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ビットコイン高騰で25000ドルに迫る、上昇の背景は

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

15日の米NY株式市場では、ダウは前日比38.78ドル(0.11%)高、110.45ドル(0.92%)高で取引を終えた。

米雇用統計やCPI(米消費者物価指数)に続き、今朝方発表された米小売売上高でも市場予想を上回ったことで、FRB(米連邦準備制度)の追加利上げへの警戒感が燻る。今晩に米生産者物価指数(PPI)を控える中、指数動向を見極めんとする市場心理も垣間見える。

先月発表された昨年12月のPPIは20年3月に発生したコロナ・ショック以来の大幅低下となり、ディスインフレプロセスを裏付ける根拠の一つとなった。

個別銘柄では、暗号資産(仮想通貨)相場の高騰に伴い、仮想通貨関連株が大幅反発。コインベースが前日比17.46%高、マイクロストラテジーが10%高、マイニング企業のマラソンデジタルが18.3%高となった。

関連:コインベースなど仮想通貨関連株全面高 1月の米小売売上高は予想超え|16日金融短観

関連:仮想通貨投資家にもオススメの株式投資、日米の代表的な仮想通貨銘柄「10選」

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比11.39%高の24,632ドルと高騰。主要アルトのイーサリアム(ETH)9.5%高、BNB8.74%高、XRPの6.04%高を凌駕した。

BTC/USD日足

週足200SMAの25,012ドル、22年8月の高値25,214ドルをブレイクした場合、2021年の強気相場の底値水準となる28,800ドル〜30,000ドル台が視野に入る。

BTC/USD週足

雇用統計以降に急反発していた「ドル・インデックス」がレジスタンスライン(上値抵抗線)で一服したこともリスク資産の上昇を後押しした。

DXY/USD週足

市場予想を大きく上振れた先日の雇用統計直後の重要指標とあって警戒されていたCPI(米消費者物価指数)を無難に通過したことは一定の安堵をもたらし、ネガティブな材料が相次ぎ急落していた暗号資産の買い戻しを誘った。

CoinGlassのデータを見る限り、燃料となりそうなショートポジションのロスカット(強制清算)量は限定的であり、14日の急騰時のように先物市場のショートスクイーズ主体の上昇ではなさそうだ。

Coinglass

バイナンス先物市場ではOI(未決済建玉)上昇は見られるも、Funding Rate(資金調達率)に過熱感は見られず、大口の現物買いが相場を主導している可能性もある。

Coinglass

一部では、米SEC(証券取引委員会)が、XRPを発行するRipple社やイーサリアム(ETH)含むPoS通貨のステーキングサービスなどアルトコインを巡る有価証券問題を標的にしているため、ビットコインに大口の資金が集まっているとの指摘もある。

関連:米SECのクラーケン起訴をどう見るか、イーサリアムステーキングへの影響を考察

一方、新規銘柄を中心にアルトコイン市場では循環物色が進んでおり、BTCドミナンス上昇も45%付近までであることから、“アルトドレイン”現象の様相は呈していない。

BTCドミナンス 週足

また、上昇の背景としては、23年2月以降イーサリアム(ETH)の元祖コレクティブルとして高額取引される「Cryptopunks」のクローン版「Ordinal Punks(Bitcoin Punks)」が投機的人気を集め、ビットコインのアクティブアドレス(残高0を除くウォレット)数が急増していることも一因にあるとされる。

関連:「CryptoPunks」のビットコイン版が価格急騰、2,700万円で取引も

Ordinal Punksは、今年1月にローンチされたOrdinals Protocol上で発行されたもの。Ordinalはビットコインコアの元開発者Casey Rodarmor氏が設計したプロトコルで、サイドチェーンやレイヤー2などを介さずNFT(デジタル・アーティファクト)をビットコインチェーンに直接保存することができる。

具体的には、ビットコインにおける1億分の1を表す最小単位“satoshi”に通し番号をつけることでsatoshi単位の検索、転送、受信を可能にしたほか、satoshiに動画や画像データを含めることもできるようになった。

関連:史上最大4MBのビットコインNFTがミント、コミュニティは賛否両論

ビットコインのNFT(デジタル・アーティファクト)は、Segwitから約4年を経た21年11月、シュノア(Schnorr)署名と呼ばれるアルゴリズムを導入し、ネットワークのプライバシー及び効率向上を目的として実装されたビットコインの大型アップグレード「Taproot」で導入された新機能の利用によって実現した。

OrdinalのNFTはOTC(相対)取引を通じて高値で売買されており、Dune Analyticsのデータによれば、同プロトコルを通じてビットコイン・ブロックチェーンに直接刻み込まれた(インスクリプションされた)NFT数は2月6日時点で約7,000であったが、2月11日時点で約50,000まで急拡大。16日現在では112,000を超えた。

Dune Analytics

Ordinal Punksのほか、Bitcoin Shrooms、Astral Babesなどのコレクションが注目を浴びる中、NFTは本来の開発用途とは異なるとして、イーサリアムのNFTが流行り始めた頃と同様に「ネットワーク・トランザクション詰まりや取引手数料の高騰をもたらす」と懸念の声も挙がっている。

一方、「新たなネットワーク価値、および経済効果を生み出している」と肯定的な意見もある。Taproot機能の利用率は2月以降急上昇した。

Dune Analytics

Ordinalsに移行するプロジェクトは、Solana NFT コレクションで人気を博したDeGodsが含まれる。15日には、コインベースの提供するビットコイン基盤のデジタルウォレット「Xverse」がOrdinalのサポートを追加した。

ハッシュレートが過去最高に

ビットコインのハッシュレート(採掘速度)が過去最高値を更新。一時大台の300TH/sに達した。

Hashrate

TheMinerMagの調査責任者によれば、マイニング企業は、強気相場の最中にあった2021年後半から、多額の融資を受け採掘能力を大幅に増強してきたが、2022年の弱気相場では、暗号資産暴落の影響で破産した企業も複数見られた。

ハッシュレートの再上昇は、採算割れした弱小マイナーが淘汰され世代交代が進んだことを示唆する。昨今では天然ガス価格の下落により、マイナーの電力コスト削減につながっているとの指摘もある。天然ガスの先物価格は、供給見通し改善により下落。エネルギー価格の記録的な高騰は緩和されつつある。

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