はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨相場は厳しい値動き SECによるバイナンス・コインベース提訴の余波続く

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

マクロ経済と金融市場

7日の米NY株式市場では、ダウ平均株価は前日比91ドル(0.27%)高、ナスダック指数は171ポイント(1.29%)安で取引を終えた。

関連:7月の米追加利上げ観測でAI・IT株下落 アークはコインベース株買い増し|8日金融短観

13日に米消費者物価指数(CPI)を14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)発表を控え、年初来高値を更新していたナスダック指数が売られるなど様子見基調が強まった。

インフレ高止まりを背景に、カナダ中銀が市場予想に反して3会合ぶりの0.25%(25bp)の利上げに踏み切ったことで債券売りへとつながり、米10年物国債利回りが上昇した。現在はブラックアウト期間

これを受け、先物金利市場では、次回FOMC後のFRB(米連邦準備制度)政策金利の据え置き(利上げ停止)予想は64.4%まで低下。25bpの追加利上げ予想は前日から14%ほど増加した。

CME FedWatch Tool

1ヶ月前は利上げ停止予想が9割を超えていたが、経済指標やFRB高官発言の変遷に伴い市場の警戒感は再び高まりつつある。追加利上げの継続となれば、株や暗号資産(仮想通貨)などのリスク性資産にはネガティブだ。株式市場は利上げ停止を織り込み上昇してきた経緯もあり、一転してリスクオフに傾くおそれがある。

日経平均株価32,000円を突破するなどバブル後高値を急ピッチで更新してきた東京株式市場では、今週金曜日に株価指数先物・オプション取引の重なる「メジャーSQ(特別清算指数算出)」を控え、株価のボラティリティ(価格変動性)が高まる可能性がある。

高値圏で大幅反落し、出来高を伴った陰線の包み足を形成する中、米FOMCや来週15日~16日の金融政策決定会合に向けた思惑が強まりそうだ。過去数週間に渡り大きく買い越すなど、日本株相場をけん引してきた海外投機筋の動向も注目される。

関連:仮想通貨投資家にもオススメの株式投資、日米の代表的な仮想通貨銘柄「10選」

仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比1.81%安の26,392ドルに。

米SEC(証券取引委員会)のバイナンス提訴が報じられた際の仮想通貨急落により先物ロングが一掃された後のショートカバーは実需を伴った買い主体ではなかったために上値追いは続かず。レンジ上限のレジスタンスラインで失速したものと見られる。

結果的にロング・ショートポジションを両面焼きしたような値動きが認められ、昨今の流動性低下の弊害とも言えるだろう。

関連:SECコインベース提訴もビットコイン大幅反発、バイナンス・ショックの下げ幅を全戻し

年初に1BTC=16,600ドルまで大幅下落していたBTC価格はその後反転上昇。4月中旬に31,500ドルを付けるも、主要抵抗帯に阻まれ反落。その後の調整局面では、上値・下値ともに切り下げる下降チャネルから脱せずにいる。

25,300ドルを割り込み21,500ドル(②)まで押し込まれるおそれがある。ローソク足の実体でレンジ上限をブレイクし、28,500ドル(①)まで上昇することができれば相場の流れが変わる可能性もあるが、米規制当局による向かい風が強まる中、FOMCやCPI結果がよほど好感されない限りは容易ではなさそうだ。

BTC/USD 日足

圧力強めるSEC

Binance.USは5日、米SEC(証券取引委員会)から提訴されたことを受け、AXS/USDT、ATOM/USDT、MANA/BTCなど100種類を超える多数の通貨ペアの上場廃止と、機関投資家向けのOTC取引(相対取引)の一時停止を発表した。

暗号資産(仮想通貨)市場の流動性のさらなる低下で、閑散相場に拍車をかける事態が懸念され、バイナンスのネイティブトークンであるBNBが前日比7.5%安となったほか、エイダ(ADA)が6.67%安、ソラナ(SOL)が8.66%安となるなど、特に証券認定されたトークンはいずれも売りが先行している。

Binance.USは「一時停止措置は、今後数週間〜数ヶ月以内に解除される可能性がある。再び利用可能になった場合はユーザーに通知する」とし、「顧客の資産は安全に管理されており、入出金も引き続き機能する」と表明した。

関連:バイナンスUS、通貨ペアを大量廃止

Binance.US内で取引されるビットコインやイーサリアム、USDTなどのステーブルコインは市場価格よりも数%割高なプレミアム価格で売買された。投資家が撤退行動を急いでいることを示している。

背景には、SECが顧客保護のためにバイナンス.US及び関連企業(BAM Management US Holdings、BAM Trading Services)の資産を「一時差し止め命令」を行う許可を裁判所に求めたことがある。

SECは6月5日、米国で未登録証券の販売、および未登録取引所の運営を行ったとしてバイナンスを提訴した。ソラナ(SOL)やポリゴン(MATIC)など13の仮想通貨が、有価証券および投資契約に該当すると主張している。

関連:米SEC、バイナンスとCZ氏を提訴 多くの仮想通貨銘柄を有価証券と主張

一方、翌6日に提訴されたコインベースのブライアン・アームストロングCEOおよび最高法務責任者のポール・グレワル氏は、すでに法に準拠して提供しているとして、ステーキングサービスの提供取り止めや証券認定されたトークンの上場廃止は考えていないとした。

ナスダックに株式上場するコインベースは、長年をかけて「どのデジタル資産を有価証券として分類すべきか」を明確にするため、透明性のあるルールやガイドラインの提示をSECに求めてきたが、SECは十分に応じてこなかったとされる。

投資家保護の大義名分の元、曖昧な線引きのまま“提訴”という市場に大きな影響を及ぼす強硬手段に踏み切ったことに対して批判の矛先が向かっている。

そのような状況にある中、避難先として投資家の関心を集めた分散型取引所Uniswapの日間取引高は41%増となった。PancakeSwapの取引高も急増している。

関連:1年を切った次回ビットコイン半減期へのカウントダウン、市場動向と専門家の予測は?

過去に掲載したマーケットレポート一覧はこちら

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
12/31 水曜日
12:00
2026年末のビットコイン価格はどうなる?有識者7人に予想を聞いた
ビットコイン2026年末価格予想を暗号資産(仮想通貨)業界の著名人7人が回答した。平均は12.3万ドルで約40%の上昇見込み。FRB政策、機関投資家参入、半減期アノマリー崩壊など注目ポイントを分析。強気派と慎重派の見解を比較し、相場の行方を占う。
11:00
仮想通貨TOP20と国内発トークン、25年の騰落率は
ドナルド・トランプ氏の米大統領就任やビットコインの最高値更新があった2025年。本記事では同年の時価総額上位銘柄と国内発プロジェクトのトークンの年間騰落率をまとめている。
10:00
激動の2025年 仮想通貨の時価総額トップ20、過去8年間における順位変動は
2025年はビットコインが12万ドルを突破した。仮想通貨に肯定的な米トランプ政権が始動した1年を終えるにあたり過去8年間において仮想通貨の時価総額の順位がどのように変動してきたかを振り返る。
12/30 火曜日
14:00
米カリフォルニア州の超富裕層への「5%資産税」に業界猛反発 仮想通貨起業家流出の懸念も
米カリフォルニア州で純資産10億ドル超の富裕層に5%課税する提案が行われ、Kraken創業者やBitwise CEOをはじめとする仮想通貨・テック業界リーダーが強く反発し、警告を発した。株式、不動産、仮想通貨などを対象とし、未実現の含み益にも課税される点が問題視されている。
14:00
コインベース・ベンチャーズが注目する2026年の仮想通貨4大トレンドとは
米最大手コインベースの投資部門コインベース・ベンチャーズが2026年に積極投資する4分野を発表した。RWA永久先物、専門取引所、次世代DeFi、AIとロボット技術など、次のブレイクアウトが期待される仮想通貨領域について紹介。
12:32
ビットマイン、イーサリアム買い増し 独自のステーキング・インフラも準備中 
ビットマインの仮想通貨イーサリアム保有量が411万枚に到達した。年末の価格下落を好機と捉え買い増しを行っている。2026年には独自ステーキング基盤も公開予定だ。
10:00
2025年の仮想通貨市場を重要ニュースから振り返る
2025年は仮想通貨を支持するドナルド・トランプ氏が米大統領に就任し、相場は米国の動向から大きな影響を受けた。本記事では、ビットコインの最高値更新など1年間の重要ニュースを振り返る。
09:50
仮想通貨投資商品、先週700億円超の純流出 XRP・ソラナは好調維持=CoinShares
仮想通貨投資商品から先週700億円超が流出した。CoinSharesは投資家心理がまだ完全に回復していないと分析した。一方で資産別ではXRPとソラナへの流入は好調だった。
12/29 月曜日
14:23
ビットコインは持続的上昇局面に?4年サイクル論争と機関投資家の影響力
Bitwise CIOマット・ホーガン氏が「ビットコインの4年サイクルは終焉し、持続的上昇局面に入った」と主張した。ハーバード大学など大手機関がBTCを保有し、個人投資家から機関への資産移転が進行。ボラティリティ低下の理由と、「階段を上りエレベーターで降りる」値動きパターンを専門家2人が詳しく解説。
13:35
AIや仮想通貨のショッピング活用進む Z世代が牽引か=Visaレポート
決済大手ビザの調査で、ショッピングにAIツールや仮想通貨を利用する消費者が増加していることが判明。特にZ世代が牽引していた。ステーブルコイン送金への関心も高まっている。
09:44
スベルバンク銀、ロシア初の仮想通貨担保ローン発行
ロシア最大の銀行スベルバンクが同国初の仮想通貨担保ローンを発行した。ビットコインマイニング企業に融資し、デジタル資産担保の仕組みを検証している。
12/28 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、MTGOXハッキング容疑者関連のBTC送金やearnXRPローンチなど
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン年末相場、値頃感から買い戻し期待も|bitbankアナリスト寄稿
今週のビットコインは方向感に欠け1400万円周辺で推移。26日のオプションカット通過後の動向が注目される。底入れには12月高値9.4万ドルの回復が条件だが、割安感から買い戻されやすいとbitbankアナリストが分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|Bybitの日本居住者向けサービス終了発表に高い関心
今週は、大手仮想通貨取引所Bybitの日本居住者向けサービス終了の発表、仮想通貨市場の調整局面、日銀の植田和男総裁の講演に関する記事が関心を集めた。
12/27 土曜日
14:00
ジーキャッシュのシールドプール供給シェアが23%で安定、プライバシー採用が定着
仮想通貨ジーキャッシュのシールドプール供給の市場シェアが2025年初頭の約8%から23%前後で安定している。プライバシー採用指標は依然として安定しておりプライバシー保護取引への持続的な関心を示している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧