2月の投資家向けの書簡で、「仮想通貨市場は底を打ち、次の強気相場サイクルに入った」との見解を示した。

長期的に見ると、ビットコイン価格は過去12年間、平均して毎年2.3倍の長期的な上昇傾向にある。この傾向を示し始めるのも近いと考える。

パンテラは過去の弱気相場の傾向を分析。その継続期間と価格の下落率を最近(2021年11月から22年11月まで)の弱気相場と比較した。

  • 継続期間の中央値:307日
  • 最近の継続期間:376日
  • 下落率の中央値:-73%
  • 最近の下落率:-77%

パンテラは、最近のサイクルは唯一前回の強気相場の上昇分を完全に消失させるほどの過去類を見ない次元の弱気相場だったと指摘した。しかし、現在はその弱気相場も終了し、次なる高みを目指しはじめたと主張。過去6回の弱気相場の後の「7回目の強気相場」の起点になるとみている。

2023年の展望

パンテラは2022年は仮想通貨市場にとって厳しい試練の1年だったと振り返る。その原因については、過剰なレバレッジや不正行為に手を染めていたThree Arrows Capital(3AC)やFTXを念頭に「明確な規制がない法域で、悪質なプレイヤーが境界線を回避したこと」だと指摘。2022年が「ルールを破って失敗する年」だとすると、23年は「ルールを守ことでその見返りを享受する年」になると考えているという。

取引所などの中央集権的な機関(CeFi)は、まず信頼の回復に努めることが肝要だと強調。顧客と信頼関係を築き、同時に規制当局と協力して明確な枠組みを開発することで、市場シェアを獲得していくことができると述べた。

CeFiが信頼を再構築する際に、分散型金融(DeFi)が一役買うことになるだろうとパンテラは主張している。CeFi企業がユーザーがDeFiを利用するためのフロントとして機能することで、DeFiがCeFi企業にとって差別化や顧客獲得のための強力なツールになると指摘する。

具体的な例としてパンテラは、米コインベースと、流動性ステーキング(Liquid Staking)を提供するDAO(分散型自律組織)「Liquid Collective」を上げた。

ユーザーはコインベースのアカウントにログインすることで、Liquid Collectiveプロトコルへのアクセスが可能。そのため、規制当局による顧客確認やマネロン防止要件は、すでにコインベースのアカウントを持つことで満たされている。

このように、ユーザーがバックエンドにあるDeFiを利用するために、慣れ親しみ信頼できるCeFiを利用できることは、「Win-Winの関係」だとパンテラはいう。

ブロックチェーンはバックエンドに

パンテラは、ブロックチェーンを前面に押し出すのではなく、バックエンドに留めることで、一般的な消費者が受け入れやすくなると指摘する。

その好例が、ブロックチェーンやNFT(非代替性トークン)などに全く言及しない、人気ソーシャルメディア「Reddit」のアプローチだという。

Redditでは、400万人以上のユーザーがアバターNFTの作成を行ったが、その成功の鍵は、「”毒性”があり採用を阻害しかねない」専門用語を意図的に避けることだったとパンテラは指摘した。RedditはNFTではなく、「デジタル・コレクティブル」という名称を使っている。

関連:ビットコイン高騰で25000ドルに迫る、上昇の背景は

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