広島サミットに向けて規制強化を議論
G7(先進7カ国)は、5月中旬の財務相・中央銀行総裁会議に向けて、暗号資産(仮想通貨)セクターの規制強化についての議論を進める見込みだ。関係筋の情報として、共同通信が報じた。
関係筋によると、G7諸国は、仮想通貨が世界の金融システムにもたらす潜在的なリスクが懸念される中、対応について共同宣言を発表する計画だ。特に、仮想通貨事業の透明性と消費者保護を高めることが狙いだとされる。
現在、仮想通貨の法的地位や、どのようなルールが適用されるかは、国によって異なるが、G7は、世界的な標準ルールの策定で主導権を握ることを望んでいる。
G7財務相・中央銀行総裁会議は、5月中旬に、G7広島サミットの数日前に新潟で開催される見込みだ。日本は、包括的な仮想通貨規制で国際的に先行していることから、議長国として協議を主導する構えだという、
仮想通貨は、4月中旬にワシントンで開催される主要20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議の議題になる可能性も高い。
背景
仮想通貨の規制強化が議論される背景には、特に2022年11月の大手仮想通貨取引所FTX破綻、またその経営実態が杜撰であったことが明らかになったことがある。
さらに、最近シリコンバレー銀行(SVB)とシグネチャーバンクが事業閉鎖になったことも考慮されている。SVBはテクノロジー関連のスタートアップを支援していた銀行であり、シグネチャーバンクは仮想通貨企業を顧客としていたことでも知られているところだ。
これに関連して、シグネチャーバンクのバーニー・フランク取締役は、米ニューヨーク州金融サービス局が同行を閉鎖したのは、仮想通貨は危険であり、関わりを避けるべきという警告メッセージを示すという理由もあったと意見している。
発言を受けて、トム・エマー米下院議員もシグネチャーバンクなどの閉鎖は「仮想通貨のボラティリティ(価格変動の大きさ)よりも、金利上昇の影響を受けているようだ」と述べ、当局は金融不安を助長していると批判した。
なお、ニューヨーク州金融サービス局は、シグネチャーバンクは様々なセクターに出資していると指摘し、仮想通貨業界のリスクを示すという意図はなかったと否定している。
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IMFのレポート
FTX破綻以降、様々な国際機関が仮想通貨のリスクを議論しているところだ。例えば、IMF(国際通貨基金)は今月、「仮想通貨のマクロ金融への影響」と題するレポートを公開。
ビットコインなどの裏付け資産を持たない仮想通貨やステーブルコインの普及が進んだ場合、金融政策、為替相場管理、資本移動管理対策などの有効性に対して、リスクをもたらすことになると論じている。
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