はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

大量の資金が行き交う「OTC取引」が、ビットコイン価格に及ぼす影響を解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ビットコイン店頭取引(OTC)とBTC価格への影響
一般に1日当たり110億ドル(約1.2兆円)ともいわれる仮想通貨、特にビットコインの取引高には、実は含まれていない要素がある。それが店頭取引(OTC: Over-The-Counter)だ。このOTCは個人富裕層や法人から好まれる理由と、潜在する市場への脅威がある。本記事ではOTCについて、馴染みの薄い読者にもわかりやすいように、いくつかのシナリオを交えて解説する。

仮想通貨の1日当たりのボリュームは110億ドル(約1.2兆円)規模と言われます。

しかし実はこの金額に含まれていないものがあるとされます。それは店頭取引(OTC: On-The-Counter)分です。

取引を人目に触れさせたくない事情のある富裕層や投資家は、一般のオンライン取引所の外でビットコイン取引を行うと思われます。

このため、OTCを含めた場合のBTC取引総額は、私たちが日々見たり聞いたりする金額よりもかなり大きいのではないかと言われています。

OTCビットコイン市場とは

この、OTCビットコイン市場の主な利用者はいわゆる初期保有者、暗号通貨ファンド、個人富裕層といった、十分な資金余力を持つ個人や法人です。

彼らは取引所ではなく、OTC仲介業者(ブローカー)を通じてビットコインの購入や販売を行っている様です。

ビットコイン市場は現在かなり流動性が低いため、大口取引はビットコイン価格に影響を及ぼす(あるいは、意図的に動かすことも出来る)でしょう。

ここに、彼らいわゆる富裕層がOTC取引を好む理由が見られます。

OTC取引の最低額は一般に75,000ドル(約840万円)~250,000ドル(約2,800万円)とも言われますが、もちろん、より高額な取引が行われることもある様です。

どれくらいの取引規模なのか

ロイター通信によれば、暗号通貨仲介の大手Genesis Tradingは1日当たり7,500万ドル(約84億円)~8,000万ドル(約90億円)の取引を処理しているとされます。

他にも多くのOTC仲介業者が存在するため、この取引額を数倍してみれば、どれだけの巨額がやりとりされているか容易に想像出来るでしょう。

大手コンサルタント企業TABBグループは、実際にOTC業界関係者を対象に行ったインタビューに基づき、「いわゆる暗号通貨取引所の2倍から3倍の取引がOTCで行われている」と推定しています

OTC市場はBTC価格に影響を及ぼすか

OTCが取引所外の取引であると考えれば、理論的には影響しないはずだと思われます。

しかしそこには口頭や書面で行われる顧客からの「問い合わせ」あるいはOTC仲介業者からの「回答」が存在します。

この内容がOTC仲介業者から漏れ、BTC価格が影響を受けることは十分に考えられます。

事例Ⅰ

より具体的には、次のようなケースが挙げられます。

  • 数千万ドル(数十億円規模)のBTC初期保有者がいたとします。
  • そして彼が現金化を思い立ち、複数のOTC仲介業者に「適切な価格で」売却を依頼したとします。
  • 希望売却数が保有するBTC資産の一部だとしても、かなりの額になります。
  • その情報が漏洩すれば、OTC+取引所で取引する投資家が、その大量売却に伴う価格下落を見越して早めに売り逃げする可能性も十分にあります。

    実際、2017年12月から2018年2月の間、破綻した取引所Mt. Goxの管財人が、35,000BTCをOTCで(推測により)売りに出し、これが2018年年始、BTC価格に相応の影響を与えたと考える人も少なくない様です。

    また、取引所自身にとってもOTC市場は重要な情報源とされています。

    つまり、個人投資家を主な業務対象とする取引所で見られる相場でなく、OTC上の相場が『実際の』価格を反映したものとも考えられるでしょう。

    活発なOTC市場がビットコインETFの承認に及ぼす影響

    これは今回の記事の主題からはやや離れますが、OTC市場はビットコインETFの承認にも影響することが考えられます。

    規制の不在

    コインポストでも報じたように、米国証券取引委員会(SEC)がこれまでビットコインETFを承認しなかった理由として、潜在的な市場操作適切な市場監視の不在詐欺や価格操作を検出/抑止する手段の欠如といったことが挙げられています。

    OTC市場は現在、事実上、全く規制されていません

    従って、市場操作が起こされないことは保証できないと思われます。

    OTC市場は、通常の取引所よりも高い匿名性と規制の不足により、いわゆる『きたない』取引の温床になっても不思議ではないでしょう。

    事例Ⅱ

  • BTCを実際には売却するつもりのない投資家がいたとします。
  • そして、彼がOTC仲介業者に架空の大口売却話を伝えたとします。
  • 大口の売却はBTC価格下落の要因になります。
  • →先に説明したようにこの話が何らかの形で「漏れた」場合、投資家はBTC価格の十分な下落を待機、BTCをさらに購入することが出来てしまいます

    市場監視の不在

    ビットコインのOTC市場には監視および情報共有の取り決めがありません

    よって、他の投資市場には古くから当然あるような不正摘発措置は期待できないとされます。

    この先、取引所からOTCブローカーに取引の基軸が移るようなことがあれば、その市場成長の分だけ、ビットコインETFにとっては承認を遅らせる要因になり得るでしょう。

    ビットコインOTCにおける実際の流れ

    OTC取引に魅力を感じる投資家がいる以上、そこにはより多くの資金が集まり、敷居も高くなります。

    現に、米国仮想通貨仲介大手のCircle社は4月に最低取引単位をそれまでの25万ドル(約2,800万円)から50万ドル(5,600万円)に引き上げました

    敷居という点では、相応の資産保有者には「身分証明書の提出」や、「マネーロンダリング防止(AML)」および「顧客確認(KYC)」の遵守が課せられます。

    AMLおよびKYCは投資家に資金が不正行為に関わっていないことの確認と保証を、要求するものです。

    投資依頼元の資金に仮に懸念点があれば、規制当局に「不審な活動」として報告を行う必要があります。

    このKYC手続きが済むと、投資家はOTC仲介業者に対し、現在のOTC市場で活発な取引を行っている買い手や売り手に関する情報やそれら取引意図を尋ねたり、あるいは反対に自身の売買意向を仲介業者に伝えたり出来るようになります。

    事例Ⅲ

  • 投資家が仲介業者に「100BTCを1BTC=6,500ドル(約72万8千円)付近で売りに出したい」と意向を伝えます。
  • 仲介業者はそのような売却希望があることを他の投資家に伝えます。
  • そして実際に同価格帯で50BTCを買いたい顧客が2人見つかりました。
  • →多少の価格の押し引きはあるかもしれませんが、こうして投資家たち(当事者全員)が同意すると、ビットコイン取引は実行されます。

    参考記事: How OTC trading is impacting the bitcoin price

    CoinPostの関連記事

    8月下旬に巨額のビットコインを動かした『クジラ』の正体は | 白熱するネット探偵の推理
    8月21日に急落したBTC価格。同じ頃、黎明期からのBTC大量保有者が巨額のコイン放出を行っているとの噂が立ち、RedditやTwitterなどで推測が飛び交っている。「クジラ」の動きの背景に見られる、Mt.Goxやシルクロードの影響とは。
    ビットコインETFが直面する「相場操縦」という大きな壁
    国際金融専門法律事務所の専門家は、「ビットコインETFを通す前に、米国仮想通貨業界における法規制問題を解消する必要がある」と指摘。そのほか、仮想通貨業界の有識者たちの見解をまとめている。
    CoinPost App DL
    厳選・注目記事
    注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
    05/10 日曜日
    09:30
    今週の主要仮想通貨材料まとめ、ETHのグラムステルダム集中作業やソラナとグーグルのAI決済発表など
    前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
    09:25
    週刊仮想通貨ニュース|ビットコインの量子脅威対策や5年以内100万ドル到達の強気予測に高い関心
    今週は、仮想通貨ビットコインの量子コンピュータ対策、VanEckのマシュー・シーゲル氏によるビットコイン価格の強気予測、ホワイトハウスによるクラリティー法案の成立目標設定に関する記事が関心を集めた。
    05/09 土曜日
    13:15
    トランプ・メディア1〜3月期決算、仮想通貨下落などで大幅損失 キャッシュフローは黒字維持
    トランプ・メディアが2026年1~3月期決算を発表。仮想通貨などの含み損が響き大幅な純損失を計上。一方、金融資産は前年比3倍に拡大し営業キャッシュフローは黒字だ。
    11:00
    ジーキャッシュ、量子コンピュータ耐性ロードマップを公表 クロスチェーン流入も好調
    プライバシー仮想通貨ジーキャッシュの開発企業CEOは、量子回復性ウォレットを1か月以内に展開し、18か月以内に完全なポスト量子化を目指すと表明した。
    10:20
    米上院銀行委員会、クラリティー法案を5月14日にマークアップ予定
    米上院銀行・住宅・都市問題委員会が5月14日の正式会合で注目の「クラリティー法」のマークアップを実施する予定だ。利回り条項は妥協済みだが、トランプ一族の仮想通貨利益をめぐる倫理条項が新たな焦点に浮上した。
    08:10
    コインベース、サービス障害発生後に取引再開
    仮想通貨取引所コインベースは、サービス障害が発生したと発表。その後、主要な問題は完全に解決したと説明しており、停止していた取引サービスを再開している。
    07:55
    アプトス、機関取引・AIエージェント向け基盤に78億円超を投入
    アプトス財団とアプトス・ラボが8日、機関投資家向け取引と自律AIエージェントの2分野に特化した5000万ドル超のエコシステム投資を公表。自社プロダクト、研究、プロトコル基盤、戦略ファンドに資金を配分する。
    07:10
    IRENがエヌビディアと戦略的提携、最大5GW規模の次世代AIインフラ構築へ
    仮想通貨マイニング大手のIRENがエヌビディアとの戦略的提携を発表。最大5GWのAIインフラ構築を目指し、エヌビディアは約21億ドルの出資権利を取得した。バーンスタインのアナリストは、GPU供給の確保とAIデータセンターへの転換を高く評価している。
    06:35
    テラウルフ、HPC事業がBTCマイニング売上を初逆転
    ビットコインマイニング企業テラウルフが8日に2026年第1四半期決算を公表。2100万ドルのHPCリース収益が1300万ドルのデジタル資産収益を上回り、AI向けデータセンター事業への転換が業績面で初めて鮮明となった。
    06:05
    Arbitrum DAO、凍結済みの111億円相当イーサリアム放出を承認 
    アービトラムDAOは、Kelp DAOの不正流出被害を補償するため、凍結されていた約30765ETH(111億円相当)の放出を承認した。DeFi United主導の救済策が前進する一方、北朝鮮に関連する米裁判所の差し押さえ命令が資金移動の障壁となっている。
    05:45
    米SEC委員長、オンチェーン金融に「規制の道筋」明示
    SECポール・アトキンス委員長が5月8日のSCSP AI+ Expo講演で、オンチェーン市場に対する4つの規制方針を提示。取引所定義、ブローカー・ディーラー定義、清算機関定義、暗号資産ボールトに関するルールメイキングへの意欲を示した。
    05:00
    ウォーレン米議員、メタのステーブルコイン統合を追及 
    ウォーレン米上院議員が5月6日付でメタのザッカーバーグCEOに書簡を送付。USDC連携など同社のステーブルコイン統合計画について「透明性の欠如は深く憂慮すべき」と批判し、5月20日までの回答を要求した。
    05/08 金曜日
    17:47
    韓国、2027年1月から仮想通貨課税を開始へ 税務当局が方針を正式確認
    韓国財政経済部が2027年1月からの仮想通貨課税を初めて公式確認。年間約27万円の利益に22%課税、対象投資家は約1,326万人の見込み。
    14:30
    国際通貨基金、AIによるサイバー攻撃の高度化に警鐘 「マクロ金融ショック」リスク指摘
    IMFは、AIの進化がサイバー攻撃を強化しており、金融システム全体の安定性を脅かすリスクが高まっていると警告した。さらに、今日の金融システムは高度に接続された共通のデジタル基盤を持つため、サイバー攻撃が「マクロ金融ショック」に発展する可能性も指摘した。
    13:45
    米クラリティー法案、来週にも上院銀行委でマークアップか コインベース政策担当者が予想
    米仮想通貨取引所コインベースのカラ・カルバート氏が仮想通貨市場構造法案「クラリティー法案」が来週にも上院銀行委員会でマークアップを迎える可能性があると予想。ホワイトハウスは7月4日成立を目標と立てた。
    今から始める仮想通貨特集
    通貨データ
    重要指標
    一覧
    新着指標
    一覧