機関投資家に仮想通貨現物取引を提供
世界有数のインターディーラーブローカー(IDB)であるTP ICAPは24日、暗号資産(仮想通貨)のスポット(現物)取引市場「Fusion Digital Assets」をローンチしたと発表した。
Today we have announced that Fusion Digital Assets, our marketplace for spot cryptoassets, is live & has successfully completed its first trade, with the associated settlement processed by @DigitalAssets
— TP ICAP Group PLC (@TPICAPGroupPLC) May 24, 2023
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「Fusion Digital Assets」は、機関投資家のみを対象とした取引プラットフォームとなる。最初の取引として、ビットコイン(BTC)と米ドルのペア取引も完了したと報告した。
現在は、米ドルとビットコイン、および米ドルとイーサリアム(ETH)の取引を提供している。今後は、顧客の需要に応じて取り扱う資産を拡大していく計画だ。
分離運営モデルを採用
TP ICAPグループのデジタル資産部門グローバル責任者を務めるサイモン フォースター氏は次のようにコメントした。
この取引プラットフォームは、これまでクライアントが期待しながら、これまでの仮想通貨市場では不足していたような構造と管理原則により運営されている。
独立した機関による顧客資産の分別管理と、金融当局に登録した仮想通貨取引所という組み合わせは、仮想通貨市場において先進的なものだ。
フォースター氏が説明したように、Fusion Digital Assetsは、各機能を独立した個別のプロバイダーが担当することに特徴がある。
まず、取引については、TP ICAPが独自のプラットフォームで、注文照合や取引執行など仮想通貨取引所サービスをクライアントに提供。
次に、カストディについてはフィデリティ・デジタルアセット(Fidelity Digital Assets)が、顧客資産を独立した立場から安全に保管し、決済サービスも提供する。また、流動性についてはFlow TradersやXBTO Globalなど世界の様々な流動性プロバイダーや、TP ICAP の世界的な顧客ベースから供給される仕組みだ。
TP ICAPは2022年後半に、英国の金融行動監視機構(FCA)より仮想通貨取引事業者としてのライセンスを取得している。
仮想通貨取引所は、従来の金融企業とは異なり、取引仲介、決済、資産保管(カストディ)、信用提供など様々な役割を果たしていることが多い。このことについて、特にFTX破綻後は集中化リスクを指摘する声も聞かれる。
大手仮想通貨取引所バイナンスについても、一部の顧客資金の担保を第三者の銀行で預けることを検討していると伝えられたところだ。
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仮想通貨関連ETPも取り扱い
TP ICAPは2019年にデジタル資産部門を設立。2022年1月には欧州の顧客向けに仮想通貨関連ETP(上場取引型金融商品)の取扱いも開始している。
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