CoinPostで今最も読まれています

PayPal、千億円超の仮想通貨を保管 BTC価格上昇を受け

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

前四半期から約460億円増加

米送金大手PayPalは8日、2023年第1四半期(1Q:1月~3月)の業績を報告。約1,276億円(9億4,300万ドル)の暗号資産(仮想通貨)を保管していると述べた。

米国証券取引委員会(SEC)に提出された書類によると、PayPalが保有している仮想通貨の主な部分としては、約675億円(4億9,900万ドル)のビットコイン(BTC)と約490億円(3億6,200万ドル)のイーサリアム(ETH)が挙げられている。

9億4,300万ドルという額は、2022年4Q(10月~12月)から、約459億円(3億3,900万ドル)増加していた。これは、ここ数か月でビットコインとイーサリアムの価格が上昇したことが一因と考えられる。

PayPalは直接に仮想通貨を保有しているわけではなく、外部のカストディ・サービス・プロバイダーに管理を委託している形だ。同社は「第三者カストディ企業が、PayPalの顧客のために、PayPal名義の口座で仮想通貨を保管している」と述べた。

カストディとは

仮想通貨以外の資産にも広く使われる用語。資産の保管や売買に係る決済、また元利金・配当金の受領や議決権行使など、幅広い業務を代行するサービスを指す。カストディを行う企業を「カストディアン」と呼ぶ。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨ウォレットサービスを拡大

PayPalのダン・シュルマン社長兼CEOは、次のようにコメントした。

当社は2023年における良いスタートを切り、第1四半期には予想を上回る好調な業績を達成できた。

人気のあるチェックアウト(支払い機能)とデジタルウォレットのユーザーエクスペリエンスを改善するための努力を続けており、それが実を結び始めている。

PayPalはデジタルウォレットのサービス拡大を進めているところだ。22年6月には、ビットコイン、イーサリアム、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)の4銘柄を、PayPalの口座と外部の仮想通貨ウォレットとの間で入出金する機能を有効にしている。

また、12月には「MetaMask」との提携を発表。MetaMaskのユーザーがウォレットアプリ上から仮想通貨の購入を行うことなどを可能にした。

この4月には、傘下アプリのVenmoでも仮想通貨送金機能を提供する計画を発表。 Venmoユーザーは友人や家族に仮想通貨を送金したり、外部のウォレットや仮想通貨取引所との間で送金が可能になる見込みである。

関連PayPal傘下アプリVenmo、仮想通貨の送金機能を導入

競争圧力

PayPalの事業全体の純収益は前年同期比9%増の約9,470億円(70億ドル)で、調整後1株利益は33%増の1.17ドルとなり、アナリストのコンセンサス予想を上回っていた。

ただ支払いサービスの成長率は遅く、これは、PayPalがApple Payや、Shopify、Amazonなどの企業との競争圧力にさらされているためではないかと見る向きもある。

仮想通貨に関してApple Payでは、米サークル社がステーブルコイン「USDコイン(USDC)」での決済を可能にする開発者向け機能を発表している。またイーサリアムの主流ウォレット「MetaMask」も、Apple Payを使って仮想通貨を購入できるようにした。

なお、Appleは4月に「Apple Card」の利用者に対して年間利回り4.15%の普通預金サービス(銀行1.54%)を提供することを発表したばかりだった。

関連米サークル社、Apple PayでUSDC決済を可能に

関連Web3.0ウォレットMetaMask、Apple Payに対応

注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
06/03 土曜日
17:00
サンドウィッチ攻撃とMEVとは?
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム基盤の分散型取引所ユニスワップなどで猛威を振るい手数料高騰の要因となっているMEV。サンドウィッチ攻撃など、分散型取引市場の脅威について詳しく解説する
14:00
Uniswapの手数料分配案、合意に至らず
分散型取引所(DEX)Uniswapで、一定以上の取引量を処理する流動性プールに対し、手数料収益の分配先を変更し、コミュニティ全体に還元するという提案についての投票が終了した。
13:00
米Marathon、採掘ビットコイン量が前月比77%増加
ナスダック上場の米仮想通貨マイニング企業マラソン・デジタル・ホールディングスは最新の事業報告を発表。5月のビットコイン生産量はOrdinalsの台頭も背景に増加した。
12:00
米下院議員ら、仮想通貨規制を明確化する法案を発表
米下院の共和党幹部らは、ビットコインなど仮想通貨の規制に関する法律草案を発表した。証券とコモディティの区別など、仮想通貨規制の明確化を図る法案となる。
10:50
米コインベースデリバティブ、機関投資家向けにビットコイン等の先物取引を提供
米国のコインベースデリバティブエクスチェンジは、仮想通貨ビットコインとイーサリアムの先物取引を機関投資家向けに提供する計画を発表した。CMEによれば、22年は仮想通貨の先物・オプション取引の約33%が米国外で行われていたが、2023年には35%に上昇する傾向にある。
10:05
イーサリアム仮想マシン「Kakarot」、資金調達を完了
仮想通貨イーサリアムの仮想マシンKakarotを開発するプロジェクトは、プレシードラウンドの資金調達を完了。ヴィタリック・ブテリン氏や、L2プロジェクトStarkWareらが出資した。
08:40
米債務上限停止法案が大統領署名へ 米国株続伸
本日のNYダウは+701ドルと大幅に続伸。ナスダックも+139.7高で取引を終えた。米債務上限問題は法案が上院で可決されたことや強い雇用統計が好感された模様だ。
06/02 金曜日
15:59
札幌開催のWeb3カンファレンス「B Dash Crypto」、ピッチコンテストの結果は
Web3特化型カンファレンス「B Dash Crypto」が札幌で開催された。ピッチイベント「Crypto Arena」で優勝に輝いたのは、高速ブロックチェーンAptosとSuiで分散型取引所(DEX)アグリケーターとして機能する「Umi Protocol」だ。
13:13
オリーブオイル生産業者、DeFiプラットフォームでステーブルコイン建債券を発行
オリーブオイル生産業者ラマ・オリーブオイルは、分散型金融プラットフォーム「Obligate」を利用して、オンチェーン債券を発行した。この社債は、ユーロ連動のステーブルコイン「 EUROe」建で発行された。
13:02
米Circle社、USDCのアービトラムサポートを発表
ステーブルコイン「USD Coin(USDC)」を発行する米Circle社は、アービトラムのサポートを開始することを発表した。アービトラム上でUSDCが直接発行されることにより、裏付け資産の確保が約束され、いつでも1対1で米ドルと交換可能になる。
12:25
メイカーダオ、米国債への追加投資を検討
分散型金融プロジェクトの「MakerDAO」は、米国債への投資として新たに1,780億円の配分を目指す提案書の投票を開始したと発表した。0~6ヶ月間の各種満期を持つ米国短期国債の購入に充てられる目論みである。
11:45
Sui、F1チーム「オラクル・レッドブル・レーシング」と提携
Sui Networkは、F1チーム「オラクル・レッドブル・レーシング」の公式ブロックチェーンパートナーとして複数年契約を締結した。ファンとチームを結び付ける体験を支援していく。
10:25
米FRB、シルバーゲート銀行の清算に同意
米FRBは、米シルバーゲート・キャピタルとシルバーゲート銀行に対して、自主清算に同意する命令書を発表した。シルバーゲート銀行と仮想通貨業界のつながりについても指摘した。
09:35
ナイキ、米ゲーム大手EAと協業へ
Nikeとデジタルエンターテインメント企業EAは、新しいパートナーシップを締結。Web3プラットフォーム.SWOOSHのユーザーらの体験をカスタマイズできるようにしたり、向上させたりしていくという。
08:45
香港企業、米ドルステーブルコインをローンチへ
香港拠点のカストディ企業First Digitalは、仮想通貨の米ドルステーブルコインFDUSDをローンチすることを発表。FDUSDは、BNBスマートチェーンを基盤にするという。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
重要指標
一覧
新着指標
一覧