- ビットコイン市場における寡占化
- ビットコイン総供給量の62%が、100BTC以上を保有するビットコインアドレスによって牛耳られていることがDiarの週刊レポートで明らかになった。そのようなビットコインアドレスは、全体の僅か0.1%であることも言及されていた。
- 徹底した長期保有
- しかし、ビットコインの過去最高値更新以降、上記のようなアドレスにおいて、BTCを売却した形跡はなく、むしろ買い増ししたアドレスも存在している。それらのアドレス所有者が今後のさらなる高まりを期待していることが示唆される。
9月17日に、仮想通貨市場調査報告書を提供するDiarの週刊レポート にて、ビットコイン市場の寡占化、また大口投資家などの動きの詳細が明らかになりました。
ビットコインの寡占化
Diarによると、総供給量の87%ものBTCが10BTC以上を有するビットコインアドレスによって保有されていると記述されました。
そして、10BTC(約700万円)以上を所有するビットコインアドレスは、全体の0.7%であることから、ビットコインの87%が全体の0.7%によって所有されているという衝撃的な結果が出ています。
さらに、100BTC以上を保有するビットコインアドレスは全体の僅か0.1%であるのにも関わらず、BTC総供給量の62%を牛耳っていることも明らかになりました。
また、BTC総供給量の55%が200BTC以上のビットコインアドレスに保有されているとも記述されたことから、ビットコインが非常に少ない割合のビットコインアドレスによって寡占されている事をレポートは示しています。
しかし、このようなビットコインアドレスは、仮想通貨取引所などのアドレスも含まれているため、必ずしもクジラと呼ばれるような巨額の資金を扱う少数の投資家によってビットコインが保有されている訳ではありません。
Diarの報告書にも、最も保有量の多い5つのビットコインアドレスによってビットコイン総供給量の3.8%が保有されており、それらはBinanceやBitfinexのような世界有数の仮想通貨取引所のアドレスであると記述されています。
徹底した長期保有
他にも、同レポートでは、2017年12月にビットコイン価格が過去最高値を記録して以来、200BTC以上を所有するビットコインウォレットのBTCに大きな売却の動きがなかったことが注目されています。
下記のグラフによると、10,000BTC以上を保有するウォレットでは、その59%がBTCを送信する取引に関与していなく、その保有残高が変わっていない、又は、増えていることが示唆されました。
さらに、ビットコインの保有数に応じてBTC送信が行われなかった割合は以下のような結果が見られました。
- 200~1,000BTC … 87%
- 1,000~5,000BTC … 85%
- 5,000~10,000BTC … 80%
- 10,000BTC〜 … 59%
2017年12月の価格暴騰時には、実にビットコイン総供給量の42%が送信・取引されなかった上、またその内27%のウォレットでは、さらにビットコインを加える動きが見られました。
そして、Diarは、ビットコイン総発行量(2100万BTC)の内訳が以下のような分布になっていると予想しました。
- 長期投資 … 25%
- マイニング待ち、秘密鍵紛失 … 30%
- 投資、投機 … 17%
- 取引所ウォレット … 15%
- 取引目的 … 13%
このように、ビットコインにおける寡占化が懸念される一方で、その価格がピークを迎えた2017年末以降も、売却せずに長期保有を貫いている200BTC以上を所有するウォレットが多数存在していることは、今後さらなる上昇を期待している人々が多いことを示唆しており、良い傾向であると言えるでしょう。
ビットコインコミュニティでは人気な「HODL」という習慣が顕著な結果が見られました。